HOME雑 誌medicinaバックナンバー一覧52巻11号(2015年10月号) 特集の理解を深めるための21題
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特集の理解を深めるための21題


問題1

患者の状態と使用する抗ヒスタミン薬の組み合わせで適切なものはどれか.

A 1日1回の内服を希望している─オロパタジン
B 職業が自動車運転手─フェキソフェナジン
C ロラタジンが効果不十分だった─エピナスチン
D 生後6カ月の小児─ベポタスチン
E 即効性を希望している─エバスチン


問題2

アレルギー性結膜炎の治療薬のなかで視野変化を副作用として生じるものはどれか.

A 非ステロイド性抗炎症点眼薬
B 免疫抑制点眼薬
C ステロイド点眼薬
D 抗アレルギー内服薬
E 抗ヒスタミン点眼薬


問題3

23歳女性.甲府在住.15歳の頃より春になると目と鼻のかゆみ,鼻汁,鼻閉が出現.例年,重症の花粉症の診断を受けていた.今年も2月中旬から鼻と目の症状が出現してきた.選択すべき点鼻薬はどれか.1つ選べ.

A ステロイド薬
B ケミカルメディエーター遊離抑制薬
C 抗ヒスタミン薬
D 血管収縮薬
E 抗ロイコトリエン薬


問題4

外用薬について正しいものはどれか.

A ステロイド外用薬は4段階に分類される.
B ステロイド外用薬の吸収率は顔(頬)と腕の皮膚では13倍の吸収力の差がある.
C finger tip unitは外用薬の強さを分ける指標である.
D ステロイド薬を外用すると色が黒くなる.
E ステロイドクリーム剤は湿潤部位に有効である.


問題5

下記のうち,正しいものを2つ選べ.

A 喘息長期管理の治療ステップでは,吸入ステロイド(ICS)が原則,第一選択となる.
B ICSは副作用が多く使用しにくい.
C 吸入デバイスの種類はすべて同一である.
D 吸入薬の吸入方法はすべて同一である.
E 吸入薬は繰り返し吸入方法の確認をしていく必要がある.


問題6

ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)について誤っているものを2つ選べ.

A LTRAはCysLT1受容体の選択的拮抗薬である.
B 気管支喘息における気道リモデリングの抑制効果を示す.
C 気管支喘息における第一選択の薬剤である.
D 鼻汁型のアレルギー性鼻炎に対して有効性が高い.
E アレルギー性鼻炎の即時反応,遅発性反応両者に効果がある.


問題7

ステロイド薬に関して誤りはどれか.

A ステロイドは好酸球のアポトーシスを引き起こす.
B ステロイドの全身投与で,Ⅰ型アレルギーは予防できる.
C 糖質コルチコイド受容体は生体内のほとんどすべての細胞に存在する.
D ステロイドのgenomic effectでは臓器レベルの効果発現までに数時間を要する.
E アナフィラキシーの二相性反応は急性期でのアドレナリン投与の遅れた例に多く認められる.


問題8

誤っているものを1つ選べ.

A 妊娠2~3週終わりは「all or none(全か無か)」の時期と呼ばれている.
B 自然の先天奇形発生率は3%程度である.
C 妊娠中に何らかの薬を飲んだ妊婦には,基本的に中絶を勧めるべきである.
D 多くのアレルギーの薬は内服しながら授乳可能である.
E 妊娠中のアレルギー疾患治療は,吸入や外用を中心に行い,必要に応じて内服薬を検討する.


問題9

次のうち最も不適当なものはどれか.

A 黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)や温清飲(ウンセイイン)は肝障害の頻度が比較的高いので,投与して1~2か月後に採血検査でフォローする.
B 皮膚の発赤が強く,やや乾燥傾向で口渇もある場合は,黄耆を含む処方が適する.
C 寒冷蕁麻疹には当帰飲子(トウキインシ)が効果的である.
D 小青竜湯(ショウセイリュウトウ)を服用して胃もたれが起こったため苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)に変更した.
E 神秘湯(シンピトウ)は気管支拡張作用・去痰作用を有する生薬を含有している.


問題10

普通感冒に罹患し,感冒症状は軽快したが,乾性咳嗽のみが4週間持続していた.十分量のβ2刺激薬を投与したところ,1週間後に咳嗽の程度は半分に軽快していた.次のなかから誤りを2つ選べ.

A 感染後咳嗽である.
B 咳喘息の可能性がある.
C アトピー咳嗽は否定できない.
D 副鼻腔気管支症候群の可能性がある.
E 吸入ステロイド薬を追加する.


問題11

痒みに関する次の記載のうち誤っているのはどれか.1つ選べ.

A 皮膚炎に由来するさまざまな起痒因子が痒みを誘発する.
B リンパ球に由来するIL-31は痒みに関わるサイトカインである.
C 皮膚の乾燥は痒みの誘因となりうる.
D 内科的疾患は必ず皮膚疾患の合併を介して痒みを誘発する.
E 薬剤によって誘発される痒みがある.


問題12

食物アレルギーに関する次の記述のうち,誤りを2つ選べ.

A アトピー性皮膚炎の多くは食物アレルギーが原因となって発症する.
B 発症予防のために,離乳食の開始は遅くするのがよい.
C バリア障害の皮膚を通して食物アレルゲンに感作される可能性がある.
D 安全量の経口摂取を反復することによってアレルギー反応を抑制できる可能性がある.
E プリックテストが陽性の場合でも,その食品を摂取して症状が出るとは限らない.


問題13

セフェム系抗菌薬の内服中に蕁麻疹が出現した.原因薬剤同定テスト・検査として適切なものはどれか.

A パッチテスト
B 皮内試験
C プリックテスト
D リンパ球刺激試験
E 間接血球凝集反応


問題14

以下のうち誤りを2つ選べ.

A アナフィラキシーでは蕁麻疹が出ないことがある.
B β遮断薬内服中の患者がアナフィラキシーショックになったので,まずグルカゴンを使用した.
C アドレナリンの点滴静注は,心肺停止が切迫していない場合は適応がない.
D ステロイドはアナフィラキシー初期に有効である.
E 既知のアレルギーの抗原に曝露し,ショックになったらアナフィラキシーと判断する.


問題15

接触皮膚炎について誤っているのはどれか.1つ選べ.

A パッチテストは,アレルギー性接触皮膚炎の診断に最も有用な検査である.
B パッチテストの判定は1週間後も行う必要がある.
C 本邦で最も陽性率が高いアレルゲンは硫酸ニッケルである.
D 接触アレルギーは加齢により減弱しやすい.
E 治療に用いるステロイド外用薬により接触皮膚炎を生じることがある.


問題16

慢性蕁麻疹の治療について,正しい記述を選べ.

A 慢性蕁麻疹の治療の第1選択薬は,第2世代抗ヒスタミン薬(H1拮抗薬)である.
B 1種類の抗ヒスタミン薬で十分な効果が得られない時には,種類の変更または増量を試みる.
C 抗ヒスタミン薬で十分な効果が得られない場合,次はステロイド全身投与が優先される.
D 補助的治療薬を導入する場合,通常,抗ヒスタミン薬は中止する.
E 薬物療法により症状の出現が完全に抑制できた場合は,直ちに治療を中止する.


問題17

職業性喘息について正しいものはどれか.2つ選べ.

A 職業性喘息は,非アレルギー学的機序でも発症する.
B 診断のため全例に抗原吸入誘発試験を行う.
C 最近は,低分子量物質による職業性喘息が増えてきている.
D 職場の物質が原因でも喘息は,労災の対象にならない.
E 抗原回避すれば,直ちに薬物療法は不要となる.


問題18

ステロイド点眼薬の副作用はどれか.1つ選べ.

A 眠気
B 白内障
C 眼圧上昇
D 睫毛乱生
E 眼瞼色素沈着


問題19

45歳男性.ハウスダストアレルギーで受診し,ステロイド局所点鼻薬を処方したところ,くしゃみ・鼻水は改善傾向を認めた.鼻閉は当初より良いが,夕方帰宅すると鼻づまりを自覚する.今後の薬物管理として適当なのはどれか.

A 舌下免疫療法治療薬
B 第1世代抗ヒスタミン薬
C 第2世代抗ヒスタミン薬
D 抗ロイコトリエン薬
E 点鼻用血管収縮薬


問題20

アトピー性皮膚炎におけるスキンケア指導で正しいのはどれか.1つ選べ.

A 1 FTU(finger tip unit)に相当する塗布量は約0.5 gである.
B 石けんで洗った後は時間をおいて外用薬を塗布する.
C 見た目に湿疹がなければ外用薬は必要ない.
D ステロイド外用薬は副作用が心配なので薄く塗る.
E タクロリムス軟膏はステロイド外用薬のⅡ群(very strong)に匹敵する.


問題21

喘息治療において中心的薬剤となるのはどれか.1つ選べ.

A テオフィリン徐放製剤
B ロイコトリエン受容体拮抗薬
C 吸入ステロイド薬(配合剤を含む)
D 長時間作用性β2刺激薬
E 抗アレルギー薬


(解答は本誌掲載)