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小児尿路感染症の外来診療マスターブック

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こどもの診療に関わるすべての臨床医に向けて,尿路感染症の取り扱い方が大きく変わってきたこと,診断・治療法の現状と問題点を明らかにして適切な外来診療のガイドラインを提示する書。臨床医学の第一人者(マスター)が単独執筆し,新しい領域を開拓するMeet the Master Clinicianシリーズ第一弾。
平岡 政弘
発行 2003年08月判型:A5頁:164
ISBN 978-4-260-11921-4
定価 3,850円 (本体3,500円+税)
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  • 目次
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 Introduction 本書を読む人々のために
第1章 Master Lecture
第2章 小児尿路感染症の診療の現状と問題点
第3章 小児尿路感染症の診断・治療法
第4章 小児尿路感染症のリスクファクターと腎尿路異常の診断
第5章 小児尿路感染症の再発防止法
終章 乳幼児尿路感染症の外来診療の指針
 文献
 索引

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小児腎臓病の豊富な臨床経験から生まれた信頼できる指南書
書評者: 五十嵐 隆 (東京大教授・小児医学)
◆小児の慢性腎不全防止には,上部尿路感染症の正しい診断が重要

 乳幼児の発熱時には咽頭,内耳,尿を診るのが小児科医の鉄則です。そのなかで最も診断が難しいのが上部尿路感染症による発熱です。臨床所見だけで上部尿路感染症の診断はできません。そこで,小児科医は尿沈渣中の白血球数や細菌を調べたり,尿中の細菌を定量培養したり,血液中の白血球数,核の左方移動,CRPなどを参考にして,上部尿路感染症を総合的に診断しています。しかし,乳幼児から細菌汚染がない状態で採尿するのは至難の技ですし,尿中細菌の定量培養の診断基準も一種の取り決めです。このように,上部尿路感染症の診断法は標準化ができにくい状況にあります。わが国では現在小児期に末期腎不全になる原因の一位を占めるのは腎炎ではなく,先天性腎尿路異常症です。しばしば先天性腎尿路異常症は上部尿路感染症を契機に診断されるため,外来で上部尿路感染症を正しく診断し治療することが,慢性腎不全の防止を目的とする上で極めて重要です。

◆標準化の難しい上部尿路感染症の診断・治療のノウハウを紹介

 本書では,診断が難しい上部尿路感染症を簡単な方法で正しく診断し,治療するための知識とノウハウが,たくさんの写真や図を用いて,わかりやすく紹介されています。特に,尿中細菌の定量法としてKoba Slide 10Gを用いた診断法の有用性が強調されています。できるだけ発症早期に急性腎盂腎炎を診断したいのは,急性腎盂腎炎を発症24時間以内に診断し正しく治療すれば感染による腎障害を起こすことが少ないという著者らが明らかにしたエビデンスに由来します。また,少し熟練を要しますが,超音波装置を上手に利用すれば,臨床上問題となるIII度以上の膀胱尿管逆流の診断も困難でないことも述べられています。

 本書は,小児腎臓病の豊富な臨床経験とそこから得た多数の貴重なエビデンスを世界に発信してこられた平岡先生がお書きになった,最も信頼性の高い小児尿路感染症の臨床に関する指南書であり,自信を持ってお勧めしたいと思います。

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