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医療福祉総合ガイドブック 2017年度版

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医療福祉サービスを利用者の生活場面に沿って解説したガイドブックの2017年度版。最新情報のフォロー、解説の見直しなどでより理解しやすい内容に!医療保険、生活保護、年金保険、介護保険、障害者総合支援法、子どものいる家庭への支援、自然災害に対応する支援等、全国共通で利用頻度の高い制度から、地域により異なるサービスまで幅広く網羅。利用者からの相談に素早く、より確実に対応したい、医療福祉関係者必携の1冊。
本書は2017年2月末日までに把握できた情報をもとに構成しております。本書の発行後にも法律の改正や制度の変更が行われる場合があるため,あらかじめご了承ください。
編集 NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会
発行 2017年04月判型:A4頁:312
ISBN 978-4-260-03034-2
定価 3,630円 (本体3,300円+税)
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はじめに

 本書『医療福祉総合ガイドブック』を発行し続けて17年になります。外観,内容は時代とともに少しずつ変化してきましたが,このガイドブックを手にしてくださる方々のお役に立ちたいという私たち執筆者の想いは変わることなく,編集活動の原動力となっています。
 編集作業は,前年度から変わった点はないか,新しく追加されたものはないか,どのように表記したらわかりやすいかと試行錯誤を重ね,「ていねいに,正確に」を大事にしながら,各章を分担し行っています。執筆者の多くは,医療ソーシャルワーカー,ケアマネジャー(介護保険),相談支援専門員(障害福祉)など,相談業務に従事しており,私たち自身,この編集作業を通し,いろいろな制度の理解や課題整理,情報共有を行っています。
 たとえば,障害福祉サービスを利用してきた障害者が65歳になり,介護保険制度が優先になることで生じる「65歳問題」は,障害者本人だけでなく,65歳までの生活を支援してきた相談支援専門員,65歳からの生活を支援していくケアマネジャーにも混乱をきたすことが多くあります。今回の編集では,まず執筆者同士,担当分野を超えてこの問題を議論し,制度の再確認を行いました。そして,本書では「65歳問題」について,「V章 障害児・者サービス」で障害福祉サービスと介護保険サービスの関係性を述べ,「IV章 高齢者サービス」のコラムで問題提起をしています。
 「わかりやすく」,そして制度に「つながりやすく」を合言葉に,社会資源の紹介に努めています。また,「今年も新しいガイドブックは出るの?」と,毎年新刊の発行を待ってくださっている方々の声を励みに,更新し続けることの意義と役割を再確認しています。今年もみなさまのもとに『医療福祉総合ガイドブック』をお届けできることをうれしく思っています。

 今後の地域包括ケアシステムは,障害者,児童等への支援も含めた新たな地域包括支援体制の構築へ向かう計画です。障害者の領域では,2020(平成32)年度末を目安に「地域生活支援拠点の整備」が進められています。「地域生活支援拠点」とは,障害者が高齢になっても親亡きあとも住み慣れた地域で安心して暮らし続けて行くうえで必要な機能や体制のことで,地域包括ケアシステムによく似ています。「住み慣れた地域で,安心して生活を続けていくための体制整備」,それはすなわち地域づくりです。制度とつながり,人とつながり,地域をつくる。これからの時代,あらためて「つながる」ことの大切さを感じます。
 困ったとき,不安を感じたとき,どこに相談したらいいのだろうと悩むことでしょう。同じような名前の同じような制度があり,どう手続きすればいいのか迷います。そのようなとき,人と制度をつなぐ,人と人をつなぐ,つなぎ手として,この『医療福祉総合ガイドブック』を活用していただけることを願っています。

 本書では,より読みやすく,利用しやすいように以下の点に留意しています。
本書の編集は,「もし,自分が利用するならば……」と自問しながら,進めています。
1)法律や役所から示されている説明文を載せるのではなく,すべての解説を利用者にわかりやすく言い換えました。
2)制度をひとことで説明する見出しをつけました。
3)「内容」「利用できる人」「利用者負担」「利用の方法」「コメント」など見出しをつけて,各項目はできる限り箇条書きで表記しました。
4)医療ソーシャルワーカーが相談に用いる図,表,イラストをふんだんに使いました。
5)医療ソーシャルワーカーの視点から全体を構成して,「コラム」「ミニ事例」「ミニ知識」などを通じて医療・福祉を総合的に補足しています。
 現場で実践しながら,本書の出版を継続させるため長きにわたり情報を収集し続け,わかりやすく伝えるために創意工夫しながら執筆に携わっているソーシャルワーカーの仲間たちの存在を心強く思います。そして,本書の発行に向け,私たち執筆者とともに編集制作作業を続けてくださっている,医学書院の吉田拓也さん,横田航さんに深謝いたします。
 執筆者らの心の底に流れる「利用者のために意を尽くそう」という思いをくみ取っていただければ大きな喜びです。

 なお,本書編集の「NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会」では,本書の印税を医療福祉の広報,普及活動や医療ソーシャルワーカーの研修に役立てておりますことをご報告しておきます。

 2017年3月
 執筆者一同

本書は2017年2月末日までに把握できた情報をもとに構成しております。本書の発行後にも法律の改正や制度の変更が行われる場合があるため,あらかじめご了承ください。

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I 社会保障のしくみ
 社会保障のしくみ
  (1)社会保障とは-2017年を展望して
  (2)社会保険とは
  (3)公的扶助(生活保護)とは
 地域包括ケアシステム
  (1)地域包括ケアシステムとは
  (2)地域包括ケアシステムを地域から構築するために
 サービス利用の窓口,支援する人・制度

II 医療サービス
 医療提供のしくみ-適切な医療を受けるために
  (1)医療機関の構成
   A 医療法による区分
   B 診療報酬制度による区分
   C 医療対策・医療関連各法による区分(拠点病院)
   D その他の法による区分
  (2)病棟・病床の種類
   A 病棟・病床の機能・特徴
  (3)在宅生活を支える地域資源
  (4)精神科における医療サービス
   A 精神科という医療への受診
   B 入院
   C 入院の形態
   D 退院請求・処遇改善請求
   E 在宅へ向けて利用できるサービス
   F 在宅
 医療に関する諸制度
  (1)医療保険制度や諸制度
  (2)医療費自己負担を軽くするために
   A 高額療養費制度
   B 医療費軽減制度
   C 自治体によって異なる医療費補助
   D 被害者救済医療
   E 税制上の軽減制度

III 生活費としごと
 生活費
  (1)公的扶助
  (2)生活困窮者自立支援制度
  (3)資金貸付制度
  (4)年金保険制度
   A 原則20歳以上60歳未満の人が加入する年金
   B 老齢年金
   C 障害年金
   D さまざまな年金
  (5)公共料金等の減免・割引
 しごと
  (1)最低賃金制度
  (2)雇用保険制度
  (3)就職支援
  (4)労働法

IV 高齢者サービス
 高齢者サービスのガイド
  (1)介護保険のしくみと手続き
  (2)相談するところ
 高齢者サービスの実際
  (1)介護保険サービスの費用
  (2)サービス提供事業所
 住まい
 暮らすところで利用するサービス
 出向いて利用するサービス
 税制上の軽減制度
 高齢者の権利擁護

V 障害児・者サービス
 障害児・者サービスの実際
  (1)相談するところ
  (2)障害福祉サービスのしくみ
   A サービス利用の流れ
   B 障害支援区分の認定
   C サービスの種類
  (3)障害児サービスのしくみ
   A サービス利用の流れ
   B サービスの種類
  (4)障害児・者の費用負担
   A 障害者の費用負担
   B 障害児の費用負担
   C 補装具の費用負担
   D 日常生活用具の費用負担
   E 費用負担の軽減措置
  (5)障害福祉サービスと介護保険
 障害児・者サービスのガイド
  (1)身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳
  (2)手帳で利用できる制度
  (3)発達障害者への支援
  (4)高次脳機能障害者への支援
 難病患者のために
 住まい
  (1)共同生活するところ
  (2)居住サポート
  (3)公営住宅への入居
  (4)住宅の改造
 暮らすところで利用するサービス
  (1)介護サービス
  (2)暮らしを豊かにする用具
 出向いて利用するサービス
  (1)介護サービス
  (2)活動支援のサービス
 外出するときに利用するサービス
  (1)介護サービス
  (2)のりもの
  (3)自動車関係
 子どもが利用するサービス
  (1)障害児通所支援
  (2)障害児入所支援
 しごと
 手当
 自助グループ(セルフヘルプグループ)
 障害者の権利擁護
   A 障害者虐待防止法と支援のしくみ
   B 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)

VI 家庭・児童(子ども)のために
 家庭・児童(子ども)のために
  (1)子どもの手当
  (2)医療費自己負担の軽減
  (3)医療保険からの給付
  (4)乳幼児・児童の保護と育成
   A 相談するところ
   B 入所施設
   C 社会的扶養
   D その他
  (5)子育てサポート
  (6)ひとり親家庭支援
   A 子育て・生活支援
   B 経済支援
   C しごと
  (7)就学のための支援
  (8)児童虐待防止法と支援のしくみ
   A 児童虐待とは
   B 支援のしくみ
  (9)DVについて
   A DVとは
   B DV被害者への支援について

VII 自然災害等にあった人のために
 自然災害等にあった人のために
  (1)大規模自然災害等の保障
  (2)医療サービス
  (3)生活と住まい・しごと
   A 生活
   B 住まい
   C しごと
  (4)高齢者サービス
  (5)母子・父子(ひとり親),乳幼児,児童のために
  (6)その他の支援
 原子力災害にあった人のために
  (1)医療サービス
  (2)住まい
  (3)その他の支援

資料編
索引

column
 生きることへの包括的支援を進めよう
 「病院で3か月間は入院できる」はすでに神話か?
 目的と制度のはざまで-回復期リハビリテーション病棟において
 車いすを準備するタイミング
 保険外併用療養がスタートしています
 任意継続被保険制度と国民健康保険はどうやって選べばよいの?
 薬代も無料低額診療事業の対象に!
 薬局で買う薬でも医療費控除(スイッチOTC薬控除)が受けられます!
  セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)
 生活保護それは権利です
 厚生年金の加入対象が拡大しました!
 年金受給資格が納付期間10年に短縮!
 初診日は同じでも認定日は違う?
 確定拠出年金改正法が成立!
 65歳以上の労働者も雇用保険の対象になりました
 元気になると損?
 「65歳問題」「65歳の壁」
 成年後見制度の利用の促進に関する法律
 広島で起きた平成26年8月豪雨による災害の経験を活かす
 相模原殺傷事件から考える
 意思決定支援を巡って-人は誰もが自らの意思で今を生きている
 医療的ケア児にも支援を
 子ども・子育て支援新制度とは
 一時保護された子どもの学びの保障

ミニ知識
 悲しみのなかでも必要な各種手続き
 地域連携パスの利用
 往診と訪問診療の違い
 紹介状なしで受診するときには気をつけましょう
 労災保険のメリット制
 療養費の支給
 生活保護の相談・開始・適用に関する厚生労働省通知
 生活保護手帳と別冊問答集
 冬季加算
 生活保護の内容で知っておきたいこと
 不服申立て(審査請求前置主義)
 民生委員
 「納付猶予」の対象年齢が,30歳未満から50歳未満へ拡大
 「初診日」と「初診日を証明する書類」に注意してください
 障害認定日以降に症状が重くなった場合にも請求できます
 育児・介護休業法の改正-仕事と家庭生活を両立
 特別児童扶養手当等の給付(生活保護受給家庭の場合)
 産科医療補償制度
 小児救急電話相談#8000

ミニ事例
 20歳になったら国民年金は義務です。学生納付特例を知っていますか?
 仲間との出会いに感謝-「断酒」によって得られた充実した日々

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