7腹痛●B5 ●512頁 ●定価5,280円 (本体4,800円+税10%)[ISBN 978―4―260―05119―4] Ⅱ入院編KClCa2+CrHbCOHbFMetHbGluLacmOsmFiO2Q-Q -を計算して隠れた病態を探す隠れた異常を見逃さない!1. 動脈血液ガス検査の異常は隅々までチェック2. 動脈血液ガス検査の解釈ステップは常に①病態の予測,②アシデミア? アルカレミア? ③一次性変化は代謝性? 呼吸性? ④アニオンギャップは? ⑤代償性変化は? で行う3. AGが開大していれば補正HCO 34. 代償性変化は,代謝性では15,呼吸性では0.1,0.2,(0.3はナシで)0.4と0.5で計算5. AG開大性の代謝性アシドーシスはKUSSMAL-Pで鑑別下記の動脈血液ガス検査で注意すべき値は?鉄則鉄則11動脈血液ガス検査の異常は隅々までチェック腹痛診療は急性腹症の除外から始まる1. 腹痛診療の第一ステップは急性腹症の除外から行う2. 急性腹症のキーワードは「破裂」「閉塞」「捻転」3. 若い女性の腹痛は妊娠と婦人科系疾患を除外4. 腹部診察では疼痛部位と性状,患者背景を意識腹痛診療でまず行うべきことは?鉄則鉄則11腹痛診療の第一ステップは急性腹症の除外から行う鉄鉄則則鉄鉄則則432Ⅲ 病棟管理編15 15 尿路感染症(UTI)症例 ❶慢性腎臓病の76歳男性.息切れを主訴に来院.来院1週間前から食欲不振があり,来院前日から息切れと倦怠感が出現して改善しないため来院した.来院時バイタルサインは意識清明,体温36.2℃,血圧90/50mmHg,脈拍110/分・整,呼吸数20/分,SpO 2 100%(室内気).心音や呼吸音に明らかな異常はない.動脈血液ガス検査を行った.項目名結果項目名結果TEMPpHPaCO2PaO2HCO3ABESBEO2CTO2SatNA37.06.47.39334.384.520.4-3.5-3.710.699.71142.242.17.82.81.6134931.7271.921.082Ⅰ病棟当直編症例 ❶63歳男性,虫垂炎術後の既往歴がある.職場で勤務中に突然の腹痛を繰り返し,嘔吐を認めた.悶えるほど痛がり苦しんでいるため,職場の者が救急要請した.来院時バイタルサインは意識レベルJCSⅠ-2,体温37.2℃,血圧140/68mmHg,脈拍120/分・整,呼吸数24/分,SpO 2 99%(室内気).腹部正中を中心に広く圧痛,反跳痛を認め,筋性防御を伴った.・・腹痛をみたら,まずは緊急性の高い疾患から鑑別する.特に急性腹症(acute abdo-men, surgical abdomen)を除外する.・・急性腹症は発症1週間以内の急性発症で,手術などの迅速な対応が必要な腹部(胸部も含む)疾患と定義される.・・診断の遅れが致命的な結果を招くため,まずはこの急性腹症を念頭に置いて診察,検査を行うことが大切である.・・急性腹症を疑う臨床経過は,突然発症の激しい腹痛.・・急性腹症を疑う身体所見は,rebound(反跳痛),defense(筋性防御).いわゆる汎発性腹膜炎を疑わせる所見である.・・早期の外科的治療介入が必要な場合,一刻を争うため,検査を進めながら外科コールを行う.15 尿路感染症(UTI)197・・通常の腎盂腎炎よりも長期に2~4週間程度治療を行うことが多い.腎膿瘍と異なりドレナージを行えるような膿瘍は形成されていない.AFBNと腎膿瘍のCT画像所見(自験例)AFBN:左腎臓に巣状の造影不良域を認める腎膿瘍:左腎内部と周囲に膿瘍に合致する低吸収域を 認める気腫性尿路感染症(気腫性膀胱炎,気腫性腎盂腎炎)・・気腫性の尿路感染症が主に糖尿病患者(または免疫抑制患者)に起こることがある.これらは腎周囲や膀胱内/膀胱壁内にガスが貯留する壊死性の感染症であり,まれな疾患ではあるものの致死的となりうるため知っておくとよい.・・気腫性膀胱炎は膀胱壁内や膀胱内のガスが特徴的である.尿道カテーテル留置して尿のドレナージを行い,抗菌薬を投与することで改善することが多いが,敗血症性ショックや膀胱破裂につながるケースもあり注意を要する.・・気腫性腎盂腎炎は予後不良で,重症になるほどガスや膿瘍や腎臓や尿管の周りに広がる.Huangの分類〔Arch Intern Med 160:797-805, 2000〕という重症度分類があり,それに基づいた治療が提唱されている.・・広域抗菌薬の投与とともに早期にドレナージを行うが,重症例では腎摘出が必要となることもある.気腫性膀胱炎と気腫性腎盂腎炎のCT画像所見(自験例)気腫性膀胱炎:膀胱内と膀胱壁にガスを認める気腫性腎盂腎炎:左腎内にガスと膿瘍と考えられる 低吸収域を認める多くのレジデントに読まれてきました。研修医になったらまずコレ!36動脈血液ガス検査内科領域全般に使える本に加え、呼吸器/循環器/消化器/腎臓/血液/感染症/精神・神経/皮膚/緩和ケアの各領域に特化した本をご紹介。ローテ中も大活躍の入門書から、専門医を目指す方にもお薦めの成書まで。 | 32 編集 聖路加国際病院内科チーフレジデント本書は、臨床現場で一番大事なこと──備えた知識を最大限に活かし、緊急性・重要性を判断した上で、適切な対応ができるか──に主眼を置いて構成されています。第4版では、前版同様に教え上手の著者らが研修医にアンケート調査を行い、これまでの改善点を徹底的に洗い直し、少しアドバンストな内容や参考文献を充実するなど、さらに読者目線で役立つ本をめざしました。 目次や立ち読みはこちら>>sample内科レジデントの鉄則 第4版内科系の本
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