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今月の主題

「理解のための17題」


問題01

血清電解質異常についての記載で,正しいものはどれか.1つ選べ.

A:血清Kの低値がみられなければ,高血圧があっても原発性アルドステロン症は否定的である.
B:高Ca血症,低Ca血症の判別には血清アルブミン値での補正が必要である.
C:未治療尿崩症では飲水が過剰となるため,低Na血症となる.
D:ACTH単独欠損症では鉱質コルチコイドは保たれるため,電解質異常は起きない.
E:副腎不全で鉱質コルチコイドが不足すると高K血症が起こるが,低Na血症とはならない.


問題02

次の身体所見のうち,甲状腺機能低下症を疑う所見はどれか.1つ選べ.

A:低血圧
B:眉毛脱落
C:眼瞼挙上
D:前脛骨部粘液水腫
E:アキレス腱反射消失


問題03

Basedow病による甲状腺機能亢進症で起こらない症状はどれか.1つ選べ.

A:体重減少
B:体重増加
C:眼球突出
D:心房細動
E:周期性四肢麻痺


問題04

次のうち,正しいのはどれか.1つ選べ.

A:妊娠初期の甲状腺機能低下症は新生児の甲状腺機能低下症を起こす.
B:妊娠早期の甲状腺機能亢進症は新生児Basedow病を起こす.
C:妊娠末期の甲状腺機能亢進症では新生児中枢性甲状腺機能低下症を起こす.
D:妊娠末期の甲状腺機能亢進症では新生児Basedow病を起こす.
E:妊娠合併甲状腺機能低下症はサイロキシン過剰にならないよう投薬量を制限する.


問題05

ヨード過剰摂取により甲状腺機能低下症をきたす疾患はどれか.2つ選べ.

A:甲状腺癌
B:単純性甲状腺腫
C:橋本病
D:多結節性甲状腺腫(腺腫様甲状腺腫)
E:Basedow病アイソトープ治療後


問題06

次の疾患のなかで血中のTSH値が低下するものはどれか.

(1)Plummer病
(2)Graves病
(3)中枢性甲状腺機能低下症
(4)原発性甲状腺機能低下症
(5)潜在性甲状腺機能低下症

A:(1),(2),(3)
B:(2),(3),(4)
C:(1),(4),(5)
D:(3),(4),(5)
E:(1),(2),(5)


問題07

次のうち,正しいのはどれか.1つ選べ.

A:亜急性甲状腺炎は小児に多く,急性化膿性甲状腺炎は中年女性に多い.
B:甲状腺髄様癌の腫瘍マーカーにはカルシトニン,CEAなどがある.
C:抗甲状腺薬は副作用の少ない薬の1つである.
D:成人には甲状腺機能正常の甲状腺ホルモン合成障害はない.
E:甲状腺腫瘍では甲状腺機能は正常である.


問題08

高Ca血症をきたす疾患でPTHが抑制されない疾患はどれか.1つ選べ.

A:原発性副甲状腺機能亢進症
B:Basedow病
C:サルコイドーシス
D:ビタミンD中毒
E:副腎不全


問題09

副腎腺腫によるCushing症候群で認めるものを2つ選べ.

A:迅速ACTH試験でコルチゾールの過大反応
B:131I-アドステロールシンチグラフィで腫瘍側の集積
C:DHEA-Sが年齢に比し低値
D:血中ACTHは正常域
E:尿中カルシウム低値


問題10

褐色細胞腫の患者に降圧薬を処方する際に適切ではないものはどれか.1つ選べ.

A:αブロッカー
B:βブロッカー
C:カルシウムチャンネルブロッカー
D:アンジオテンシン受容体ブロッカー
E:降圧利尿薬


問題11

高血圧で薬物治療中の50代女性に,腹部CT検査にて偶然左副腎に径2.5 cm,円形で辺縁平滑,低吸収値を示し,均一に造影される腫瘍が発見された.正しいものを1つ選べ.

A:ホルモン産生腫瘍であれば,コルチゾール産生が最も考えられる.
B:ホルモン産生腫瘍であれば,アルドステロン産生が最も考えられる.
C:ホルモン産生腫瘍であれば,カテコールアミン産生が最も考えられる.
D:ホルモン産生腫瘍であれば,アンドロゲン産生が最も考えられる.
E:副腎癌の可能性が高い.


問題12

下垂体機能低下症に関して正しいのはどれか.2つ選べ.

A:Sheehan症候群は自己免疫異常で発症することが多い.
B:リンパ球性下垂体炎は出産前後に発症することが多い.
C:下垂体性副腎皮質機能低下症では必ずACTHは測定感度以下になる.
D:副腎皮質機能低下症ではTSHが軽度上昇することがある.
E:甲状腺と副腎皮質機能低下症がある場合には甲状腺ホルモンを先に補償する.


問題13

先端巨大症の治療について誤っているのはどれか.2つ選べ.

A:治療の第一選択は経蝶形骨洞的下垂体腺腫摘出術である.
B:ガンマナイフ有効例では施行直後から血中GHが低下する.
C:ブロモクリプチンによるIGF-Iの正常化は約10%以下である.
D:酢酸オクトレオチドLAR(徐放剤)によるIGF-Iの正常化は約60%である.
E:GH受容体拮抗薬(ペグビソマント)を投与すると血中GHは低下する.


問題14

高プロラクチン血症をきたさないのはどれか.1つ選べ.

A:妊娠
B:ストレス
C:慢性腎不全
D:視床下部腫瘍
E:甲状腺機能亢進症


問題15

尿崩症に関する記載で正しいのはどれか.2つ選べ.

A:尿崩症に副腎不全を合併すると多尿が増悪することが多い.
B:尿量が正常範囲であれば,尿崩症の存在は否定できる.
C:5%高張食塩水負荷試験は中枢性尿崩症の診断に有用である.
D:「特発性」中枢性尿崩症は定期的にMRI検査で基礎疾患の有無を観察する.
E:家族性中枢性尿崩症では出生時より多尿を呈する.


問題16

次のうち,正しいのはどれか.2つ選べ.

A:更年期障害は卵巣機能の低下に伴う生理現象である.
B:女性の骨粗鬆症は年齢にかかわらずエストロゲン欠乏が基本にある.
C:原発性骨粗鬆症の診断基準を満たすのは,腰椎骨密度がYAM値の75%の閉経後の女性である.
D:閉経後,脂質異常症は50%以上と増加する.
E:更年期の抑うつ気分にはホルモン補充療法は行われない.


問題17

甲状腺クライシスのときの治療法として,適切でないものはどれか.1つ選べ.

A:無機ヨード
B:チアマゾール
C:副腎皮質ステロイド
D:アスピリン
E:bブロッカー


(解答は本誌掲載)