③刺激++++--+直接反応性+±+++±++-+--7α③筋①②④肝⑥腸腎④135βγδ-①② 赤血球●B5 ●352頁 ●定価6,820円 (本体6,200円+税10%)[ISBN 978―4―260―05385―3] 含考え方窒素成分、生体色素の検査 A 胆汁色素の代謝(図3-16) C 上昇する場合 (高アンモニア血症)1ビリルビン分画と用語の定義 ビリルビンは高速液体クロマトグラフィ法2ビリルビン,ウロビリノゲンの代謝 赤血球の寿命は120日で,恒常的に赤血球の産7 血清ビリルビン正常過程ビリルビン増加の機序ビリルビン減少の機序骨髄血管網内系ヘモグロビン+ハプトグロビンヘモグロビン+ハプトグロビングロビンミオグロビンヘムFeテトラピロール間接ビリルビンビリルビン肝細胞直接ビリルビン⑤A毛細胆管⑤B肝内胆管ウロビリノゲン⑤⑥②③直接ビリルビンウロビリノゲン④~⑥図3-16 胆汁色素の代謝と異常(原図・河合)①高度の貧血,②溶血性疾患,③シャント高ビリルビン血症,④肝細胞性黄疸,⑤肝内胆汁うっ滞,⑥閉塞性黄疸表3-5 ビリルビン分画とその性状ビリルビン分画非抱合型間接ビリルビン抱合型抱合型直接ビリルビンアルブミン共有結合型グルクロン酸抱合ジアゾ反応水溶液への溶解性血漿アルブミンとの結合尿への出現胆汁中への出現間接反応性+(1分子)直接反応性直接反応性+(2分子)各試薬の測定範囲ジアゾ法酵素法A酵素法B化学酸化法とし,直接ビリルビンはδビリルビンを含む画分万個もの赤血球が壊されており,赤血球が破壊さとして定義することが提言されている.れると,遊離したヘモグロビンは血中のハプトグロビンと結合して網内系組織に運ばれる.そこでヘモグロビンはグロビンと鉄を含むヘムに分解され,鉄がとれてテトラピロールとなり,環状構造生と破壊が行われている.1秒あたり200~300が壊れてビリルビンとなる.つまりビリルビンは683章 含窒素成分,生体色素の検査使用〕.多くの施設で,簡便迅速な方法として用続は,局所でのウレアーゼ作用によるアンモニアいられている.基準範囲は30~80 μg/dLである.②ウレアーゼ・インドフェノール法(Berthelot法),③酵素法〔(ⅰ)グルタミン酸デヒドロゲナーの産生により,胃液酸度の低下をもたらす(図3-15の⑧).また,尿路感染症では同様にウレアーゼ産生細菌の存在によりアンモニアが産生され,尿はアルカリ化する(図3-15の⑨).ゼ・紫外部測定法,(ⅱ)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンセターゼ(NADS)・グルコースデヒドロゲナーゼ・ジアフォラーゼを用いる酵素サイクル法〕. 検体採取後,室温では,赤血球(血漿の約3倍)からの溶出と血漿蛋白に由来するNH 3が急激に増加するため,採血後測定まで氷冷する.(HPLC)で4分画され,溶出順にα分画(非抱合 食物中の蛋白質の過剰摂取,あるいは消化管で型),β分画(グルクロン酸1分子抱合型,モノグの出血による蛋白質の増加などにより,腸内細菌ルクロニド),γ分画(グルクロン酸2分子抱合の作用により消化管でのアンモニアの産生が増加し,血中濃度が上昇する(図3-15の①).激しい型,ジグルクロニド),δ分画(アルブミン共有結合型)となる(表3-5).非抱合型ビリルビン(α分運動でも,蛋白質の分解が進み,上昇する(図3-15の②).これらはいわば肝前性上昇である画)は水に不溶性であり,血中ではアルブミンと結合して溶解しているがδビリルビン(δ分画)はが,肝の処理機能が保たれていれば尿素窒素の上アルブミンと強く共有結合しているのに対して,昇として捉えられ,高アンモニア血症として臨床α分画は弱く可逆的である.δビリルビンの抱合的に問題となることはない.臨床的に重要度の高型ビリルビンとアルブミンの共有結合は不可逆的いのが肝臓機能の高度に低下する病態,劇症肝であり,その半減期はアルブミンと同じとなり,炎,非代償性肝硬変症で,アンモニアが処理できずに著明に上昇する(図3-15の③).また肝硬変症では,副血行路(門脈-大循環シャント)が形成他のビリルビンよりも長い. ジアゾ化法では水に溶けやすい抱合型ビリルビン( β,γ分画)やδ分画のほとんどは反応促進剤され肝臓を通過せず直接大循環系に流入することも,上昇の原因となる(図3-15の④).しばしなしに試薬と直接反応するため直接ビリルビン(direct bilirubin;D-Bil)と呼ばれる(表3-5).水ば,食道静脈瘤の破裂などの出血もアンモニア産生因子として加わる(図3-15の⑤).まれではあに溶けにくいα分画は,反応促進剤が必要とな名称るため,間接ビリルビン(indirect bilirubin;るが,尿素回路を構成する種々の酵素(アルギI-Bil)と呼ばれる.ナーゼなど5種類)の先天性欠損症により,アンモニアが処理できず上昇する(図3-15の⑥). アシドーシスに傾くと,NH 4 +の産生が増加す 近年,抱合型ビリルビン( β,γ分画)を選択的る.尿素回路の入り口で重炭酸イオンの減少,体に測定する酵素試薬が登場し,その測定値を従来法(ジアゾ法など)と同様に直接ビリルビン値として報告しているため,臨床現場で混乱が生じてい内保持に働き,尿素の産生は減少する.余剰のアる.そのため,総ビリルビンは,「非抱合型ビリンモニアはグルタミン経路を介して,腎臓尿細管細胞で排泄され尿中H +と結合し酸を体外に排泄している(図3-15の⑦).ルビン(α分画)+抱合型ビリルビン( β,γ分画)+δビリルビン(δ分画)」,あるいは「間接ビリルビン+直接ビリルビン」と定義し,抱合型ビリル 胃におけるHelicobacter pyloriの感染状態の持ビン( β,γ分画)はδビリルビンを含まない画分9369も血中に逸脱するとされる.管腔に排出される.この排出路に閉塞があると(例えば胆管閉塞など)血管内に逆流して,血中濃度が上昇する.ALP,γ -GT,アミラーゼなどが 酵素は酸化還元反応,転移反応,合成反応,加水分解反応,脱水反応などさまざまな化学反応を該当する.触媒する蛋白質であり,細胞内で合成され,細胞質,細胞内小器官,細胞膜上,または細胞外で機能する.生命現象の観点からは大変重要な分子でγ -GTはアルコールやある種の薬剤により合成が亢進する.ALPとγ -GTは胆汁うっ滞で血中濃度が上昇するが,胆汁に含まれる成分による刺あるが,臨床検査では,細胞や臓器の異常を反映激で合成が高まり,血中濃度上昇をさらに引き起して血中または体液中で増加する性質を病態診断こすとされている.このような酵素の合成亢進はに利用している.酵素をマーカーとする利点は,酵素誘導と呼ばれる.コリンエステラーゼは過栄蛋白質量として測定するより,酵素活性として測養状態で合成が亢進し,低栄養や肝障害で合成が定するほうが感度を高く捉えられることにある.低下し,それぞれ血清活性が増減する. 酵素は病態診断のために,主に血清で測定される.血中に遊離する酵素は概して機能を終えた物血管質にすぎず,存在自体に意義は少ないがその量が増加または減少する背景に意義がある.どの酵素排出も生理的に血中にある程度は遊離して存在するが,以下の病的状態でその存在量が多くなる.細胞膜酵素細胞内酵素壊死により細胞外に遊出し,結果的に血中濃度が細胞上昇する.AST,ALT,LD,CKなどが該当する.図5-1 酵素活性上昇のメカニズム細胞が壊死に陥らなくても細胞膜の透過性亢進で①逸脱,②排出障害,③誘導 血清ビリルビン総論おなじみ『異常メカ』の第8版。検査で得られた情報を適切な診療につなぐ力をつける本。 | 内科系の本46 編集 山田 俊幸 / 本田 孝行 / 小谷 和彦検査値が異常になるメカニズムの理解に焦点をあてた臨床検査の教科書。日常診療で広く使われる検査や、患者に負担の少ない検査から得られる医療情報を資源として病態の実情をとらえ、診療に活かす方策に到達するための知識と考え方を提供する。第8版では全体を再点検し、基本的検査と二次的検査の線引きを排し順序や解説量でメリハリをつけ、ページを増量した。 目次や立ち読みはこちら>>sample5章酵素検査♴排出障害(図5-1の②) 細胞膜に存在する酵素や,分泌酵素は細胞から A 酵素の臨床検査への応用の♵誘導,合成の増加(図5-1の③) B 酵素活性が血中で上昇するメカニズム♶血中半減期,クリアランス(表5-1) 個々の酵素で血中からの消退の時間が異なるこ♳逸脱(図5-1の①) 細胞質や細胞内小器官に存在する酵素が細胞の異常値の出るメカニズム第8版
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