はじめよう臨床医にできる子育てサポート21
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開く
ベストプラクティス
「子育てサポート」を会得するための道しるべ
子育てサポート
1 臨床医の基本的態度
2 臨床医に「子育てサポート」はなぜ必要か?
3 父親・家族に子育て参加を要請してみよう
4 地域に出て活動してみよう
5 「子育てサポート」の援助ツール
6 出生前育児指導-プレネイタルビジット
7 乳幼児健診を上手に利用する
8 ことばの発達へのサポート
9 心の発達へのサポート
10 食事・間食に関するサポート
11 乳幼児の睡眠に関するサポート
12 排泄に関するサポート
13 遊び・絵本に関するサポート
14 くせ・性格に関するサポート
15 皮膚のトラブルに関するサポート
16 性器のトラブルに関するサポート
17 アレルギーに関するサポート
18 発熱・病気に対する心構えを伝える
19 予防接種の計画と予防接種を受けやすくするためのサポート
20 こどもの安全をサポートする
21 こどもの外出・旅行に関するサポート
「子育てサポート」を会得するための道しるべ
子育てサポート
1 臨床医の基本的態度
2 臨床医に「子育てサポート」はなぜ必要か?
3 父親・家族に子育て参加を要請してみよう
4 地域に出て活動してみよう
5 「子育てサポート」の援助ツール
6 出生前育児指導-プレネイタルビジット
7 乳幼児健診を上手に利用する
8 ことばの発達へのサポート
9 心の発達へのサポート
10 食事・間食に関するサポート
11 乳幼児の睡眠に関するサポート
12 排泄に関するサポート
13 遊び・絵本に関するサポート
14 くせ・性格に関するサポート
15 皮膚のトラブルに関するサポート
16 性器のトラブルに関するサポート
17 アレルギーに関するサポート
18 発熱・病気に対する心構えを伝える
19 予防接種の計画と予防接種を受けやすくするためのサポート
20 こどもの安全をサポートする
21 こどもの外出・旅行に関するサポート
書評
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今,小児医療に燃える著者らの緊急子育て指針
書評者: 成島 澄子 (静岡県立こども病院看護部長)
◆何より求められる子育てサポートマインド
本書は,小児医療に燃える23名の先生方による12の子育てサポートの道しるべと,21のトピックスへのアドバイスで構成されている。私たちが日常的に出会っている事柄として,「フンフン納得」という構成である。そのコンセプトは,「基礎知識」,「子育てサポートマインドで日常診療を変える」,「子育てサポートの知識・技能を見直す」,「Case」,「Caseの教訓」,「Note」,「メールアドバイス」である。
最近某テレビ番組は,「子育てママの『叫び』13万件のメールから」を放送していた。公園デビューさえメールにて確認し,登場の日を決めている母親の姿が印象的であった。
ここに執筆されている先生方は,それらの親の「不安や緊張をやわらげる方法」を説いている。子どもの健康生活についての基礎的知識・技能として身につけておかなければならないマインドを,心憎いばかりに言い当てている。
子育て支援は,小児内科の医師のみでなく,小児を対象として関わるすべての専門医にも必須である。
小児医療は,このプライマリケアから始まる。専門病院で研修する者も看護大学で学ぶ者も,この書をサブテキストとして活用されたい。小児の日常の臨床に慣らされている者にとっては,ことさら有用である。何となれば,曖昧であった知識・技術を効率よく整理できる構成になっているからである。
◆子育ての知恵は,おばあちゃんからメル友へ
この書を手にした者は,小児医療の道をめざすだろう。そして,健康な日本社会は,この子育てから生まれると説くことになるだろう。この子育てマインドは,万人の心を平穏にしてくれる。母親のする看護も専門職がする看護も原点は,この「子育てマインド」にあるといえる。核家族化,また自分の親には余分な心配をかけたくない,親が教えることは「古い」等々と。今や,おばあちゃんの智恵からメル友の知恵に代わろうとしている。本書の中には,サポーターのアドレスも明記されている。
本院の院長は,「ジュニアレジデントにテキストとしてぜひ携帯させたい」と,本書を推薦している。
子育てサポートマインドを持って診療にあたるヒント満載
書評者: 安次嶺 馨 (沖縄県立中部病院副院長・小児科)
臨床の第一線ですぐに役立つ《総合診療ブックス》シリーズに,新たな本が加わった。シリーズ15冊目であるが,小児科関連では4冊目で,『はじめよう 臨床医にできる子育てサポート21』というユニークなタイトルの本である。編集者は山中龍宏,内海裕美,横田俊一郎の3氏で,いずれも小児科診療の第一線で活躍する著名な小児科医である。
「出生前育児指導―プレネイタルビジット」,「ことばの発達へのサポート」,「乳幼児の睡眠に関するサポート」など21のトピックスについて,外来小児科学会などで活躍する気鋭の書き手たちが,豊かな経験から編み出した子育てサポートについて述べている。
各項目の見開き頁には,執筆者の紹介と診療風景の写真がのせてある。年代記述式の略歴とパスポート用の写真という一般の紹介の仕方に比べて親しみを感じさせ,執筆者の素顔の見えるレイアウトになっている。
各項目は,冒頭に「子育てサポートマインドで日常診療を変える」,「子育てサポートの知識・技能を見直す」という共通項に要点を箇条書きで示す。ついで,関連するケースを1―2例提示し,そのテーマについて解説する。さらに「ケースの教訓」で,執筆者が事例にどのようにかかわったか,具体的な対応について学ぶことができる。
◆個性が強くにじみ人生観も投影された豊かな内容
記述はきわめて平易で,看護師や保育士,また医学生や看護学生にも十分理解できる。しかも,執筆者の個性が強くにじんでいて,1人ひとりの小児科医の人生観が投影されている。経験の浅い若い人には,先輩のアプローチを学ぶ書であり,経験豊かな小児科医には,自分とは異なる他の医師の手法が参考になるであろう。
急性期医療,専門医療に多忙な小児科医にとっても,小児医療の原点とも言える子どもとその生育環境に思いをいたす格好の書であり,小児医療に従事するすべての職種の方々に,ぜひ,読んでいただきたい本である。
今こそ求められる小児科医のアイデンティティ
書評者: 横田 俊平 (横市大教授・小児科学)
◆「子育てサポート」マインドを持って診療にあたる
今,小児科医のアンデンティティが求められている。医療は人の生死にかかわり,健康の保持にかかわる技術であるとすれば,社会が共有する重要な財産であると言える。そうであれば,子どもにかかわる小児科は,何にもまして社会の中でその技術を生かし,子どもにかかわる社会の動きを汲み取り,子どもの発育を支えるものであるべきで,小児科医の役割とは子どもの代弁者(アドヴォカシー)として社会に発言していくと同時に,子どもを取り囲む環境の改善に取り組むことにある。
子どもの第一の身近な環境は,両親であり家族である。妹弟の面倒をみることなく少子化時代に育った子どもがすでに親になり,腕に抱いた子どもがはじめて抱いた子どもという時代にあって,親が子育てに戸惑っている。人が育つのは,人との関係の中においてのみであることを知っている小児科医は,子育ての現場に踏み込んで戸惑う親を支える役割を担うことになる。子どもに寄り添い,そして親に寄り添う。子育てサポートは,小児科医が小児科医であることを自己認識する契機でもある。
◆豊穣な香りを散りばめた内容
しかし,子育てに黄金律はない。本書はこの原則に立って,経験深い著者たちのその濃厚な抽出物を豊穣な香りとともに散りばめたものである。本書の特徴は,それぞれの著者の生活に密着した思考の柔らかさ,著者たちのふだんの顔がみえるところにある。生活とは,毎日の工夫である。もっと父親が子育てに参加するにはどうしたらよいか。お腹の赤ちゃんもすでにお母さんと会話を始めているはずだ,ならば産院へ出かけていって妊婦さんの心配に耳を傾けよう(プレネイタルヴィジット)。乳幼児健診こそ子育てサポートのよい機会である,ことばの発達は? こころの発達は? 離乳食は? おむつは? 親の心配はつきず,著者たちの研究もつきるところを知らない。
著者たちは,決して高見から言葉を発しない。子どもの観察から自分の工夫を形にし,その形にさらに工夫を加える。「そうか」と納得し,それでは自分もやってみよう,と必ずや心動かされる工夫があちこちにみえるだろう。特に若い小児科医に本書を推したい。そして自分自身の「子育てサポート集」を作ってもらいたいと思う。
書評者: 成島 澄子 (静岡県立こども病院看護部長)
◆何より求められる子育てサポートマインド
本書は,小児医療に燃える23名の先生方による12の子育てサポートの道しるべと,21のトピックスへのアドバイスで構成されている。私たちが日常的に出会っている事柄として,「フンフン納得」という構成である。そのコンセプトは,「基礎知識」,「子育てサポートマインドで日常診療を変える」,「子育てサポートの知識・技能を見直す」,「Case」,「Caseの教訓」,「Note」,「メールアドバイス」である。
最近某テレビ番組は,「子育てママの『叫び』13万件のメールから」を放送していた。公園デビューさえメールにて確認し,登場の日を決めている母親の姿が印象的であった。
ここに執筆されている先生方は,それらの親の「不安や緊張をやわらげる方法」を説いている。子どもの健康生活についての基礎的知識・技能として身につけておかなければならないマインドを,心憎いばかりに言い当てている。
子育て支援は,小児内科の医師のみでなく,小児を対象として関わるすべての専門医にも必須である。
小児医療は,このプライマリケアから始まる。専門病院で研修する者も看護大学で学ぶ者も,この書をサブテキストとして活用されたい。小児の日常の臨床に慣らされている者にとっては,ことさら有用である。何となれば,曖昧であった知識・技術を効率よく整理できる構成になっているからである。
◆子育ての知恵は,おばあちゃんからメル友へ
この書を手にした者は,小児医療の道をめざすだろう。そして,健康な日本社会は,この子育てから生まれると説くことになるだろう。この子育てマインドは,万人の心を平穏にしてくれる。母親のする看護も専門職がする看護も原点は,この「子育てマインド」にあるといえる。核家族化,また自分の親には余分な心配をかけたくない,親が教えることは「古い」等々と。今や,おばあちゃんの智恵からメル友の知恵に代わろうとしている。本書の中には,サポーターのアドレスも明記されている。
本院の院長は,「ジュニアレジデントにテキストとしてぜひ携帯させたい」と,本書を推薦している。
子育てサポートマインドを持って診療にあたるヒント満載
書評者: 安次嶺 馨 (沖縄県立中部病院副院長・小児科)
臨床の第一線ですぐに役立つ《総合診療ブックス》シリーズに,新たな本が加わった。シリーズ15冊目であるが,小児科関連では4冊目で,『はじめよう 臨床医にできる子育てサポート21』というユニークなタイトルの本である。編集者は山中龍宏,内海裕美,横田俊一郎の3氏で,いずれも小児科診療の第一線で活躍する著名な小児科医である。
「出生前育児指導―プレネイタルビジット」,「ことばの発達へのサポート」,「乳幼児の睡眠に関するサポート」など21のトピックスについて,外来小児科学会などで活躍する気鋭の書き手たちが,豊かな経験から編み出した子育てサポートについて述べている。
各項目の見開き頁には,執筆者の紹介と診療風景の写真がのせてある。年代記述式の略歴とパスポート用の写真という一般の紹介の仕方に比べて親しみを感じさせ,執筆者の素顔の見えるレイアウトになっている。
各項目は,冒頭に「子育てサポートマインドで日常診療を変える」,「子育てサポートの知識・技能を見直す」という共通項に要点を箇条書きで示す。ついで,関連するケースを1―2例提示し,そのテーマについて解説する。さらに「ケースの教訓」で,執筆者が事例にどのようにかかわったか,具体的な対応について学ぶことができる。
◆個性が強くにじみ人生観も投影された豊かな内容
記述はきわめて平易で,看護師や保育士,また医学生や看護学生にも十分理解できる。しかも,執筆者の個性が強くにじんでいて,1人ひとりの小児科医の人生観が投影されている。経験の浅い若い人には,先輩のアプローチを学ぶ書であり,経験豊かな小児科医には,自分とは異なる他の医師の手法が参考になるであろう。
急性期医療,専門医療に多忙な小児科医にとっても,小児医療の原点とも言える子どもとその生育環境に思いをいたす格好の書であり,小児医療に従事するすべての職種の方々に,ぜひ,読んでいただきたい本である。
今こそ求められる小児科医のアイデンティティ
書評者: 横田 俊平 (横市大教授・小児科学)
◆「子育てサポート」マインドを持って診療にあたる
今,小児科医のアンデンティティが求められている。医療は人の生死にかかわり,健康の保持にかかわる技術であるとすれば,社会が共有する重要な財産であると言える。そうであれば,子どもにかかわる小児科は,何にもまして社会の中でその技術を生かし,子どもにかかわる社会の動きを汲み取り,子どもの発育を支えるものであるべきで,小児科医の役割とは子どもの代弁者(アドヴォカシー)として社会に発言していくと同時に,子どもを取り囲む環境の改善に取り組むことにある。
子どもの第一の身近な環境は,両親であり家族である。妹弟の面倒をみることなく少子化時代に育った子どもがすでに親になり,腕に抱いた子どもがはじめて抱いた子どもという時代にあって,親が子育てに戸惑っている。人が育つのは,人との関係の中においてのみであることを知っている小児科医は,子育ての現場に踏み込んで戸惑う親を支える役割を担うことになる。子どもに寄り添い,そして親に寄り添う。子育てサポートは,小児科医が小児科医であることを自己認識する契機でもある。
◆豊穣な香りを散りばめた内容
しかし,子育てに黄金律はない。本書はこの原則に立って,経験深い著者たちのその濃厚な抽出物を豊穣な香りとともに散りばめたものである。本書の特徴は,それぞれの著者の生活に密着した思考の柔らかさ,著者たちのふだんの顔がみえるところにある。生活とは,毎日の工夫である。もっと父親が子育てに参加するにはどうしたらよいか。お腹の赤ちゃんもすでにお母さんと会話を始めているはずだ,ならば産院へ出かけていって妊婦さんの心配に耳を傾けよう(プレネイタルヴィジット)。乳幼児健診こそ子育てサポートのよい機会である,ことばの発達は? こころの発達は? 離乳食は? おむつは? 親の心配はつきず,著者たちの研究もつきるところを知らない。
著者たちは,決して高見から言葉を発しない。子どもの観察から自分の工夫を形にし,その形にさらに工夫を加える。「そうか」と納得し,それでは自分もやってみよう,と必ずや心動かされる工夫があちこちにみえるだろう。特に若い小児科医に本書を推したい。そして自分自身の「子育てサポート集」を作ってもらいたいと思う。
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