2023年度版[全15巻]新看護学
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3131 図3■30 早期母子接触月経異常泌尿器・生殖器症状頻発月経,機能性出血自律神経失調萎縮性腟炎,腟自浄作用低下,外陰瘙痒感,性交障害,性交痛,尿失禁顔のほてり・のぼせ,異常発汗,動悸,めまい,肩こり,易疲労感,冷え症心血管系症状動脈硬化,高血圧,脳卒中,心不全精神神経症状情緒不安定,いらいら,抑うつ気分,不安感,不眠,頭重感消化器症状吐きけ,食欲不振運動器症状腰痛,関節痛骨粗鬆症脊椎椎体骨折,橈骨骨折,大■骨頸部骨折40歳代60歳代80歳代a.早期母子接触時の体位 産婦の上体を30■起こし,保温したタオルで児を包んで児の肌と産婦の肌とを接触する(a)。このとき,新生児の右手首にはパルスオキシメータを装着することで,異常の早期発見につとめる(b)。母児の状態に問題がなければ,早期授乳を開始する(c)。c.授乳の様子52●母性看護第3章 正常な妊婦・産婦・褥婦・新生児の看護●103b.パルスオキシメータの装着 図2■7 加齢に伴うエストロゲン欠乏症状なる。しかし,夫は職場での役割が高くなる時期であり,仕事優先となり,妻の更年期症状やストレスへの気づかいができないことが多い。コミュニケーション不足から夫に気持ちをわかってもらえないといった気持ちのズレや疎外感に悩む女性も多い。 分娩経過中は,産婦の身体と心の状態は大きく変化する。産婦は強い痛みに耐えながらわが子の誕生を心待ちにしていることを理解しながら,分娩が安全・安楽に経過できるように,産婦を心身両面から看護していくことが求められる。①陣痛開始時 規則的な子宮収縮を自覚した産婦は,「このときが来た」とわが子の出産への期待に気持ちが高こう揚ようするが,同時に分娩への不安と恐怖,陣痛の痛みへの受けとめで,急激に緊張が高まるというアンビバレント(相反する感情が同時に存在するさま)な時期となる。②入院・分■経過中 陣痛の痛みが呼吸法でのり切れている間は,比較的安定した気持ちで過ごすことができているが,分娩経過のなかで疲労感や陣痛の痛みへの挫ざ折せつ感,焦しょう燥そう感を感じるようになる。分娩への不安の増強が大きく生じる時期であり,不安や恐怖感を理解してくれる人を必要とする時期でもある。分娩経過中にそばにいる人のことをドゥーラdoulaという。 ホルモン補充療法(HRT)とは,消退したホルモンを補うホルモン療法である。エストロゲン製剤の単独使用やプロゲステロン製剤との併用投与などがあり,投与期間・方法にも種類がある。 HRTの副作用として,血栓症と乳がんのリスクがある。また,絶対的禁忌として,エストロゲン依存性の悪性腫瘍,原因不明の不正出血,血栓性疾患,重症肝機能障害などがあげられる。 これらの基礎疾患の情報収集とリスクを含めた情報提供を行い,患者が治産婦の心理35分娩各期における心理的特性更年期の健康支援ホルモン補充療法ライフサイクルにそって、各期の特徴と看護について学べる構成となっています各章末に「復習問題」が掲載されています小児に特有な看護のポイントをわかりやすくまとめてあります

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