❷性と生殖をめぐる健康に関する課題に対して、継続的に支援する能力を養う。■母子の基礎科学では、リプロダクションに関する解剖・生理から、性感染症や悪性腫瘍を含む女性のライフサイクル各期に特徴的な健康問題など、助産師に必要とされる基本的な医学知識を扱っています。生殖補助医療や出生前検査、遺伝カウンセリングについても本書で解説します。■母子の健康科学では、母子の健康に影響を及ぼす栄養・薬物や生活環境などの因子について、最新の知見に基づいてまとめています。■母子の心理・社会学では、女性のライフサイクル各期における心理・社会的課題を取り上げるとともに、家族、母子関係、父子関係、子育てについての心理・社会学を扱っています。❸安心して子どもを産み育てるために、多職種と連携・協働しながら、個人および社会にとって必要な地域の社会資源の活用や調整を行う能力を養う。❹助産師の役割・責務を自覚し、女性と子どもならびに家族の尊厳と権利を尊重する倫理観および専門職として自律する能力を養う。 本講座では、改訂および毎年の増刷時に記述を見直し、これらの能力が十分に養え、また理解をより促すものとなるように編集しています。本講座により、社会のさまざまな期待に応えうる助産師が育つことを願っています。10助産管理では、助産業務管理の基本的な考え方から法的責務、リスクマネジメントまで、また実際の助産業務管理については病産院・助産所別に解説しました。これまでの記載を見直し、実務に焦点をあてながらポイントが理解できるように編集しました。昨今の流れである院内助産や助産外来などの運営についても詳しく取り上げています。■助産診断・技術学Ⅰでは、女性の性と生殖に関わる健康問題について、ライフステージに応じた相談・教育・援助を行うための基礎や理論的基盤をまとめました。助産診断・技術学Ⅱは、■妊娠期、■分娩期・産褥期、■新生児期・乳幼児期の3巻構成とし、各期における女性と新生児・乳幼児の身体的・心理社会的状態について、助産師として正常・異常を判断でき、対象によりよい援助を提供するための基礎的実践能力が身につくようにまとめました。特に基礎的助産診断・技術法から高次の助産診断・技術法までをEBMを踏まえて詳細に記述しています。■地域母子保健・国際母子保健■■助産管理■の特徴■地域母子保健・国際母子保健では、助産師が地域で母子保健活動を推進するうえで知っておかなくてはならない基本的な母子保健行政の仕組みや制度、施策について習得でき、社会資源の活用や保健医療福祉機関との調整、多職種連携の能力が養える内容としました。また国際母子保健に関する記載も充実させています。3カリキュラムを網羅した充実の内容 本講座は、カリキュラムを網羅し、助産師教育における次の4つの基本的な目標を達成するために必要となる情報を収載しています。❶妊産褥婦および胎児・新生児の健康状態を診断し、妊娠・分娩・産褥がより健康で安全に経過し、育児を主体的に行えるよう、根拠に基づき支援する能力を養う。基礎教育のためのテキストとして 母子を取り巻く社会情勢が大きく変化するなか、助産師に求められる業務や活動の範囲は、従来にも増して拡大してきています。 本講座の編集にあたっては、その領域の最前線で先進的な教育や活動を行っている専門家に執筆を依頼し、EBMを踏まえた基礎的内容に加え、発展的内容にまで踏み込んで記載しています。 充実した内容は、助産師学生のみならず、臨床や地域で活躍する助産師にとっての指導書としても活用していただけるものになっています。読者が理解しやすいように全巻2色刷りとし、また図表を多く取り入れ、見やすさ、使いやすさも工夫しています。 改訂のない巻も年度ごとに増刷をすることにより、国家試験出題基準に加え、さまざまな臨床ガイドラインや法制度、統計データの更新に対応しています。■基礎助産学■の特徴■助産学概論では、母子の命を同時に尊重することに責任を持つという助産師の役割の理解に必要となる概念や法的基盤、倫理、歴史について、豊富な図版とともに説明をしています。■助産診断・技術学■の特徴助産診断・技術学では、診断・技術の能力と助産師として必要な相談・教育・援助技術の能力という、いわば助産学の実践科学(診断と支援技術)を教授します。「診断なくして適切な技術の実践はありえない」という本講座の基本的な考え方はそのままに、妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期ごとに構成していますので、それぞれの対象の特徴を理解し、その時の診断を適切に行い、診断に基づく適切な技術を行えるよう、一連の流れで学習することが可能です。本講座の編集方針本講座の特徴
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