標準精神医学 第5版

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「精神医学の面白さが分かる!」と好評を博している医学生向け教科書の改訂第5版。第一線の編集、執筆陣により、精神医学の「現在のスタンダード」がやさしく示されている。今版から各章冒頭に「構成マップ」が掲載され、その章で学ぶべきこと、重要事項のまとめが俯瞰できる。重要箇所が太字で明示された本文紙面や充実した付録・コラムなどは前版を踏襲し、日々の学習も試験対策もこれ1冊で万全。
シリーズ 標準医学
編集 野村 総一郎 / 樋口 輝彦 / 尾崎 紀夫 / 朝田 隆
発行 2012年03月判型:B5頁:560
ISBN 978-4-260-01407-6
定価 7,150円 (本体6,500円+税)
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第5版 序

 2011年3月未曾有の大災害がわが国を襲い,筆舌に尽くしがたい災忌をもたらした.その影響はいろいろな分野に及んでいるが,このような時にあって精神医学は何ができるかにも,思いを致さざるをえない.災害は物質的,肉体的のみならず,心の問題にも大きな波紋を引き起こすからである.ここで「今こそ標準的な精神医学の教科書が必要だ」と言えば,牽強付会に聞こえるかもしれない.しかし,わが国の重点的対策に精神疾患が加えられ「5疾病」となる今,進展の著しい先端科学を取り込み,厚みを増した精神医学の全体像を知るためには,確かな時代の標準を示すテキストが必要なことは間違いないであろう.
 本書第2版は「21世紀は心の時代」と言われて今世紀が幕を開けた次の年,2001年に発刊されたが,それから11年,当初とはやや違った意味合いで心の問題が脚光を浴び,精神医学の重みも増しているように思える.すなわち,物質文明から心を重視するゆとりの時代の科学ではなく,不安定さを増す世界,傷つきがちな人々の心に対応するための方法論が試されているかのごとくである.そこではテクノロジーの枠にとどまらない総合力が要求されている.本書はそのような要請に応えることを常に目途としてきた.一定期間ごとの改訂を行ってきたのもそれゆえである.今回は3年ぶりに中規模の改訂を行うこととなった.上述の時代的要請のみならず,診断基準の変更や新薬の登場など新たな動向にキャッチアップし,医師国家試験において精神医学科目の重みが増しているように思えることに対応し,また読者からの声なども反映させたものである.具体的には,以下のような点を改訂した.
・編者に朝田隆が新たに加わった.編者も徐々に若返りを図るという意図も含まれている.
・各章の初めに「その章で何を学ぶか」を示し,重要なポイントをまとめた「構成マップ」を加えた.親しみやすさをねらって,若干の図表を本文から引用した.第4版までにあった「重要事項のまとめ」が羅列的であり,やや学習しにくいという声に応えたものである.
・初学者には精神障害の具体的な病像がイメージしにくいという声があり,代表的な精神障害の説明に具体的な症例の描写を加えた(当然ながら個人情報を考慮して,実際の症例ではなく,典型的症例を創作して示してある).
・付録「医師国家試験問題解説」の部分では,105回(平成23年)までの問題を新たに加えた.
 本書は,今後とも3年に1回を目安とした改訂を行い,常に最新情報へのアップデートを目指したい.読者の皆様からのご意見がいただければ幸いである.

 2012年初春
 編者

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総論
 第1章 精神医学とは
  I 精神医学とは何か
  II 異常と正常
  III 精神医学の方法論
  IV 精神医学の歴史
  V 精神疾患の分類と診断
  VI 精神医学の神経科学的基礎
 第2章 精神機能とその異常
  I 意識
  II 知覚
  III 記憶
  IV 見当識
  V 睡眠
  VI 知能
  VII 言語
  VIII 思考
  IX 感情
  X 意志,欲動,行動
  XI 自我意識
  XII 人格(パーソナリティ),性格
 第3章 精神発達
 第4章 精神医学的診察と診断
  I 面接法
  II 検査法
 第5章 精神科治療学
  I 身体療法
  II 薬物療法
  III 精神療法
 第6章 コンサルテーション・リエゾン精神医学
  I 概念
  II CLPの主な対象
  III CLPの周辺領域
  IV CLPの今後
 第7章 精神医療と社会
  I 精神保健福祉法
  II 地域精神医療
  III 司法精神医学
  IV 精神保健

各論
 第8章 神経症性障害と心身症
  I 神経症性障害
  II 心身症
 第9章 パーソナリティ障害と行動異常
  I パーソナリティ障害
  II 行動異常
 第10章 ストレス反応と適応障害,反応性精神病
  I ストレス反応と適応障害
  II 反応性精神病
 第11章 統合失調症
 第12章 気分障害
 第13章 児童・青年期の精神疾患
  I 児童期
  II 青年期
 第14章 認知症
  I 総論
  II 各論
 第15章 器質性精神障害
 第16章 症状性精神障害と化学物質中毒などによる精神障害
  I 症状性精神障害
  II 化学物質中毒などによる精神障害
 第17章 睡眠覚醒障害
 第18章 てんかん
 第19章 精神作用物質使用に伴う精神および行動の障害
  I 概念
  II 各論

付録
 1 精神科臨床実習の手引き
 2 医師国家試験精神科関連問題解説
  I 必修の基本的事項
  II 医学総論
  III 医学各論

資料
 1 医師国家試験出題基準(平成21年版)
 2 医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成22年度改訂版)

人名索引
和文索引
欧文索引

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