系統看護学講座
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サンプルページ人体の構造と機能 ❸ 栄養学第 4 章 エネルギー代謝82◯6 歩行記録法歩数計を利用した活動量の管理法であり,一般に広く普及している。歩数からのエネルギー消費量の換算は,歩数計の精度や歩幅,坂道,階段,荷物の有無など,歩行条件によって大きく異なるためむずかしい。しかし,歩数は活動量の把握という観点からは簡便な方法である。 D エネルギー消費私たちが毎日行っているエネルギー代謝には,①基礎代謝に加え,②安静時代謝,③睡眠時代謝,④特異動的作用,⑤活動代謝の5種類がある(▶図4-4)。◯1 基礎代謝基礎代謝とは,身体的・精神的に安静にしている状態でのエネルギー代謝量のことであり,生命維持だけに必要なエネルギー,言いかえれば生きるために最低限必要なエネルギーである。●1 基礎代謝量の測定基礎代謝量basal metabolic rate(BMR)の測定は,前日の夕食後12~16時間経過し,食物が完全に消化・吸収された状態になっている早朝空腹時に快適な温度条件下(暑くも寒くもない状態であり,通常20~25℃)において,静かに仰臥し覚醒している状態で行われる。しかし,基礎代謝量を実測することはむずかしく,実際には,性・年齢階層別の基礎代謝基準値をもとに概量を算出すb.睡眠時代謝c.特異動的作用d.活動代謝a.安静時代謝エネルギー代謝には,基礎代謝に加えて,上に図示した4種類がある。基礎代謝は覚醒状態で必要な最小限のエネルギーであり,早朝空腹時の快適な室内において,安静仰臥位・覚醒状態で測定が行われる。▶図4-4 エネルギー代謝の種類看護職に必要な栄養の知識を幅広く網羅しています。章末の「ゼミナール」で学習した内容の復習ができます。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に対応しています。77専門基礎分野

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