HOME雑 誌medicinaバックナンバー一覧50巻3号(2013年3月号) 特集の理解を深めるための23題
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特集の理解を深めるための23題


問題1

家族性寒冷蕁麻疹やNOMID(neonatal-onset multisystem inflammatory disease)の原因遺伝子はどれか.1つ選べ.

A:IRAK-4
B:NLRP3/Cryopyrin
C:Unc93B1
D:NOD2
E:TLR7


問題2

小腸や大腸粘膜固有層に定常時でも多く存在し,細胞外寄生細菌や真菌感染に対する重要な働きをする.一方で,その行き過ぎた応答が自己免疫疾患の原因となる.これらの特徴をもつCD4陽性T細胞サブセットが産生するサイトカインとして典型的なものはどれか.1つ選べ.

A:インターフェロン-γ
B:インターロイキン-4
C:インターロイキン-17
D:インターロイキン-12
E:インターフェロン-β


問題3

ケモカインの受容体は下記のいずれに分類されるか.1つ選べ.

A:イオンチャネル型受容体
B:チロシンキナーゼ型受容体
C:G蛋白質共役型受容体
D:セリンスレオニンキナーゼ型受容体
E:核内受容体


問題4

IL-17を産生するヘルパーT細胞Th17の関与が想定され,抗IL-17抗体が治療薬となりうる疾患はどれか.2つ選べ.

A:肺結核
B:気管支喘息
C:関節リウマチ
D:乾癬
E:食物アレルギー


問題5

インフルエンザウイルス感染症に関して正しい記述はどれか.1つ選べ.

A:インフルエンザ脳症の原因はウイルス血症である.
B:2009年に流行したインフルエンザの型はH5N1である.
C:早ければ発症3日前から,感染性ウイルスを排出する可能性がある.
D:日本で接種されるインフルエンザワクチンの主要抗原は,ヘムアグルチニン(HA)である.
E:インフルエンザウイルスは,ノイラミニダーゼ(NA)を介して感染する.


問題6

がん免疫療法について誤った記述はどれか.1つ選べ.

A:がん細胞はがん形成過程で免疫監視機構により選択されて,免疫抵抗性や抑制性を獲得する.
B:がん患者では正と負の免疫応答が起こるが,免疫抑制病態が治療上問題になっている.
C:抗CTLA-4抗体や抗PD-1抗体などは抗腫瘍免疫応答を増強する免疫療法である.
D:白血病に対する同種骨髄移植は免疫療法ではない.
E:予防的がんワクチンとして,B型肝炎ウイルス(HBV)予防ワクチンやヒトパピローマウイルス(HPV)予防ワクチンなどがある.


問題7

シクロスポリンおよびタクロリムスの作用機序で正しいものはどれか.

A:B細胞の減少
B:カルシニューリンの阻害
C:細胞膜の安定化
D:T細胞の副刺激(costimulatory signal)の抑制
E:サイトカインの消費


問題8

関節リウマチの病態で重要でないサイトカインはどれか.2つ選べ.

A:IL-4
B:IL-5
C:IL-6
D:IL-17
E:TNF-α


問題9

抗Jo-1抗体陽性の皮膚筋炎例に伴いやすいものはどれか.2つ選べ.

A:Gottron徴候
B:機械工の手
C:血球貪食症候群
D:間質性肺炎
E:悪性腫瘍


問題10

以下の検査のうちSjögren症候群の診断に有用でないものはどれか.2つ選べ.

A:抗DNA抗体
B:抗SS-A抗体
C:Shirmerテスト
D:Saxonテスト
E:抗CCP抗体


問題11

自己免疫性肝疾患について次のうち正しいものを2つ選べ.

A:抗ミトコンドリアM2抗体の対応抗原は,ピルビン酸脱水素酵素複合体E2(pyruvate dehydrogenase complex-E2:PDC-E2)である.
B:原発性胆汁性肝硬変(PBC)では,ウルソデオキシコール酸(UDCA)と副腎皮質ステロイドを併用する.
C:わが国の自己免疫性肝炎(AIH)では,抗LKM-1抗体陽性例が多い.
D:急性発症の自己免疫性肝炎は,IgGの高値例が多い.
E:自己免疫性肝炎では,副腎皮質ステロイドが著効する.


問題12

多発性硬化症の再発予防に有効なエビデンスがある治療はどれか.2つ選べ.

A:フィンゴリモド
B:血液浄化療法
C:インターフェロンα
D:インターフェロンβ
E:副腎皮質ステロイド


問題13

自己炎症疾患について正しいのはどれか.1つ選べ.

A:自己抗体や自己反応性T細胞が検出されることが特徴である.
B:遺伝子異常を伴う頻度は少ない.
C:発症は小児期に限定される.
D:家族性地中海熱の責任遺伝子は同定されている.
E:家族性地中海熱の病態にはインフラマソームでのTNF活性化が重要である.


問題14

IgG4関連疾患について正しいものはどれか.1つ選べ.

A:若年から中年女性で発症をみることが多い.
B:発熱などの全身症状が診断のきっかけになる.
C:治療にはメトトレキサートが用いられる.
D:血清補体価が低下することがある.
E:血清IgG4が100 mg/dLを超えていればIgG4関連疾患以外は否定的である.


問題15

アレルギー性気道炎症の成立に関わるサイトカインは,次のうちどれか.

A:Interleukin(IL)-4
B:IL-5
C:TSLP
D:IL-17
E:IL-33


問題16

2008年にアトピー性皮膚炎の重症度評価の補助的な血液検査として保険が適用されたTh2ケモカインはどれか.1つ選べ.

A:IP-10/CXCL10
B:CTACK/CCR10
C:TARC/CCL17
D:MDC/CCL22
E:Eotaxin/CCL11


問題17

アレルギー性鼻炎について正しいものはどれか.1つ選べ.

A:ヒスタミンは知覚神経終末を刺激して鼻閉の原因となる.
B:好酸球は即時相反応のくしゃみに関与する.
C:遅発相の鼻閉の原因としてロイコトリエンは最も関与が大きい.
D:抗原は抗原提示細胞の主要組織適合遺伝子複合体(MHC) class Iによって提示される.
E:抗原感作においてCD4+T細胞は関与しない.


問題18

以下の組み合わせのなかで正しいものはどれか.1つ選べ.

A:インターフェロンα-細胞内寄生菌
B:インターフェロンγ-化膿性細菌
C:抗体-肺炎球菌
D:補体-ウイルス
E:活性酸素-髄膜炎菌


問題19

未治療のHIV感染症患者の治療開始基準となるものはどれか.2つ選べ.

A:血液中のウイルス量(HIV-RNA量)
B:血液中の白血球数
C:血液中のCD4陽性リンパ球数
D:妊婦
E:C型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性


問題20

ステロイドの副作用で誤っているものはどれか.1つ選べ.

A:骨粗鬆症
B:感染症
C:顎骨壊死
D:糖尿病
E:二次性副腎不全


問題21

免疫抑制薬について以下から正しいものを1つ選べ.

A:メソトレキサート(MTX)は関節リウマチ患者において間質性肺炎などの合併症の頻度が高くなるため,12 mg/週以上への増量は認められていない.
B:ループス腎炎の寛解導入療法において,ミコフェノール酸モフェチル(MMF)はシクロフォスファミド静注療法と比べ,脱毛,卵巣機能障害の副作用が多い.
C:免疫抑制剤ではB型肝炎の再活性化が問題となるため,免疫抑制剤の投与前にHBs抗原陰性を確認した後に投与を開始する.
D:エンドキサン(CPA)パルス療法はANCA関連血管炎に対する標準的治療だが,高齢者や腎機能低下症例には減量が必要となることが多い.
E:膠原病におけるMMFの投与には治療薬モニタリング(TDM)が必須である.


問題22

次に述べる生物学的製剤を用いた治療のうち,正しいものはどれか.2つ選べ.

A:免疫抑制薬との併用は禁忌である.
B:アレルギー反応に注意して,少量から漸増するのが一般的である.
C:異種動物由来のアミノ酸配列を含むキメラ抗体も,臨床で用いられている.
D:生物学的製剤を用いても関節リウマチの寛解は稀にしかみられない.
E:TNF阻害製剤投与中の留意すべき感染症にニューモシスチス肺炎がある.


問題23

全身性エリテマトーデスの治療として期待されるものはどれか.2つ選べ.

A:抗BAFF抗体
B:抗CD22抗体
C:抗CD3抗体
D:抗IL-10抗体
E:抗TNF抗体


(解答は本誌掲載)