保健医療福祉システム入門

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わが国の保健医療福祉システムの特色と,その歩んできた道を初学者にもわかるように解説。システムの現状の解説にとどまらず,どのような背景で誕生したのか,どのような意味があるのかがわかれば,システムの理解はむずかしくない。これから医療の世界で働こうとする人たちの要望に応える書。
田村 誠
発行 2004年12月判型:B5頁:164
ISBN 978-4-260-33380-1
定価 2,420円 (本体2,200円+税)

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  • 目次

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●第1章 保健医療福祉システム・概論

1.費用保障の仕組み

 なぜ本人が支払う仕組みになっていないのか=なぜ費用保障の仕組みがあるのか

 1) 貧困からの脱出が起源

 2) ニーズを予測し,準備することの困難さ

 3) 社会全体の利益

 4) 国家の責任

 費用保障制度に大きな影響を受ける保健医療福祉の現場

2.費用を抑制する圧力

 費用の増加状況

 費用保障制度があるため

 経済成長の鈍化

3.多くの規制の存在──質向上のために

 なぜ規制が必要なのか

 1) 影響の深刻さ

 2) 評価の難しさ

 規制の今後

4.公平性の重視

 なぜ公平性が重要か

5.利用者・患者主体への流れ

 1) 従来の保健医療福祉

 2) なぜ利用者・患者主体か

6.保健医療福祉の制度理解のポイント・視点

 5つのポイント・視点の関係

 多面的に制度をみられるように

●第2章 医療システム

1.医療の提供体制

 1. わが国の医療提供体制の歴史と特徴

  わが国の医療提供体制の主な特徴

  1) 民間(私的)病院の多さ

  2) 医療機関の未分化──同じような種類の医療機関が多い

  医療提供体制変革のこれまでの流れ

  1) 4度の医療法改正で目指されたこと──医療の質の向上

  2) 医療機関の役割分担(機能分化)

  3) 医療機関情報の適切な開示

 2. 医療機関の種類

  診療所と病院

  1) 診療所数は増加,病院数は減少

  2) 100床以上の病院数は増加

  3) 開業医の年齢層

  開設者別にみた病院数・病床数

  1) 公立・公的病院の位置づけの変化

  2) 国・地方自治体の財政悪化の影響

  特定の病院種類

  1) 特定機能病院

  2) 地域医療支援病院

 3. 病床(病院ベッド)の種類

  病床区分の考え方

  一般病床の概要

  療養病床の概要

  その他の病床(精神病床,感染症病床,結核病床)

  病床区分と診療報酬

  (病院による)病床の選択

 4. 医療従事者

  職種の種類

  各職種の現況

  1) 医師

  2) 看護職員

  3) 薬剤師

  病院における各職種の状況

  今後の課題

 5. 地域医療システム

  医療計画

  1) なぜ医療計画が必要になったか

  2) 医療計画の本音は

  3) 医療計画の内容

  4) 基準病床数の決め方

  5) 入院率の地域間格差

  6) 医療計画の課題

  7) 各都道府県の基準病床数と現在の病床数

  救急医療体制

  1) わが国の救急医療の歴史

  2) 二本立ての救急医療制度

  3) 「救急医療対策事業」の体系

  4) 救命救急センターとは

  5) プレホスピタルケアの充実

  6) 救急医療の課題

  地域医療連携

  1) 地域医療連携をすすめる取り組み

  2) 地域医療連携の問題・課題

 6. 診療・医療機関に関する情報

  診療・医療機関情報を取り巻く環境変化とその背景

  診療情報の開示

  1) カルテ開示の実態

  医療機関情報の開示

 7. 医療機能評価

  医療の「質」

  1) 質の3つの要素

  2) 質の3つの評価方法

  医療機能評価の実際

  1) 財団法人医療機能評価機構による病院評価

  2) ISO

  3) 医療評価の課題

 8. 医療提供体制の課題

  医療安全の向上

  1) 安全対策の考え方・方向性

  2) 医療安全対策検討会議

  IT化(情報技術)の推進

  1) 情報化に向けてのグランドデザイン

  2) IT促進のための施策

  医師の臨床研修必修化

  1) 研修プログラム

  2) 研修医の処遇

  3) 臨床研修病院

  4) マッチングシステム(研修病院と研修医の組み合わせ決定)

2.医療保障制度

 1. 公的医療保険の歴史

  1) 国民皆保険の創設

  2) 保険給付の充実

  3) 日本経済の低迷と医療費高騰

  4) 自己負担の拡大(給付率の低下)

 2. 公的医療保険の基本的な仕組み

  1) 保険とは

  2) 社会保険とは

  3) 保険の基本的な仕組み

  4) 公的医療保険における医療費の実際の流れ

  5) 医療機関からの医療費(診療報酬)の請求方法

 3. 公的医療保険の種類

  1) 被用者のための保険

  2) 自営業者や無職者向けの保険

  3) 保険の種類による違い

  4) なぜ,公的医療保険には多くの種類があるか

  5) 老人保健

 4. 自己負担

  1) 自己負担率(割合)

  2) 高額療養費

  3) 医療扶助制度

 5. 保険給付の種類・内容

 保険給付の種類

 診療報酬の概要

 診療報酬点数表の仕組み

  1) 基本診療料

  2) 特掲診療料

 特定療養費

 診療報酬の決定方法

  1) 中医協の構成

  2) 2年に1回の改定

 診療報酬による誘導

 6. 国民医療費

  1) 国民医療費の推移

  2) 医療費増加は問題か

  3) 近年の低成長経済と医療費上昇

  4) 諸外国との比較

  5) なぜ医療費は増えるのか

 7. 公的医療保険の課題と今後

 高齢者医療制度

  1) 独立型の高齢者医療制度

  2) リスク調整方式

 医療の質向上

  1) 手術の施設基準

  2) (財)日本医療機能評価機構などによる評価

  3) 看護師の専門の評価

 包括払い(定額払い)の拡大

  1) 包括払いの問題

  2) 包括払いと出来高払いの組み合わせ

●第3章 介護・福祉システム

1.介護

 1. なぜ介護保険ができたのか

  1) 家族にとっての介護問題の深刻さ

  2) 「保険」導入への期待

  3) 医療費抑制

 2. 介護保険の仕組み

  1) 介護保険の対象

  2) 要介護状態とは

  3) 利用できる介護サービス

  4) サービス計画(ケアプラン)

  5) 自己負担

  6) 介護保険の保険料

 3. 介護保険導入で何が変わったか

  1) 介護サービス量の増加

  2) 在宅サービスは十分であったか

  3) 新しい形態の介護サービスの出現・普及

  4) 利用者の評価

 4. 介護分野の今後の課題

  1) 介護サービスの質の向上

  2) サービス事業者の情報公開

  3) 介護給付の適正化

2.障害者福祉

 1. 障害とは

 2. 障害者福祉のこれまで

 障害者福祉の始まり

 施設整備を中心とした障害者福祉制度の展開

 障害者福祉制度の転換

 今後の障害者福祉

 3. 障害者福祉サービスの現状

 サービスの概要

 サービスの提供量

●第4章 保健・予防システム

1. 健康とは何か

2. 国民の健康状態の変化

 1) 日本の平均寿命は世界一

 2) 乳児死亡率の劇的な低下

 3) 死亡原因別にみると

 4) 平均寿命が延びた背景

3. 母子保健

 これまでの取り組み

 母子保健対策の現状

 母子保健対策の課題

4. 老人保健

 保健事業の概要

 1) 保健事業の種類

 2) 老人保健実施の背景

 3) 老人保健事業のインパクト・効果

 4) 老人保健事業の課題・重点実施事項

5. 精神保健

 これまでの取り組み

 精神保健対策の課題

6. 健康増進

 これまでの取り組み

 「健康日本21」(21世紀の国民健康づくり運動)

 健康増進法

資料

 医療提供体制の改革のビジョンについて

 医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本方針(骨る)

 2015年の高齢者介護~高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて~

コラム

 大病院とは

 医療機関の株式会社化

 外来分離

 セカンドオピニオンとは

 DPCとは何か

 なぜ2002年の診療報酬改定では減額されたか

 本当に保険である必要はあったのか

 民間医療機関主導の保健医療福祉複合体

 日本型福祉社会論とは

 障害者福祉の基本的思想

 QOL尺度

 健康寿命

 保健所と保健センター

 がん検診は有効か

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