今月の主題 「理解のための30題」 |
問題 1 正しい組み合わせはどれか。(1)近位部硬化の進んだ全身性強皮症では仮面様顔貌を呈することがある。(2)POEMS症候群では全身の色素沈着とともに,皮膚血管腫がみられることが多い。 (3)全身性アミロイドーシスでは眼瞼周囲に紫斑がみられることがあり,診断的価値がある。 (4)全身性エリテマトーデス(SLE)の蝶形紅斑では,鼻根部を避けて発疹がみられることが多い。 A:(1),(2),(3)
問題 2 下記の疾患に爪の病変が初期症状として出現する正しい組み合わせはどれか。(1)原発性肺癌に伴うばち指(時計皿爪)(2)皮膚筋炎に伴う爪囲紅斑 (3)黄色爪症候群に伴う黄色爪 (4)鉄欠乏性貧血に伴う匙状爪 A:(1),(2),(3)
問題 3 正しい組み合わせはどれか。(1)副腎皮質ステロイド――脱毛(2)Cushing症候群――多毛 (3)神経性食思不振症――多毛 (4)Cronkhite‐Canada症候群――脱毛 (5)全身性エリテマトーデス――多毛 A:(1),(2),(3)
問題 4 Addison病について正しいのはどれか。(1)低血糖を起こしやすい。(2)血清ナトリウム128mEq/lがみられる。 (3)ミネラルコルチコイド欠乏症状はみられない。 (3)血中ACTHが低下する。 (5)びまん性色素沈着を示す。 A:(1),(2),(3)
問題 5 紫斑をきたす疾患に関して,正しい組み合わせはどれか。(1)クリオグロブリン血症の混合型の病変は血管の閉塞によって起こるものが主体である。(2)anaphylactoid紫斑の皮疹はpalpable purpuraである。 (3)抗リン脂質抗体症候群の病態の基本は血栓症である。 (4)コレステロール結晶塞栓症の主たる治療は抗凝固薬である。 (5)DICの典型的な皮疹はpalpable purpuraである。 A:(1),(2)
問題 6 次のうち正しいのはどれか。(1)本邦における伝染性単核症の原因ウイルスはEBVが最も多い。(2)Koplik斑をみたら概ね麻疹と診断できる。 (3)toxic shock syndromeは溶連菌による疾患である。 (4)成人Still病は風疹ウイルスによって生じる病態である。 (5)Sweet病にはMDS,MPDなどを合併する例が少なくない。 A:(1)~(5)すべて正しい
問題 7 薬疹を疑わせる所見の組み合わせはどれか。(1)薬剤内服開始1~2週後に出現する。(2)白血球数が10,000/mm3以上となる。 (3)CRPが15mg/dl以上となる。 (4)好酸球数が10%を占める。 (5)口唇,眼球結膜の病変が著明である。 A:(1),(2),(3)
問題 8 TEN型薬疹でみられる所見はどれか。(1)皮膚病理組織で,表皮内への強い好中球浸潤(2)皮膚病理組織で,表皮細胞の好酸性壊死像 (3)白血球の減少 (4)Nikolsky現象 (5)Köbner現象 A:(1),(2),(3)
問題 9 薬剤性過敏症症候群(drug‐induced hypersensitivity syndrome:DIHS)について正しい組み合わせはどれか。(1)薬剤に対する過敏反応により生じる全身性の血管炎である。(2)抗痙攣薬が原因となることが多い。 (3)白血球の増多を認める。 (4)リンパ節腫脹を認める。 (5)ヒトヘルペスウイルス6感染症が発症のきっかけとなる。 A:(1),(2),(3)
問題 10 薬剤性光線過敏症について正しい組み合わせはどれか。(1)すべて光アレルギー性機序による。(2)ニューキノロン系抗菌薬が原因のことが多い。 (3)多くの症例で紫外線のUVAが原因である。 (4)皮膚症状は露光部に限局する。 (5)薬剤を中止すれば,すぐに皮膚症状は出現しなくなる。 A:(1),(2),(3)
問題 11 薬疹について,以下の組み合わせで正しいものはどれか。(1)ゲフィチニブ――●瘡様発疹(2)ゲフィチニブ――表皮のGVH 型反応 (3)メシル酸イマチニブ――爪囲肉芽腫 (4)リバビリン――サルコイドーシス (5)リバビリン――乾癬の悪化 A:(1),(2),(3)
● … やまいだれに「坐」 問題 12 糖尿病を疑うべき皮膚疾患の組み合わせはどれか。(1)遠心性環状紅斑(2)汎発性粘液水腫 (3)汎発性環状肉芽腫 (4)浮腫性硬化症 (5)リポイド類壊死症 A:(1),(2),(3)
問題 13 糖尿病がその発症要因となることが明確な皮膚真菌症はどれか。(1)足白癬(2)爪白癬 (3)粘膜のカンジダ症 (4)皮膚カンジダ症 (5)癜風 A:(1),(2)
問題 14 糖尿病患者に対する指導のうち正しいものを選べ。(1)胼胝・鶏眼がよくできる場合,頻繁に自分で削るよう指導する。(2)足の爪が伸びると皮膚に当たるので,できるだけ短く切っておくよう指導する。 (3)足趾切断の既往があっても,血糖コントロールがよくない場合,毎日長い時間歩くよう指導する。 (4)毎日,自分の足を観察するよう指導する。 A:(1),(2),(3)
問題 15 爪上皮出血点が陽性となりにくい疾患はどれか。A:全身性強皮症B:混合性結合組織病 C:皮膚筋炎 D:一次性Raynaud病 E:二次性Raynaud病 問題 16 Antisynthetase syndromeにおいて頻度の高い症状はどれか。(1)間質性肺炎(2)Raynaud現象 (3)多発関節炎 (4)強指症 (5)手指の壊疽 A:(1),(2),(3)
問題 17 全身性エリテマトーデス(SLE)の蝶形紅斑について,正しいのはどれか。(1)特異性の高い診断基準項目である。(2)病勢との関連はない。 (3)鼻唇溝を越えるのが特徴である。 (4)典型例では鼻根部にかからない。 (5)しばしば小紅斑が集簇して形成される。 A:(1),(2)
問題 18 全身性エリテマトーデス(SLE)の光線過敏について正しい組み合わせはどれか。(1)UVA,UVBとも光線過敏を誘発しうる。(2)SLEの初発症状となりうる。 (3)光線テストが診断に有用である。 (4)膠原病関連疾患のなかで光線過敏はSLEに特異的である。 (5)光線過敏の患者では遮光が重要である。 A:(1),(2),(3)
問題 19 Sjögren症候群で正しいのはどれか。(1)皮膚病変部に浸潤する細胞はCD8陽性細胞優位である。(2)全身性エリテマトーデス(SLE)と異なり光線過敏はみられない。 (3)発汗低下の機序として,アクアポリン5の分布異常が知られている。 (4)環状紅斑は顔面に生じやすい。 (5)T細胞リンパ腫の合併例が多い。 A:(1),(2)
問題 20 膠原病の皮膚病変について正しい組み合わせはどれか。(1)環状紅斑はSLEの診断基準(ACR)にある重要な項目である。(2)脱毛は強皮症の初発皮膚病変として頻度の高い皮膚症状である。 (3)蕁麻疹様紅斑は皮膚筋炎の最も多い初発皮膚病変である。 (4)網状皮斑(リベド)はAPSを合併したSLEに多くみられる皮膚症状である。 (5)凍瘡様紅斑はSLEとSjögren症候群の初発皮膚病変として重要である。 A:(1),(2)
問題 21 ALアミロイドーシスでよくみられる皮膚症状はどれか。(1)潰瘍(2)結節 (3)水疱 (4)紫斑 (5)紅斑 A:(1),(2),(3)
問題 22 わが国のサルコイドーシスで皮膚病変の好発部位はどこか。(1)前額部(2)頸部 (3)胸部 (4)殿部 (5)膝蓋 A:(1),(2)
問題 23 膵ランゲルハンス島の腫瘍について正しい組み合わせはどれか。(1)血中グルカゴン値の上昇(2)血中アミノ酸値の低下 (3)耐糖能異常 (4)壊死性遊走性紅斑 A:(1),(2),(3)
問題 24 眼瞼紅斑,浮腫で鑑別を要する疾患はどれか。(1)Sjögren症候群(2)皮膚筋炎 (3)アミロイドーシス (4)甲状腺機能異常 A:(1),(2),(3)
問題 25 Behçet病の診断に必要な臨床症状の正しい組み合わせはどれか。(1)口腔内アフタは必発症状である。(2)外陰部潰瘍は必発症状である。 (3)結節性紅斑様皮疹は体幹にできることが多い。 (4)血液検査では多核白血球増多を伴う。 (5)血清中のCRPが上昇することが多い。 A:(1),(2),(3)
問題 26 結節性紅斑と関連のある疾患について,正しい組み合わせはどれか。(1)狭心症(2)Sweet病 (3)サルコイドーシス (4)Behçet病 (5)Buerger病 A:(1),(2),(3)
問題 27 blue toe syndromeについて正しい組み合わせはどれか。(1)著しい疼痛が特徴である。(2)末梢血管に血栓が閉塞して生じる末梢循環障害のことである。 (3)抗凝固療法は有効な治療法である。 (4)血管内カテーテル操作が発症の誘因となることがある。 (5)外科的処置は原則として壊死部の境界が明瞭になるまで待つ。 A:(1),(2),(3)
問題 28 C型肝炎患者にみられる皮膚疾患はどれか。A:天疱瘡B:Sweet病 C:環状肉芽腫 D:晩発性皮膚ポルフィリン症 E:壊死性遊走性紅斑 問題 29 関節リウマチで血管炎を示唆する皮膚症状はどれか。(1)網状皮斑(2)rheumatoid papule (3)リウマトイド結節 (4)Bywaters' lesion A:(1),(2),(3)
問題 30 透析の痒みに関係していないものはどれか。(1)乾燥皮膚(2)βエンドルフィン (3)ヒスタミン (4)ダイノルフィン (5)C線維 A:(1),(2),(3)
(解答は本誌掲載)
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