基礎看護[3] 第14版
臨床看護概論

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本書は、対象を健康障害のある人々(患者)にしぼり、患者とそれを支える家族が身体的・精神的・社会的にどのような状況におかれ、どのような援助を必要とするようになるのかを、医療および看護の視点から多角的に学習することを目的にしています。 (1)看護の対象としての患者と家族、(2)疾病の経過、(3)受療の場、(4)患者の示す症状、(5)行われる治療・処置、の5つの側面から臨床看護に必要な基本的知識を得られるように構成してあります。 今回の改訂から全面カラー化し、図・表を多用することで、臨床看護の具体的な内容をより理解できるよう工夫をこらしました。
シリーズ 新看護学 8
執筆 小林 佳郎 / 杉本 龍子 / 鈴木 喜代子 / 野中 廣志
発行 2013年01月判型:B5頁:256
ISBN 978-4-260-01571-4
定価 2,420円 (本体2,200円+税)
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はしがき

学習にあたって
 みなさんはこれまで,「看護概論」と「基礎看護技術」の学習を通して,看護がどのようなもので,どのようにして行われなければならないか,つまり看護の概念(目的・対象・機能)と方法について,基本的なことを学んできた。ここで学習した内容は,健康・不健康を問わず,健康上の援助を必要とするあらゆる人々に対して,専門的に看護を行う者に等しく必要とされる知識・技術であり,看護者としての主体的なあり方である。
 本書「臨床看護概論」では,これらの学習をもとに,対象を健康障害のある人々(患者)にしぼり,患者とそれを支える家族が身体的・精神的・社会的にどのような状況におかれ,どのような援助を必要とするようになるかを,医療および看護の視点から多角的に学習する。すなわち,(1)看護の対象としての患者と家族,(2)疾病の経過,(3)受療の場,(4)患者の示す症状,(5)行われる治療処置,という5つの側面から臨床看護に必要な基本的知識を得ることを目的としている。
 これら臨床看護の詳細については,「成人看護」「老年看護」「母子看護」「精神看護」で順次学習するので,ここでは,これらの学習に必要な基本的な事項を総合的に学習し,次の臨床看護の学習に応用できるようにすることが重要である。

本書の構成と改訂の趣旨
 准看護師にとって重要な臨床看護への理解を深めるために,本書では次のような構成をとるとともに,具体的なイメージがつかめるよう事例を交えて解説した。各章で学ぶ学習の要点は次のとおりである。
 第1章「患者と家族の理解」では,病院に入院し,患者となって生活する人々に共通するいくつかの問題を取り上げ,対象である患者と家族への理解を深める。近年の医療を取り巻く環境の変化は著しいものがある。その変化をとらえたうえで,患者となって味わう苦痛や不安とその背景にあるもの,またそれがどのような葛藤とともに行動としてあらわれてくるかを知る。次に,それぞれのライフステージにおいて,どのような健康上の問題がおこってくるかを学ぶ。
 そして患者にとって家族とはなにか,また家族関係の変化と多様化について学び,入院患者をかかえることによって家族はどのような状態になるか,患者の安楽や回復に家族がどのような役割を果たしているかを理解する。
 第2章「疾病の経過と患者の看護」では,疾病の経過を4つの経過概念,すなわち急性期・慢性期・回復期・終末期という観点で学ぶ。そして各期における患者・家族の特徴的な状況と代表的な治療処置を理解したうえで,疾病の経過にそった看護のポイントを学習する。なお,回復期患者の看護ではおもにリハビリテーション看護について学習する。
 第3章「さまざまな場における看護」では,病院における外来看護の役割と,入院および退院時の看護について基本的なことを学習する。そのうえで施設から在宅へ療養の場が拡大していることから,継続看護では在宅看護の基礎についても学習する。
 第4章「主要な症状を示す患者の看護」では,症状・機能障害という観点から病態をとらえ,それに対する看護を学習する。ここで学習する症状は,人間の生命維持と人間としての存在にかかわる主要症状である。
 第5章および第6章「治療・処置別看護」では,健康障害に対して最もよく用いられる治療法を内科的治療と外科的治療に大別し,各治療法の意義と概要・処置を受ける患者の看護・検査を受ける患者の看護について学習する。
 また,全ページをカラー化し,写真やイラストを多く取り入れることで理解の助けになるよう工夫をこらした。
 2002(平成14)年改正された新カリキュラムでは,准看護師の資質の向上を目標に,「基礎看護」「成人看護」「老年看護」の時間数が増加し,「精神看護」が新たに加えられた。これらの科目の基礎となる本教科で,看護の基盤となる事項を確実に学んでほしい。
 なお,文中では表現の煩雑さを避けるため,特定の場合を除いて看護師・准看護師に共通する事項は「看護師」として表現し,准看護師のみをさす場合には「准看護師」として示した。あらかじめご了解をいただきたい。
 今後とも准看護師教育の向上・発展を願い,有用な使いやすいテキストとしていきたい。意は尽くしたつもりではあるが,まだまだ不十分な点やわかりにくい点もあるかと考える。読者および有識者のみなさんの率直なご意見をお寄せいただければ幸いである。
 2012年12月
 著者ら

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第1章 患者と家族の理解 (杉本龍子)
 A.医療を取り巻く環境の変化
 B.患者に共通する状況の理解
 C.各ライフステージにおける健康問題
 D.家族の理解
 E.家族と患者の心理的・社会的背景の理解
第2章 疾病の経過と患者の看護 (杉本龍子・鈴木喜代子)
 A.急性期の患者の看護
 B.慢性期の患者の看護
 C.回復期・リハビリテーション期の患者の看護
 D.終末期の患者の看護
第3章 さまざまな場における看護 (杉本龍子)
 A.外来における看護
 B.入退院時の患者の看護
 C.継続看護
 D.在宅看護
第4章 主要な症状を示す患者の看護 (鈴木喜代子・杉本龍子・野中廣志)
 A.全身症状を示す患者の看護
 B.呼吸器症状を示す患者の看護
 C.循環器症状を示す患者の看護
 D.消化器症状を示す患者の看護
 E.腎・泌尿器症状を示す患者の看護
 F.脳・神経症状を示す患者の看護
 G.精神症状を示す患者の看護
第5章 内科的治療・処置を受ける患者の看護 (野中廣志)
 A.安静療法を受ける患者の看護
 B.食事療法を受ける患者の看護
 C.薬物療法を受ける患者の看護
 D.輸液療法を受ける患者の看護
 E.放射線療法を受ける患者の看護
 F.精神療法を受ける患者の看護
 G.救急処置を受ける患者の看護
 H.集中治療を受ける患者の看護
 I.検査を受ける患者の看護
 J.運動療法を受ける患者の看護
 K.透析療法を受ける患者の看護
第6章 外科的治療・処置を受ける患者の看護 (杉本龍子・小林佳郎)
 A.外科的治療の意義
 B.麻酔とその介助
 C.術前の患者の看護
 D.手術室における患者の看護
 E.術後の患者の看護
 F.内視鏡下手術時の患者の看護
 G.人工臓器と看護

 さくいん

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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