系統看護学講座
70/152

医療安全看護の統合と実践 ❷本書の特徴本書は、専門分野で身に付けた看護技術を、臨床の看護現場で活用するにあたって不可欠な「安全」の視点から必ず配慮しなければならないポイントを整理するものです。まず看護事故の構造を学び、そうした事故を未然に防ぐための基本的な考え方が示されています。次に、その考え方に沿って診療の補助業務(注射・輸血・内服与薬・経管栄養)、療養上の世話業務(転倒転落・誤嚥・異食の防止など)それぞれにおける事故防止の具体的な方策が整理されています。ミスを誘発しやすい多重課題の特徴と対応、タイムプレッシャーや業務途中の中断、さまざまな場面でみられる患者間違いも横断的に整理し、エラーを防ぐポイントが示されています。また、職業感染や放射線被曝など看護師自身の安全に関わる業務上のリスクと対応についても簡潔に整理しています。新人看護師としてすぐに求められる医療安全の具体的な知識を、系統的に理解することができます。『医療安全ワークブック 第4版』を副教材として併用することで、各専門科目を学ぶ中では学生に意識されにくいものの、知らないと臨床では重大な結果を招きかねない必須知識の定着を促します。川村 治子杏林大学名誉教授B5・頁312 第4版 定価:2,420円(本体2,200円+税) [ISBN978-4-260-03438-8]主要内容序  章医療安全を学ぶことのたいせつさ 人はなぜ間違いをおかすのか/意識状態の変動と医療安全を学ぶことの意義/人間の3つの行動モデルと医療安全を学ぶことの意義/医療職を選ぶことの重さと安全努力の責務第1章事故防止の考え方を学ぶ 医療事故と看護業務/看護事故の構造/看護事故防止の考え方第2章診療の補助の事故防止(Ⅰ)−患者に投与する業務における事故防止 業務特性からみた患者に投与する業務の事故防止(総論)/注射業務と事故防止/注射業務に用いる機器(輸液ポンプ・シリンジポンプ関連)での事故防止/輸血業務と事故防止/内服与薬業務と事故防止/経管栄養(注入)業務と事故防止第3章診療の補助の事故防止(Ⅱ)−継続中の危険な医療行為の観察・管理における事故防止 チューブ管理と事故防止第4章療養上の話の事故防止 療養上の世話における2群の事故のとらえ方と防止(総論)/転倒・転落事故防止/摂食中の窒息・誤嚥事故防止/異食事故防止/入浴中の事故防止 第5章業務領域をこえて共通する間違いと発生要因 業務領域をこえて共通する患者間違い/間違いを誘発する多重課題、タイムプレッシャーと業務途中の中断/新人特有の危険な思い込みと行動パターン第6章医療安全とコミュニケーション 不正確・不十分なコミュニケーションは事故の重要要因/事故防止のための医療職間のコミュニケーション/医療事故防止のための患者とのコミュニケーション/事故の未然防止上重要なコミュニケーション第7章看護師の労働安全衛生上の事故防止職業感染/抗がん剤の曝露防止/放射線被曝/ラテックスアレルギー/院内暴力第8章組織的な安全管理体制への取り組み組織としての医療安全対策/システムとしての事故防止の具体例/重大事故発生時の医療チームおよび組織の対応第9章医療安全対策の国内外の潮流わが国の医療安全対策の潮流/国外の医療安全対策の潮流と国際的連携/産業界から学ぶ−ヒューマン・ファクターズの取り入れ68専門分野

元のページ  ../index.html#70

このブックを見る