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第3195号 2016年10月17日


第22回白壁賞,第41回村上記念「胃と腸」賞授賞式


 第22回白壁賞および第41回村上記念「胃と腸」賞の授賞式が9月21日,笹川記念会館(東京都港区)で開催された早期胃癌研究会の席上にて行われた。第22回白壁賞を受賞したのは,清水誠治氏(大阪鉄道病院消化器内科)ほか「診断困難な炎症性腸疾患の特徴」[胃と腸.2015;50(7): 867-76.]。また,第41回村上記念「胃と腸」賞は,江﨑幹宏氏(九大大学院医学研究院病態機能内科学)ほか「血管炎による消化管病変の臨床診断――IgA血管炎(Henoch-Schönlein紫斑病)」[胃と腸.2015;50(11):1363-71.]に贈られた。当日は選考委員の斉藤裕輔氏(市立旭川病院消化器内科)から両賞の選考経過の説明と,お祝いの言葉が述べられた。

診断困難例のパターンを知り,医学の進歩につなげる

清水誠治氏
 白壁賞は,故・白壁彦夫氏の業績をたたえ,「消化管の形態診断学の進歩と普及に貢献した研究」に贈られる。清水氏らの論文は,診断困難な局面の発生原因を10パターンに分類し,その対策を考察したもの。診断困難例には新たな疾患概念として構築できるものや既存の疾患概念の更新につながるものがあり,特徴的な病像を抽出する必要があるとした。清水氏は,「早期胃癌研究会に私が最初に訪れたのが30年前。白壁先生が診断学を熱く語られていた姿を目の当たりにしていた。本賞は高嶺の花で縁がないものと決め込んでいたので,受賞に私自身が最も驚いている。今回の執筆は今までで最も苦心したものでもあり,非常に思い出深い」と受賞の喜びを語った。

IgA血管炎を各部位の内視鏡評価により検討

江﨑幹宏氏
 村上記念「胃と腸」賞は,故・村上忠重氏の業績をたたえ,「消化管疾患の病態解明に寄与した研究」に贈られる。江﨑氏らの論文は,腹部症状を呈したIgA血管炎15例の臨床像と罹患部位を検討したもの。IgA血管炎は小腸と十二指腸に病変が高率に出現するが,両者では臨床経過や重症度が異なる場合があることを示し,十二指腸だけでなく小腸病変の内視鏡評価も欠かせないと考えられると結論付けた。江﨑氏は受賞のあいさつで,「九大病態機能内科学消化器研究室は,画像診断のみならず臨床研究にも厳しい目を持つ先生方が主任を代々務めてきた。私が消化器研究室に入り23年,栄誉ある本賞をいただいたのは,諸先生方の教えの賜物だと思っている。これからもさらに精進し,消化管診断学に貢献できるよう努力したい」と抱負を語った。

*授賞式の模様は「胃と腸」誌(第51巻13号)にも掲載されます。