系統看護学講座
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動画一覧483483(20秒)23鼻カニューレの装着【p.238】 音声シーンセレクト22寝衣交換【p.229~231】(7分)音声(3分21秒)①和式寝衣の交換 【p.229】(1分19秒)②かぶり式上衣の交換 【p.230】③腰上げ可能な患者のズボンの交換 【p.230】(1分2秒)④ 輸液ラインが入っている場合の 和式寝衣の交換【p.231】(1分27秒)シーンセレクト24鼻腔内吸引・口腔内吸引【p.251】(7分30秒)音声(1分)①吸引圧の確認(1分秒40)②鼻腔内吸引③口腔内吸引(30秒)実習・演習への活用豊富な動画や実習の手引きも収載されており、実習・演習前後の確認に有効活用できます。発展的な学習のために看護研究やプレゼンテーションなど一歩先の学習にも対応しています。また文献と読書案内が掲載されていますので、自己学習により学びを深めることが可能です。45付章 看護過程の展開420康,生活の妨げとなっている症状の軽快をはかり,望まれる状態に回復する(場合によってはいまある状態を維持する)こと,健康や生活の支えとなっているもてる力や潜在している力を最大限に引き出すこと,この考え方はいずれにおいても共通している。その共通性に着眼して,この事例展開の具体例を活用してもらいたい。C実習におけるヒヤリ・ハット◉老年看護実習でおこりやすいヒヤリ・ハットとその要因老年看護実習において対象となる高齢者は,加齢による認知・身体機能の低下に加えて,疾患によるさまざまな機能障害を合わせもっており,転倒・転落に代表される事故発生リスクが非常に大きい。そのため,看護学生が実習中にヒヤリ・ハットをおこすことも少なくなく,その事前対策が必要である。    最も多いヒヤリ・ハット▶ 学生のヒヤリ・ハット発生は,実習の開始から2~3日目と休日あけの週はじめにおこりやすい傾向がある。前者は対象把握が不十分な状況で対象者へのかかわりや援助が始まる時期であり,後者は休日をはさんで高齢者の状況が変化していることに対応できないまま実習が進む時期にあたる。ヒヤリ・ハットの内容に関して,最も多いのは転倒・転落や移動に関連することである。たとえば,看護師による見まもりが必要な高齢者の歩行器歩行を学生が1人で見ていた,移動介助が必要な高齢者の車椅子からベッドへの移動時に看護師がほかの患者に呼ばれて学生と高齢者をその場に残しているうちに1人でベッドに移動してしまったなど,学生特有のヒヤリ・ハットがさまざまな臨床場面でおこりうる。そのほかに,高齢者の病状や治療方針について,学生が医師や看護師の許可を得ないまま,高齢者本人や家族あるいは面会者に話してしまったなど,個人情報やインフォームドコンセントに関するヒヤリ・ハットがおこりやすい傾向にある。ヒヤリ・ハットの要因▶ ヒヤリ・ハットがおこる要因としてまずあげられるのは,学生自身のリスク認知の低さである。学生自身がヒヤリ・ハットの発生を報告することも多いが,看護師に指摘されてはじめて気がついたり,カンファレンスでの発言や実習記録上でヒヤリ・ハットが発見されることもあり,学生が認知できていない場合も少なくない。また,「これくらい大丈夫」という未熟な判断のもとで,援助を1人で行ってしまうこともある。一方で,たとえば先の事例のように,学生は移動の危険性を認識していても,突発的にリスク状況に陥ったときにとっさの判断と行動ができず,いわゆる「かたまって」しまい,なにも対処できなかったということもある。◉リスクの意識づけと事故の予防実習における事故防止のためには,まず高齢者のケアにおいて生じやすいリC.実習におけるヒヤリ・ハット421スクについて,学生がみずから認知し,危険予防策をとれるようにしておくことが大切である。 シートの活用▶ 実習の初期の段階では,高齢者の全体像を十分にとらえられてはいないが,たとえば危険防止確認シート(▶図3)などを活用して,治療やリハビリ,日常生活においてどのようなリスクがあるかを考える機会をもつことが大切である。しかし学生自身が気づいていないリスクもあるので,教員や看護師から助言を受けて,ひそんでいるリスクについても意識化しておく必要がある。また高齢者の日々の状況は変化するため,いつもと違う様子や気がかりな点があれば,1人で判断せずにできるだけ早くに教員や看護師に相談する必要性があることを自覚しておくことも大切である。シミュレーションの推奨▶ しかしリスクの意識づけができていたとしても,実際にその場面に遭遇すると頭が真っ白になったり,からだがかたまってしまってしまうこともある。とくに,高齢者の移動や排泄の場面では転倒のリスクが高く,大きな事故につながりやすいので,実際の介助の前に事前に十分練習しておくことはもちろんであるが,危ないと思ったら迷わずナースコールを押したり声を出してたすけを呼ぶなど,具体的な行動をシミュレーションしておくことも事故防止対策として大切である。○○年○○実習■受け持ち高齢者の情報危険防止確認シート実習病棟    氏名■カンファレンスで学んだこと■受け持ち高齢者の生活上の危険食事排泄移動清潔,更衣,整容療養環境治療に伴うリスクその他危険と感じることに対する援助方法(関わるときに注意することについて)生活において危険と感じるところ(ADLを中心に)▶図3 危険防止確認シートの例豊富な動画資料QRコードによりスマートフォン・タブレットでも簡単に視聴でき、学生の自己学習に活用できます。ex)基礎看護技術Ⅱ・小児看護学概論 「動画一覧」実習の手引き実習の具体的な注意点が示されています。ex)老年看護学「実習におけるヒヤリ・ハット」第14章 情報の発表とコミュニケーション332 A 口頭発表とポスター発表プレゼンテーションとは プレゼンテーションとは,さまざまな研究内容や商品,企画・計画など,各種の情報をわかりやすく説明して,聞き手に正確に効率よく理解してもらうことである。実演などを中心とする場合には,デモンストレーションとよぶこともある。基本的にはコミュニケーションの手段の一つである。 ここでは主として,1対多の関係である,学会や研究会における「研究発表」を取り上げる。なお,患者に対して看護計画を説明するような1対1に近い場合でも,「聞き手に正確に効率よく理解してもらう」という点では同じである。 プレゼンテーションで最も大事なことは,「一貫した話の流れ」である。説明がしばしば枝葉末節にいってしまうと,聞いている人は理解不能に陥ってしまう。目の前の情報をただ説明するだけでなく,「一貫した話の流れ」をつくることにより,プレゼンテーション全体のイメージを聞き手に意識させることが重要である。 説明を聞きながら全体をイメージすることができれば,現在の話の内容が「全体のどの部分の話であり,どの程度重要か」がわかり,混乱することが少なくなるはずである。 そのほかにも,聞き手がどの程度の知識(事前情報)をもち,内容に興味をいだいているかなどにより,プレゼンテーションの内容をかえる必要がある。 既知の情報を長く説明すればあきられるし,知らない専門用語などが多ければ理解してもらえない。場合によっては,途中で聞き手が内容を理解しているかどうかを確認しながら,状況に応じて説明内容をかえるなどの対処も必要になる。口頭発表とポスター発表の違い 研究発表などのプレゼンテーションの場合には,スライドやOHC*1,配布資料などを使う口頭発表と,大きな紙に印刷して掲示するポスター発表がある。 最近の学会などでは,会場や時間的な制約から口頭発表に落選した場合にポスター発表になることも多いようである。しかし,それぞれの発表方法で表14︲1に示すように利点が違うため,自分がなにを伝えたいのかをよく考えて,どちらの発表方法にするのかを選択する必要がある。1一貫した話の流れ▶聞き手の状況の確認▶2 *1 OHC:over head cameraの略で,テキストや資料などをスクリーン画面などに大きく投影するための教材提示装置である。書画カメラともよばれる。調べ学習への活用ex)看護研究 「ワーク」プレゼンテーションの方法ex)看護情報学 「口頭発表とポスター発表」読書案内や豊富な文献自己学習を助けます。ex)教育学 「読書案内」「参考文献」6

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