レジデントBOOKカタログ 2025
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内科系著 松田 光弘1章2章3章1章表皮3章2第第第7第1章第2章4章第章5第第第第第第第3章第AB7| 4章5章4章最後にこの章の内容をフローチャートに沿ってまとめます(図2-46).図2-46 表皮の病変の診断フローチャート紅斑の表面がザラザラしているのは,表皮に病変があることを表しています.表皮に病変を形成する疾患は,湿疹,真菌症,悪性腫瘍,炎症性角化症の4つです.その中で鑑別の優先順位は,①真菌症→②湿疹→③悪は初期の段階では鑑別疾患に入れなくてもよいでしょう.性腫瘍→④炎症性角化症になります.炎症性角化症は頻度が低く,初心者診断の手順は,まず真菌症と湿疹の鑑別のため真菌検査を行います.真菌症が除外できれば,まず湿疹を考えてステロイド外用を行ってよいでしょう.湿疹であれば1〜2週間で治癒するはずです.治癒しなかった場合は3つのパターンを考えます.①診断が間違っている.②原因が除去されていない.③塗り方が間違っている,の3つです.まず外用薬がきちんと使用できているかを確認してください.外用薬が十分に使用できていなかった場合,外用指導を行うことで治癒するでしょう.6.2 乾癬11ツルツル真皮赤み皮下組織2章第表皮5章真皮皮下組織A外因性(表皮に病変がある)B内因性(表皮に病変がない)2.1表面がザラザラか? ツルツルか?表面ザラザラ紅斑直接鏡検真菌症ではない真菌症ステロイド外用治癒外用指導治らない皮膚生検77図1-8 表面ツルツルの紅斑は表皮に病変がないそして存在部位がわかれば,その病変がどこから始まったかを予想することができます3).まず表皮に変化がある場合は,病変が表皮から始まっていて,表皮の変化がない紅斑は,病変が真皮から始まっています.表皮から始まる疾患の大部分は外因性で,原因物質が表皮に接することで起こります(図1-9A).その代表例は接触皮膚炎を代表とする湿疹です.刺激性の接触皮膚炎は,原因物質が表皮細胞に障害を与え,表皮細胞から放出された種々のサイトカインによって起こる疾患です.一方,真皮から始まる疾患のほとんどが内因性で,原因物質が血流に乗って皮膚に到達することで起こります(図1-9B).その代表例は薬疹です.図1-9 病変の存在部位から病因が推定できる2.3 皮疹を組織学的に考えてみよう診断のためには皮膚科診断学を勉強する必要があるんですね.教科書は症例写真がたくさん並んでいるだけで,診断プロセスが書かれていないことが多いからね.確かに,皮疹をみた後に何を考えればよいかは書かれていませんでした.それじゃあ,さっきの2つの皮疹をもう一度みてみよう(図1-4).具体的に2つがどう違うかわかるかな?図1-4 2つの皮疹はどう違う?うーん.見た目が違うことはわかるんですが…….この2つの違いが診断の重要なポイントになるんだ.それがわかれば皮疹と病態のつながりも理解できるようになるはずだ.それではいよいよ紅斑のみかたを解説していきます.冒頭の皮疹の写真をもう一度見てください(図1-4).A,Bともに隆起していない平らな皮疹なので斑のようです.さらに赤2.1 表面がザラザラか? ツルツルか?皮膚科×診断推論!皮膚●A5 ●264頁 ●定価 4,400円 (本体4,000円+税10%)[ISBN 978―4―260―04679―4] 57sample2章のまとめ皮疹の表面の性状に注目しよう皮疹をみたときに皮膚科医は何を考えているのか̶̶その思考過程を惜しみなく披露する。本書では、皮疹の表面性状に注目し、病変の存在部位から皮疹が生じた原因を推測して鑑別診断を考える。診断のプロセスはフローチャートでわかりやすく示した。各章末には症例問題を掲載し、実際の症例で診断のプロセスをおさらいできる構成となっている。付録として症例問題を解説したWeb動画を収載! 目次や立ち読みはこちら>>誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた[Web動画付]

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