イラストでまなぶ薬理学 第3版
薬剤情報・内容の更新をはじめ、イラストの刷新・カラー化でさらに使いやすく
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「イラストでまなぶ」シリーズの1冊。薬剤情報・内容の更新はもちろん、イラストの刷新、さらにカラー化でよりわかりやすく、使いやすい1冊に。本文は重要度を3段階で示しており、習熟度に応じて基本的事項から薬のメカニズム、臨床につながる知識まで網羅的に学ぶことができる。
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序文
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第3版によせて
本書の初版を上梓して12年,第2版の改訂を行って5年が経過した.薬理学の分野は変化のスピードがきわめて速く,この5年の間に新薬もたくさん開発され,医療をめぐる環境も激変し,教育における薬理学の位置も変わってきたようである.そこでこのたび再度改訂を試み,第3版を発行することとした.今回の改訂では,内容も,レイアウトも,そしてイラストも全面的に書き直した.
学生にとって重要なのは,将来臨床現場にいったとき,そこで使われている薬の意義や役割を正しく理解していることであろう.そのための基礎知識を得るのが学生時代にやっておくべき勉強であると考えている.そのため本書の改訂にあたっては,薬理学に対する知識を得ることができるようにと意識しながら内容の充実を心がけた.
本書ではまず病態生理の説明を行っている.治療法や薬剤の使い方は,病態生理がわからないことには理解不能だからである.そして次に臨床薬を中心にその薬理作用を解説している.すなわち「病態生理から見た臨床薬の使われ方」である.学問としての薬理学に偏りすぎぬよう,臨床現場で必要となる項目を中心に,量もレベルも必要十分になるよう努力したつもりである.
本書は,拙書 『イラストでまなぶ生理学』 の姉妹編である.生理学がよく理解できていない学生諸君は,まずこちらで生理学を理解した後,本書に挑戦してほしい.本書の表現法やコンセプトは『イラストでまなぶ生理学』に準拠している.たとえば本文はその重要度別に,大見出し,中見出し,そして説明文の3つのランクにわけて書いてある.学生諸君は大見出しと中見出しの内容は必ず理解し記憶してほしい.そのまま記憶できるような文章にしてあるので丸暗記もできる.説明文は内容理解のためのもので,これは読むだけにとどめてもよい.試験が終わるとせっかく覚えたことをすべて忘れてしまう学生が多いようだが,せめて大見出しの項目は試験終了後もずっと記憶しておいてほしい.将来きっと役に立つはずである.
左ページには本文の内容をイラストで説明してある.かなり思い切った比喩やデフォルメもあるが,覚えてほしいポイントを強調したいがためにそのような図となった.また薬品名の記載は,臨床で使われる表現を採用し,たとえば「アトロピン硫酸塩」は「アトロピン」とのみ表記している.さらに重要度のあまり高くない項目や最近のトピックなどは,コラムやコーヒーブレイクとして各ページの下段や章末に記載した.各章末には復習の意味で,看護師・薬剤師・臨床検査技師の国家試験問題を載せてあるので,こちらも理解の確認に利用していただきたい.本書が薬の正しい理解の一助となれば幸いである.
2016年1月
田中越郎
本書の初版を上梓して12年,第2版の改訂を行って5年が経過した.薬理学の分野は変化のスピードがきわめて速く,この5年の間に新薬もたくさん開発され,医療をめぐる環境も激変し,教育における薬理学の位置も変わってきたようである.そこでこのたび再度改訂を試み,第3版を発行することとした.今回の改訂では,内容も,レイアウトも,そしてイラストも全面的に書き直した.
学生にとって重要なのは,将来臨床現場にいったとき,そこで使われている薬の意義や役割を正しく理解していることであろう.そのための基礎知識を得るのが学生時代にやっておくべき勉強であると考えている.そのため本書の改訂にあたっては,薬理学に対する知識を得ることができるようにと意識しながら内容の充実を心がけた.
本書ではまず病態生理の説明を行っている.治療法や薬剤の使い方は,病態生理がわからないことには理解不能だからである.そして次に臨床薬を中心にその薬理作用を解説している.すなわち「病態生理から見た臨床薬の使われ方」である.学問としての薬理学に偏りすぎぬよう,臨床現場で必要となる項目を中心に,量もレベルも必要十分になるよう努力したつもりである.
本書は,拙書 『イラストでまなぶ生理学』 の姉妹編である.生理学がよく理解できていない学生諸君は,まずこちらで生理学を理解した後,本書に挑戦してほしい.本書の表現法やコンセプトは『イラストでまなぶ生理学』に準拠している.たとえば本文はその重要度別に,大見出し,中見出し,そして説明文の3つのランクにわけて書いてある.学生諸君は大見出しと中見出しの内容は必ず理解し記憶してほしい.そのまま記憶できるような文章にしてあるので丸暗記もできる.説明文は内容理解のためのもので,これは読むだけにとどめてもよい.試験が終わるとせっかく覚えたことをすべて忘れてしまう学生が多いようだが,せめて大見出しの項目は試験終了後もずっと記憶しておいてほしい.将来きっと役に立つはずである.
左ページには本文の内容をイラストで説明してある.かなり思い切った比喩やデフォルメもあるが,覚えてほしいポイントを強調したいがためにそのような図となった.また薬品名の記載は,臨床で使われる表現を採用し,たとえば「アトロピン硫酸塩」は「アトロピン」とのみ表記している.さらに重要度のあまり高くない項目や最近のトピックなどは,コラムやコーヒーブレイクとして各ページの下段や章末に記載した.各章末には復習の意味で,看護師・薬剤師・臨床検査技師の国家試験問題を載せてあるので,こちらも理解の確認に利用していただきたい.本書が薬の正しい理解の一助となれば幸いである.
2016年1月
田中越郎
目次
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第3版によせて
第1章 薬が作用するしくみ
薬と受容体
薬の血中濃度
薬の投与方法
Coffee Break ■血清アルブミンと薬の結合 ■アルコールと薬 ■主作用・副作用・有害事象
第2章 自律神経
交感神経と副交感神経
交感神経作動薬
α作用とβ作用
交感神経遮断薬
副交感神経作動薬
抗コリン薬
コリンエステラーゼ阻害薬と筋弛緩薬
Coffee Break ■救急時のカテコールアミン
第3章 アレルギー
プロスタグランジン
ヒスタミンとセロトニン
抗アレルギー薬
Coffee Break ■第一世代と第二世代の抗ヒスタミン薬 ■アナフィラキシー
第4章 炎症
炎症と糖質コルチコイド
副腎皮質ステロイド薬
副腎皮質ステロイド薬の種類
副腎皮質ステロイド薬の副作用
非ステロイド性抗炎症薬の作用
非ステロイド性抗炎症薬の種類
非ステロイド性抗炎症薬の副作用
抗リウマチ薬
免疫抑制薬
Coffee Break ■バファリン® 配合錠A330の成分 ■ヒドロキシクロロキン(プラケニル®)
第5章 血液
鉄欠乏性貧血
その他の貧血
血液凝固
抗凝固薬
輸血
Coffee Break ■外科領域の止血薬
第6章 輸液
水分と電解質
輸液
TPN(中心静脈栄養法)
ビタミン
Coffee Break ■ショック ■ウェルニッケ-コルサコフ症候群
第7章 循環器
降圧薬
血管拡張薬
カルシウム拮抗薬
狭心症・心筋梗塞治療薬
心不全治療薬
抗不整脈薬
体液と利尿薬
利尿薬
Coffee Break ■カンフル注射 ■バイアグラ® 開発秘話
第8章 呼吸器
気管支喘息治療薬(発作時)
気管支喘息治療薬(非発作時),去痰薬
鎮咳・感冒薬
Coffee Break ■カゼと抗菌薬 ■アルカロイド ■テオフィリンとアミノフィリン
第9章 消化器
胃液分泌のしくみ
消化性潰瘍治療薬
健胃・消化薬,制吐薬
下剤(瀉下薬)
止痢薬
肝疾患
その他の消化性疾患
Coffee Break ■消化器官と副交感神経 ■大腸憩室
第10章 代謝
糖尿病
インスリン製剤
経口血糖降下薬
痛風治療薬
抗脂質異常症(高脂血症)薬
骨粗鬆症薬
Coffee Break ■HbA1cの基準値 ■HbA1c・血中尿酸の値と体温の値
第11章 内分泌
甲状腺ホルモン製剤
女性ホルモン
女性ホルモン製剤
妊娠・分娩
妊娠中の薬剤投与
Coffee Break ■月経と生理 ■プラセボ
第12章 中枢神経系
脳のニューロン
パーキンソン病
パーキンソン病治療薬
抗不安薬
睡眠薬
抗精神病薬
抗うつ薬
抗てんかん薬
Coffee Break ■フェニトインの血中濃度
第13章 麻酔
麻薬性鎮痛薬
非合法麻薬
全身麻酔(1) 吸入麻酔薬
全身麻酔(2) 静脈麻酔薬
局所麻酔薬
硬膜外麻酔と脊椎麻酔
特殊な鎮痛薬
Coffee Break ■薬物依存 ■ボンベと配管の色
第14章 抗菌薬
細菌
抗菌薬の種類
抗菌薬(1)
抗菌薬(2)
抗菌薬(3)
抗真菌薬・耐性菌(MRSA)
抗ウイルス薬・日和見感染
Coffee Break ■抗菌薬の歴史
第15章 抗癌薬
代謝拮抗薬
DNA複製阻害薬
微小管阻害薬,ホルモン製剤
抗癌薬の副作用と投与法
Coffee Break ■抗癌薬の投与例 ■毒ガスとアルキル化薬 ■分子標的治療薬 ■サリドマイド
第16章 特殊な薬
散瞳薬・縮瞳薬
緑内障治療薬
皮膚科用薬
解毒薬
予防接種
漢方薬
X線造影剤
消毒薬
Coffee Break ■プリオンの滅菌
第17章 薬の処方と管理
処方箋
薬の定義
薬の保管
Coffee Break ■薬の化学名,一般名,商品名 ■第Ⅰ相試験,第Ⅱ相試験,第Ⅲ相試験
第18章 与薬エラー
よくある与薬エラー
薬剤の取り違えエラー
与薬方法のエラー
[付録]間違いやすい薬
さくいん
薬剤さくいん
第1章 薬が作用するしくみ
薬と受容体
薬の血中濃度
薬の投与方法
Coffee Break ■血清アルブミンと薬の結合 ■アルコールと薬 ■主作用・副作用・有害事象
第2章 自律神経
交感神経と副交感神経
交感神経作動薬
α作用とβ作用
交感神経遮断薬
副交感神経作動薬
抗コリン薬
コリンエステラーゼ阻害薬と筋弛緩薬
Coffee Break ■救急時のカテコールアミン
第3章 アレルギー
プロスタグランジン
ヒスタミンとセロトニン
抗アレルギー薬
Coffee Break ■第一世代と第二世代の抗ヒスタミン薬 ■アナフィラキシー
第4章 炎症
炎症と糖質コルチコイド
副腎皮質ステロイド薬
副腎皮質ステロイド薬の種類
副腎皮質ステロイド薬の副作用
非ステロイド性抗炎症薬の作用
非ステロイド性抗炎症薬の種類
非ステロイド性抗炎症薬の副作用
抗リウマチ薬
免疫抑制薬
Coffee Break ■バファリン® 配合錠A330の成分 ■ヒドロキシクロロキン(プラケニル®)
第5章 血液
鉄欠乏性貧血
その他の貧血
血液凝固
抗凝固薬
輸血
Coffee Break ■外科領域の止血薬
第6章 輸液
水分と電解質
輸液
TPN(中心静脈栄養法)
ビタミン
Coffee Break ■ショック ■ウェルニッケ-コルサコフ症候群
第7章 循環器
降圧薬
血管拡張薬
カルシウム拮抗薬
狭心症・心筋梗塞治療薬
心不全治療薬
抗不整脈薬
体液と利尿薬
利尿薬
Coffee Break ■カンフル注射 ■バイアグラ® 開発秘話
第8章 呼吸器
気管支喘息治療薬(発作時)
気管支喘息治療薬(非発作時),去痰薬
鎮咳・感冒薬
Coffee Break ■カゼと抗菌薬 ■アルカロイド ■テオフィリンとアミノフィリン
第9章 消化器
胃液分泌のしくみ
消化性潰瘍治療薬
健胃・消化薬,制吐薬
下剤(瀉下薬)
止痢薬
肝疾患
その他の消化性疾患
Coffee Break ■消化器官と副交感神経 ■大腸憩室
第10章 代謝
糖尿病
インスリン製剤
経口血糖降下薬
痛風治療薬
抗脂質異常症(高脂血症)薬
骨粗鬆症薬
Coffee Break ■HbA1cの基準値 ■HbA1c・血中尿酸の値と体温の値
第11章 内分泌
甲状腺ホルモン製剤
女性ホルモン
女性ホルモン製剤
妊娠・分娩
妊娠中の薬剤投与
Coffee Break ■月経と生理 ■プラセボ
第12章 中枢神経系
脳のニューロン
パーキンソン病
パーキンソン病治療薬
抗不安薬
睡眠薬
抗精神病薬
抗うつ薬
抗てんかん薬
Coffee Break ■フェニトインの血中濃度
第13章 麻酔
麻薬性鎮痛薬
非合法麻薬
全身麻酔(1) 吸入麻酔薬
全身麻酔(2) 静脈麻酔薬
局所麻酔薬
硬膜外麻酔と脊椎麻酔
特殊な鎮痛薬
Coffee Break ■薬物依存 ■ボンベと配管の色
第14章 抗菌薬
細菌
抗菌薬の種類
抗菌薬(1)
抗菌薬(2)
抗菌薬(3)
抗真菌薬・耐性菌(MRSA)
抗ウイルス薬・日和見感染
Coffee Break ■抗菌薬の歴史
第15章 抗癌薬
代謝拮抗薬
DNA複製阻害薬
微小管阻害薬,ホルモン製剤
抗癌薬の副作用と投与法
Coffee Break ■抗癌薬の投与例 ■毒ガスとアルキル化薬 ■分子標的治療薬 ■サリドマイド
第16章 特殊な薬
散瞳薬・縮瞳薬
緑内障治療薬
皮膚科用薬
解毒薬
予防接種
漢方薬
X線造影剤
消毒薬
Coffee Break ■プリオンの滅菌
第17章 薬の処方と管理
処方箋
薬の定義
薬の保管
Coffee Break ■薬の化学名,一般名,商品名 ■第Ⅰ相試験,第Ⅱ相試験,第Ⅲ相試験
第18章 与薬エラー
よくある与薬エラー
薬剤の取り違えエラー
与薬方法のエラー
[付録]間違いやすい薬
さくいん
薬剤さくいん