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日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書
内科臨床誌 medicina

48巻6号(2011年6月号)
今月の主題 睡眠呼吸障害の克服-内科医が知っておきたい病態・症状・関連疾患

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陳 和夫(京都大学大学院医学研究科 呼吸管理睡眠制御学講座)

睡眠呼吸障害は頻度の高い病態で,本邦でも高血圧,糖尿病,虚血性心疾患,心不全などの生活習慣病の数割以上の患者に睡眠時無呼吸が合併することが明らかになりつつあります.2005年に『成人の睡眠時無呼吸症候群 診断と治療のためのガイドライン』が発刊されましたが,2003年に米国高血圧合同委員会第7次報告(JNC-7)で,本邦でも『高血圧治療ガイドライン2009』で睡眠時無呼吸は二次性高血圧の原因の一つと認められ,二次性高血圧の最も頻度の高い要因となっています.さらに,2010年には日本循環器学会からの『循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン』が発刊されました.2008年には国際糖尿病連合が閉塞性睡眠時無呼吸と2型糖尿病の関連を示唆する声明も出しています.

内科認定医・専門医試験対策に!!
今月の主題
「理解のための26題」
(力だめしにいかがでしょう.解答は本誌掲載.解説が大幅に充実)
今月の主題 座談会
多くの診療場面で遭遇する睡眠呼吸障害
睡眠呼吸障害は今まで呼吸器内科医,精神科医,耳鼻咽喉科医,歯科医が中心となり診療を行ってきました.しかし,高血圧,糖尿病,心不全の患者では睡眠時無呼吸を合併している頻度が高いことが明らかとなり,基礎疾患を適切に治療するうえでも,すべての内科医が睡眠呼吸障害を知り,合併症として考慮する必要があります.
そこで本座談会では,内科医が知っておくべき睡眠呼吸障害,特に睡眠時無呼吸の病態・症状と,高血圧,心血管障害,糖尿病,肝機能障害などの内科疾患,精神神経疾患とのかかわり,専門医との医療連携を含めた診断・治療法について,ご経験の豊富な4名の先生方に伺います.
新連載
演習・循環器診療―ピットフォールに陥らないために
循環器疾患を疑う症状では別の重要な疾患に思い至らなくてはならない場合や,逆に他の疾患を想定していた患者に循環器疾患が隠れている場合が少なくありません.本シリーズでは,東大病院循環器内科での症例を題材に,循環器診療のポイントや陥りやすいピットフォールを解説します.
連載
研修おたく海を渡る
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました.内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています.毎回おちがつくといいのですが.どうかよろしくお願いします.
手を見て気づく内科疾患
本連載では,身体診療の一部である手の観察について記載します.注意深く観察すると,診断の鍵となる,とても多くの情報が潜んでいることに気づいていただけるでしょう.
The M&M reports 見逃し症例に学ぶ内科ERの鉄則
ミスから学ばずして成長はない.
米国の一流教育病院では,死亡症例や重大な合併症をきたした症例をもとに,「M & M(Morbidity & Mortality conference)」と呼ばれる症例検討会を行い,診療レベルの向上に役立てている.
本連載では,このM&Mのスタイルを用い,ER(救急外来)における内科診療の「落とし穴」を示しながら,そこに落ちないための教訓と診療のコツを伝える.
アレルギー膠原病科・呼吸器内科合同カンファレンス
聖路加国際病院で行われている合同カンファレンスを誌上で再現するシリーズです.診断・治療のupdateはもちろん,他科へのコンサルトのタイミングや,複数科を受診する患者のフォローアップ時の注意点など,患者を多角的に診療する視点をご覧いただけます.
目でみるトレーニング
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載.写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」,「解答と解説」からなり,クイズを通して症例疾患への理解を深める.
医事法の扉 内科編
医療過誤事例からは,さまざまな教訓を学ぶことができます.本連載では,「医事法」と総称される医療行為に関連する法律に規定された,あるいは明確な規定はなくとも解釈上認められている医師の義務を採り上げ,法的観点から臨床上重視される点について,判例を紹介しながら検討していきます.
Festina lente
このラテン語格言は「ゆっくり,いそげ」の意.「回復を早める」とはいっても,時間をとってじっくり養生を説く余裕は医師側にはほとんどなかろう.無論その先に人手不足予算不足できりきり舞いの医療現場があるからで,余裕のない焦りが順送りに広がっているともいえる.このたび医療にまつわる随想を記す機会をいただいたが,つれづれの思いが,せめて少しでも「ゆっくりいそぐ」のに資すれば幸いである.
今日の処方と明日の医学
医薬品は,変革の時代を迎えています.国際共同治験による新薬開発が多くなる一方で,医師主導の治験や臨床研究などによるエビデンスの構築が可能となりました.他方,薬害問題の解析から日々の副作用報告にも薬剤疫学的な考察と安全対策への迅速な反映が求められています.そこで,この連載では医薬品の開発や安全対策を医学的な観点から解説し,日常診療とどのように結びついているのかをわかりやすくご紹介します.
[監修:日本製薬医学会]

第13回 創薬プロセスの現状と展望

芝田英生(ファイザー株式会社)