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健康格差社会への処方箋




著:近藤 克則
  • 判型 A5
  • 頁 264
  • 発行 2017年01月
  • 定価 2,700円 (本体2,500円+税8%)
  • ISBN978-4-260-02881-3
健康格差に挑むための「根拠」と「戦略」を実証的に示す!
社会・経済的因子による健康格差の実態とその生成機序を「健康格差社会」と命名し各界にインパクトを与えた著者が、その後の研究や社会の動向を踏まえ、「どうすべきか」を示す「処方箋」。格差の要因を示すだけでなく、「格差対策に取り組むべきか」という判断の根拠をも提供、その上で国内外で実証されつつあるミクロ・メゾ・マクロレベルの戦略を紹介する。医療政策関係者や公衆衛生関係者に必読の1冊。
目 次
 序章 処方のために何が必要か
   日本にみられる健康格差
   処方のためには何が必要か
   本書で検討したいこと

第1部 なぜ健康格差が生まれるのか 「病理」編
 第1章 ライフコース・アプローチ 足が長いとがんで死ぬ?
   健康格差とライフコース・アプローチ
   ライフコース疫学の実証研究
   どのように影響するのか
   ライフコース・アプローチの示唆するもの
 第2章 仕事と健康 長時間労働・不安定雇用・成果主義と職業性ストレス
   長時間労働と過労死
   社会階層と健康格差
   職業性ストレス
   不安定雇用の悪影響
   「成果主義」の影
   なぜ健康格差は生まれるのか
   3つのレベルの対策が必要
 第3章 遺伝と環境 「生まれ」は「育ち」を通して
   遺伝と環境・社会生物学を巡る論争
   やわらかな遺伝子
   自殺予防の場合
   犯罪予防の場合
   急増する肥満
   疾患の国際比較
   「生まれ」は「育ち」を通して
   第1部のまとめ

第2部 根拠は十分か,治療を試みるべきか 「価値判断」編
 第4章 歴史に学ぶ 科学は理論・仮説に始まる
   理論に問題があるのか,方法に問題があるのか
   地動説と錬金術
   地動説が実証されるまで
   進化論は仮説?
   WHOの健康政策
   科学は,理論・仮説に始まる
   歴史に学ぶ
 第5章 「遅ればせの教訓(レイト・レッスン)」に学ぶ
   高血圧治療の場合
   生活習慣・健康行動の変容の場合
   「遅ればせの教訓」
   実証されるのを待つべきか
 第6章 社会保障は経済を停滞させる? 事実か仮説か
   お金持ちには不合理な社会保障?
   格差の拡大は必然?
   社会的・政治的視点から
   行動経済学的視点から
   正議論の視点から
   勝ち組をも不幸にする格差拡大社会
   歴史的視点から
   マクロ経済的視点から
   合成の誤謬
   第2部のまとめ

第3部 では何ができるか 「処方箋」編
 第7章 「健康格差」対策の総合戦略 ヨーロッパの到達点を踏まえて
   イギリスとWHOでの「健康格差」対策に至る流れ
   「健康の不平等」へのスタンス
   健康格差削減に向けた戦略形成
   イギリスにみる総合戦略
   戦略群の分類
 第8章 個人・家庭レベルの危険因子への戦略 肥満・教育・貧困児童を例に
   3つの例の位置づけ,取り上げる理由
   肥満対策
   教育
   貧困児童への取り組み
   健康格差への対策に向けて
 第9章 メゾレベルの危険因子への戦略(1) 職場・職域における対策
   メゾレベルの取り組みの特徴
   職場でのリスクと取り組み (1)メタボリック・シンドローム
   職場でのリスクと取り組み (2)長時間労働と対策
   職場でのリスクと取り組み (3)職業性ストレス対策
   安全性と競争力は競合するのか
   安全で健康な職場
   学校における取り組み
 第10章 メゾレベルの危険因子への戦略(2) 健康なまちづくり
   建造環境と健康との関連
   「健康都市」プログラム
   都市と健康
   都市計画と健康-交通政策を例に
   交通政策以外の諸政策の例
   健康・医療・福祉のまちづくりの推進ガイドライン
 第11章 メゾレベルの危険因子への戦略(3) ソーシャル・キャピタル
   ソーシャル・キャピタルとは何か
   ソーシャル・キャピタルと健康
   どのようなメカニズムで影響するのか
   どのように活用しうるのか
   メゾレベルの健康格差対策のまとめ
 第12章 マクロレベルにおける対策-社会政策
   健康に関わる社会政策群
   医療保障政策
   労働・雇用政策-「ニート」って言うな!
   所得保障・所得再分配政策
   健康政策としての社会政策
   「もう1つの戦略」の3つの視点
 第13章 ハイリスク・アプローチの限界とそれに代わるもの
   健康格差の是正に向かう3つの段階
   ハイリスク・アプローチの限界
   ポピュレーション・アプローチの新しさと重要性
   なぜ健康の社会的決定要因に着目するのか
   残されているのは約5年
   何をなすべきか
 第14章 ポピュレーション・アプローチの具体化
   ポピュレーション・アプローチを具体化した2つの取り組み
   地域介入研究-武豊プロジェクト
   JAGES HEART
    column 1 JAGES HEART の開発に用いたJAGES 2013調査データ
    column 2 地域診断指標としての妥当性の検証が必要
   3つの課題
 第15章 国内外にみる変化の兆し
   健康格差対策に必要なもの
   イギリスの「第3の道」
   健康格差を巡る政策評価重視の流れ
   社会投資と積極的な社会政策
   できることから始めよう
 第16章 健康格差対策のための7原則
   「健康格差対策の7原則」とは何か
   【始める】ための原則
   【考える】ための原則
   【動かす】ための原則
   おわりに

あとがき
索引
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