今月の主題「理解のための20題」問題0178歳の男性,特に異常なく過ごしていたが,早朝トイレに行った際に突然の腹痛を自覚し来院した.来院時は左側腹部から鼠径部を痛がり,冷や汗もかいている.既往歴に特記すべきものはなく,内服薬もなし.
A:腎尿管膀胱X線撮影(KUB)
問題02中毒診療について正しいものを1つ選べ. A:診察時にバイタルサインに異常がなく,全身状態に異常を認めない場合は,重症化する心配はない.
問題03敗血症性ショックに矛盾する所見はどれか.1つ選べ. A:呼吸数の増加
問題0446歳,女性.Basedow病に対して2カ月前よりチアマゾール(メルカゾール®)を処方されている.37.3℃の発熱と軽度の咽頭痛にて救急外来を受診.脈拍92/分,血圧118/72 mmHg,咽頭の軽度発赤以外に明らかな異常所見なし.WBC 800/ml(好中球37%,単球4%,リンパ球59%),RBC 452×104/ml,Hb 12.2 g/dl,Plt 17.4×104/ml.正しい対応はどれか. A:経口第三世代セフェム系抗菌薬を処方し,翌日の血液内科受診を指示.
問題05血液培養を採取すべき状況は以下のどれか.1つ選べ. A:悪寒・戦慄が続く.
問題06次のうち,血液培養をとらなくてもよい状況はどれか.1つ選べ. A:全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)でステロイド内服中の35歳,女性.バイタルサインは正常だが,原因不明の代謝性アシドーシスあり.
問題0778歳の男性.腰痛とふらつきを主訴に来院.診察上顔面蒼白と前立腺腫大を認めた.末梢血液では白血球数5,100/ml,Hb 4 g/dl,血小板数3.4×104/ml.末梢血液像では幼若な白血球と赤芽球を認めた.骨髄像を示す.考えられる疾患を1つ選べ. A:悪性貧血
問題08プロテアソーム(NF-kB)阻害薬であるボルテゾミブ(bortezomib)による治療でよくみられる副作用はどれか.2つ選べ. A:間質性肺炎
問題0947歳女性,入院1年前から呼吸苦と原因不明の慢性の低酸素血症を認め在宅酸素を開始している.低酸素血症の精査のために入院.うつ病以外既往歴なし.喫煙歴なし.バイタルは血圧127/89 mmHg,脈拍97回/分,呼吸数18回/分,体温36.5℃,SpO2 85%(大気中).身体所見では頸静脈怒張なし,心音整で雑音なし,胸部呼吸音清明でラ音なし,下腿浮腫なし.胸部X線では異常を認めず.心エコー正常でシャントや肺高血圧を認めず.肺塞栓プロトコールのCTで肺塞栓を認めず,呼吸機能検査ではスパイロメトリーは正常だがDLcoのみ低下を認めた.
A:肺換気・血流シンチグラム
問題1052歳の男性が高熱,意識障害で救急室に搬入されてきた.救急室で痙攣を起こし,尿量は減少している.血液検査の結果は以下の通りであった.
A:敗血症の治療をプロトコールに沿って始める.
問題1131歳女性.38℃台の発熱.数日後に紅斑性皮疹が四肢および体部に出現し,手足に関節痛が出現したため近医を受診する.検査の結果末梢血白血球数が2,700/mm3と低下,抗核抗体が陽性を示し紹介される.
A:全身性エリテマトーデス
問題12側頭動脈炎で最もみられうる検査所見はどれか.2つ選べ. A:抗核抗体陽性
問題13痛み・しびれの診断について誤っているものを2つ選べ. A:腰椎椎間板ヘルニアは,単根性障害で疼痛を主訴とする片側愁訴が多く,腰部脊柱管狭窄症は,多根性障害でしびれを主訴とする両側愁訴が多い.
問題14高血圧患者で睡眠時無呼吸を疑う所見として適切でないものはどれか.1つ選べ. A:夜間高血圧
問題15頸静脈が怒張するのはどの場合か? A:出血性胃潰瘍によるショック
問題16心筋梗塞後の心室中隔穿孔に関して正しいのは次のうちどれか.1つ選べ. A:PCIやtPAなど再灌流療法を受けた患者に多くみられる.
問題17急性下痢症に対する抗菌薬投与について正しいのはどれか.1つ選べ. A:急性下痢症の多くは感染性であり,原則として抗菌薬を投与する.
問題1860歳,男性.発熱,黄疸,右季肋部痛を主訴に来院.来院時,血圧 104/60 mmHg,脈拍 110/分,体温 38.8℃,意識清明,眼球結膜の黄染を認めた.腹部診察では右上腹部に圧痛を認めたが,反跳痛,筋性防御はなかった.血液検査では白血球 16,000/ml,ヘモグロビン 15.5 g/dl,ヘマトクリット 47%,血小板 12×104/ml,CRP 7.5 mg/dl,AST 320 IU/l,ALT 350 IU/l,ALP 550 IU/l,T-bil 4.0 mg/dl,アミラーゼ 200 IU/lであった.緊急腹部CTで総胆管内に14 mm大の結石影を認め,胆嚢,総胆管,肝内胆管の拡張を認めた.当直医は総胆管結石,胆管炎の診断で入院とし,血液培養を施行後に抗菌薬の投与を開始した.入院2時間後,患者は不穏状態となり,血圧は70/40 mmHgに低下した.ただちに行う処置として正しいのはどれか.1つ選べ. A:意識障害の精査のため,頭部CTを撮影する.
問題1954歳,男性.検診受診歴なし.易疲労感で来院.喫煙40本/日,飲酒はビール1,000 ml/日.身長168 cm,体重73 kg,血圧138/84 mmHg.随時血糖346 mg/dl,HbA1c 10.3%,LDL-C 194 mg/dl,HDL-C 32 mg/dl,TG 427 mg/dl,尿蛋白強陽性,尿ケトン体陰性.この症例への初診時対応として適切なものはどれか.2つ選べ. A:グリベンクラミド2.5 mg/日を投与する.
問題20多毛をきたす状態として,正しくないものはどれか.1つ選べ. A:デパケン内服
(解答は本誌掲載) |