●手を見て気づく内科疾患 | ||||||
第4回テーマ 爪上皮出血点,レイノー現象を訴える患者では 松村正巳(金沢大学医学部付属病院 リウマチ・膠原病内科) 患者:57歳,女性
診断:限局型全身性強皮症(limited cutaneous systemic sclerosis)
爪上皮出血点は,強皮症,混合性結合組織病患者の70~80%に認めます.第4指に最も多く見つかります1).健常人でも3%に認めるとされています.2本以上の指に爪上皮出血点が認められたときには,強皮症,混合性結合組織病に対する感度60%,特異度99%とされています. また,爪郭部ループ状血管が拡張していたり,ねじれていたり,途絶している所見も観察されます.図3は爪上皮出血点,爪郭部ループ状血管が拡張している所見です. レイノー現象を訴える患者では爪の生え際をよく観察します.爪上皮出血点は注意深く観察しないと見逃します.ルーペを用いることをお勧めします.爪郭部ループ状血管の拡張はワセリンを少量塗布すると観察しやすくなります. (つづきは本誌をご覧ください) |