看護データブック 第4版

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本書は、看護に必要な検査値やアセスメント指標、病期分類等、あらゆるデータをまとめている。データを示すだけでなく、それに関する判断の基準や関連事項、解釈を加えている。臨地実習や国家試験に際して参考になる1冊。第4版では、必要なデータに絞り込んで、できる限り新しいデータを揃えている。
編集 神田 清子
発行 2012年03月判型:B6頁:392
ISBN 978-4-260-01500-4
定価 1,980円 (本体1,800円+税)
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第4版の序

 現在の医療は検査データなしでは存在しません.対象者の健康状況や病状のコントロール状況を判断するには,検査データは重要な情報です.
 看護においてもデータを読み解くことは,Evidence-Based Nursing(EBN:科学的根拠に基づいた看護実践)や適切な支援を行うための第一歩です.
 診断や検査技術の進歩はめざましく,医療の分野において新しいガイドラインや検査法が導入され,基準データが改訂されています.また,国民のニーズを反映し,医療システムも変化してきています.
 これらに対応できるよう今回,改訂を行いました.改訂にあたっては,著者の変更がありましたが本書の良さをそのまま生かしながら,次の2点に重点をおき改訂を行いました.
 1点目としては,新しい診断基準やガイドラインを活用し,新しいデータに刷新することで,根拠に基づいた看護支援が展開できるように導いています.
 2点目としては,看護学生が理論的基盤に立ち判断ができるように,必要なデータに絞りわかりやすく解説をしました.このことにより講義・演習はもちろんですが,臨床実習など必要なときにいつでも活用できるようにしました.
 また,本書の良さは,検査データの基準値を示すだけでなく,判断の基準と関連事項が記述されていることです.著者らの長年の臨床経験を生かした視点に基づき,検査に必要な対象者への説明,基準値を外れた対象者に必要な看護の基本,他の関連する検査データなどが関連事項に示してあることです.このため,本書1冊で基本的な看護支援ができるように書かれています.
 さらに,データを読み解く根拠も記載されておりますので,学生だけでなく臨床に出てからも「ちょっとわからない」,「このデータをどう判断するのか」と迷ったときに道しるべとなる本であると考えております.多くの方にご活用いただけることを願っています.
 不十分な点は,今後,読者の皆様のご意見,ご指導をいただきさらに充実させたいと思っております.
 最後に,改訂にあたり辛抱強く見守り地道な作業を続けてくださった医学書院の藤居尚子氏と長友裕輝氏に御礼を申し上げます.

 2012年2月吉日
 群馬大学大学院保健学研究科 神田清子

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基礎看護学に関するデータ
 I 生活行動の援助に関するデータ
 II 診療の介助に関するデータ
成人看護学に関するデータ
 I 呼吸器に関するデータ
 II 循環器に関するデータ
 III 血液・造血器に関するデータ
 IV 消化器に関するデータ
 V 内分泌・代謝に関するデータ
 VI 脳・神経に関するデータ
 VII 腎・泌尿器に関するデータ
 VIII 女性生殖器に関するデータ
 IX 運動器に関するデータ
 X アレルギー・膠原病・感染症に関するデータ
 XI がんに関するデータ
 XII 皮膚に関するデータ
 XIII 眼に関するデータ
 XIV 耳鼻咽喉に関するデータ
 XV 歯・口腔に関するデータ
精神看護学に関するデータ
老年看護学に関するデータ
小児看護学に関するデータ
 I 小児の成長・発達に関するデータ
 II 小児の生理に関するデータ
 III 小児の生活に関するデータ
 IV 小児の疾患や症状に関するデータ
母性看護学に関するデータ
 I 妊娠期の身体的特性に関するデータ
 II 妊娠期診察と保健に関するデータ
 III 妊娠と胎児発育に関するデータ
 IV 分娩期に関するデータ
 V 産褥期に関するデータ
 VI 新生児に関するデータ
在宅看護学に関するデータ
リハビリテーション看護学に関するデータ
周手術期看護に関するデータ
救急看護学に関するデータ
保健・医療に関するデータ
 I 人口に関するデータ
 II 世帯と世帯人員に関するデータ
 III 人口動態に関するデータ
 IV その他のデータ

索引

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看護実践を生み出すために必要な「看護データ」のエッセンスの集約
書評者: 荒尾 晴惠 (阪大大学院教授/看護実践開発科学講座)
 看護師は,日常の臨床で対象の疾患や症状を理解する際の看護情報の一つとして検査データを用いている。看護情報として得た検査データについて看護師は判断をし,さまざまな看護活動を開始する。検査データは日々の看護と深くかかわっている。

 本書は,看護実践を行うに当たり,看護師が知っておく必要のある検査データが領域ごとに記載してあり,とても見やすい構成になっている。また,基準値の記載のみでなく,データを判断する際の基準とデータに関連した事項が記載されている。そのため,検査データが意味することがすぐにわかり,看護師の判断に役立つ構成になっている。また,基準値を外れた対象者への看護を検討するために必要な事柄も一緒に簡潔にまとめてあり,対象にどのような看護を提供すればよいかを看護師自身が考える際に活用できるようになっている。

 検査データをどう読み解くか,それは,対象をどう理解するかの思考の訓練である。検査データを基に患者を理解する際には対象の身体を深く理解しフィジカルアセスメントに関する知識も持ち合わせることが必要である。本書では必要に応じて解剖図などを示すことでより理解が深まる構成になっている。また,対象の看護を行うに当たり,患者の状態を把握することは重要であり,そのために各領域で必要な疾患の重症度などの分類,判定基準,指標,尺度なども記載がある。さらに,身体の理解のみではなく,対象が置かれている状況や生活を理解するための制度やしくみについての記載もあり,対象理解に必要な事柄のエッセンスが詰まっている。

 本書を手に取り,看護師は本書にあるような多くの内容を「看護データ」として看護師自身の頭の中で読み解き,ケアを生み出しているのだとあらためて感じた。

 このように複雑な「看護データ」は,検査データをはじめとして,さまざまな診断基準やガイドライン,患者を理解するために必要な社会的なしくみなどは,看護を提供する対象を理解するために必要な事柄である。しかし,看護の初学者にとっては系統的なデータ収集が難しいであろう。そのため,「看護データ」を簡潔にまとめた本書は,臨床実習に臨んでいる看護学生や新人の看護師が対象を理解するために活用できる有用な一冊である。

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