フォローアップ検査ガイド
経過観察期・急性期・慢性期の検査指針
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確定診断後の患者フォローアップにおいて,適切な検査選択指標を提示。主要疾患の「治療効果判定」「副作用モニター」「合併症・臓器障害診断」「安定期・寛解期・回復期」に役立つ検査を具体的に詳解。また,急性期・慢性期に必要な検査の適正な測定頻度,意義,重要度の一覧表を掲載。初期診断からフォローアップ検査までをトータルにカバー。
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目次
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総論
呼吸器
循環器
消化管
肝胆膵
代謝・栄養
内分泌
血液・造血器
腎・尿路
神経
感染症
免疫・アレルギー・リウマチ
中毒
在宅医療
付録 検診・健康診断のフォローアップ検査
索引
略語一覧
呼吸器
循環器
消化管
肝胆膵
代謝・栄養
内分泌
血液・造血器
腎・尿路
神経
感染症
免疫・アレルギー・リウマチ
中毒
在宅医療
付録 検診・健康診断のフォローアップ検査
索引
略語一覧
書評
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検査の解説とともに,内科日常診療の真髄を示す教科書
書評者: 関原 久彦 (横浜市立大教授・第3内科)
◆大切な「プロセス」
長年内科医を務めさせていただいて,いつも感ずることであるが,日常診療において最も大切な点は,病歴と現症を詳細にとることであり,大抵の疾患は,これにより,およそその診断と治療の方向がわかるのではないかと思う。このプロセスを経た上で,必要な検査を行ない,診断を確定し,治療に入ることが重要である。
最初,本書のタイトル「フォローアップ検査ガイド」を拝見した時,「検査法の解説書だな」と感じたのであるが,一読して,「これは,すごい本だな」とびっくり。それは検査ガイドではあるが,各疾患について,医療面接,身体所見,一般検査のプロセスを示し,診断のための方向づけをした上で,確定診断のために必要な検査法を解説している。しかも,二ツ星,一ツ星と各検査の重要度を示しているし,治療後のフォローアップの手順についても,従来あまり取り上げられていない治療効果判定のために必要な検査や副作用の有無のチェックのための検査の項を設けて解説しており,各疾患について診療の全体像がよくまとめられている。一見,日常診療のプロセスを簡潔に記載している,ごく普通の教科書のようであるが,オーソドックスな内科の日常診療の真髄を何気なく示している点で,奥行きの深いすばらしい教科書である。是非,医学生の皆さん,研修医の皆さん,若い内科医の皆さんに読んでいただきたい本である。
◆受け継がれるオーソドックスな日常診療法
編集された北村聖,大西真,三村俊英先生は,私がまだ東京大学にお世話になっていた頃,入局して来られた先生方で,病棟で頑張っておられた姿が目に浮かぶ。内科医としての修羅場を通り抜けた先生方であり,その経験を通して,このようなすばらしいプランが出て来たのだと思う。執筆者のお名前を拝見しても,これからのわが国の内科を担ってゆく若い先生方である。最近の若い医師に対して,患者さんの顔を診ない医師やコンピューター画面ばかり見ている医師が多いとの批判もあるが,本書を読ませていただいて,オーソドックスな内科の日常診療法が若い世代に受け継がれていることにほっとした次第である。本書が,よい内科医をめざす皆さんの必読書になることを願うものである。
入院・外来患者の経過観察期における検査計画に最適の1冊
書評者: 北島 勲 (富山医薬大教授・臨床検査医学)
◆フォローアップ検査に焦点をあわせた初の企画
多くの疾患の診断や治療判定は臨床検査なしでは不可能である。しかし,医療経済の厳しさ,とりわけ保険制度の枠組みの中で,包括医療が進み,臨床検査の点数がいわゆる「マルメ」で計算されるようになったため,無駄のない有効な検査計画が必須である。特に臨床検査を多く利用する臨床医は,臨床検査の経済性を追求しながら,患者の病態把握に最適な臨床検査は何かを的確に把握する判断能力が要求される。このような医療情勢の下,的確な診断に至るまでのスクリーニング検査法から確定診断に至るまでの適切かつ効率のよい検査法や検査選択に関しては,良質の書籍・雑誌・電子媒体が入手できるようになってきた。しかし,適切な診断がついた後や,治療が行なわれた後,患者の経過観察,フォローアップにおける有効な検査の使い方を専門的に取り扱った書籍はいままで発行されたことはなかった。まず,フォローアップにおける検査の使い方に焦点を合わせた初めての企画であることが本書の最大の特徴である。
◆診療現場で使いやすい,整理された情報
本書は,日常臨床で多く遭遇する疾患を選別し,臓器別に取り上げている。まず,診断確定や病状判定に至る手順をフローチャートでわかりやすく表示している。次に診断確定後の入院・外来患者のフォローアップに必要となる検査として,(1)治療効果判定のための検査,(2)副作用モニターとしての検査,(3)合併症・臓器障害判定のための検査,(4)安定期の検査に関して,短い文章で平易に表記されている。特に必要な検査を急性期と慢性期に分け,検査すべき検査項目を★★(必須項目),★(重要検査),無印(状況・条件により必要な検査)と一目でわかるように表にまとめられている。
さらに患者の身体的負担や医療経済的な負担を考慮した測定頻度も記載されたことは,診療現場での活用にきわめて効果的であると考える。例えば,関節リウマチ(RA)の項目を読むと,診断基準に指定されている血清リウマトイド因子(RF)は日常診療で偽陽性が多いことはよく知られているが,RA以外の疾患ではRAHAが1,280倍以上の強陽性になることは少ないことや,血管炎合併RAでは力価が非常に高いことなど判定に苦慮する場合の情報が随所に記載されている。また,シェーグレン症候群の合併症では,尿pH測定による尿細管アシドーシスが1~2か月に1回検査する必要性や骨軟化症のチェックの必要性,安定期においてもB細胞性リンパ腫の高頻度合併フォローアップのため,血中M蛋白測定の重要性などが記載されている。
このように,フォローアップ時期に入ると検査がパターン化され,通院間隔も長くなってくるので,重要な合併症が見逃される危険性がある。フォローアップ期における合併症や薬物副作用の早期発見のためにも,是非診察室に置いていただきたい1冊である。
時代に求められる臨床検査ガイドの専門書
書評者: 長澤 俊彦 (杏林大学長)
◆従来のpitfallを埋める記述
このたび医学書院から北村聖,大西真,三村俊英の3先生の編集による「フォローアップ検査ガイド」が出版された。本書の総論で北村教授が述べておられるように臨床検査は1.健康診断,2.初期診断,3.確定診断,4.フォローアップの各段階に大別されるが,今までの臨床検査の専門書は1,2,3の記述が中心であり,4のフォローアップのための検査の記述はどちらかというと軽視されていた。本書はpitfallを埋めるべく,今までにないフォローアップのための検査を中心に記述された568ページよりなる臨床検査ガイドの専門書である。
本書の構成は臓器別に主要疾患(主として内科的疾患)を網羅してそれぞれの疾患について,I概念・確定診断・病状判定,IIフォローアップのための検査,III急性期・慢性期に必要な検査に分けて図と表をふんだんに使用してわかりやすく解説されている。特に本書の特徴であるフォローアップ検査については,(1)治療効果判定のための検査,(2)副作用モニターとしての検査,(3)合併症・臓器障害診断のための検査,(4)安定期・寛解期・回復期の検査,に項目立てしてある。
◆第一線の臨床医による執筆
執筆陣は臨床検査学の専門家よりは,各領域の経験豊かな第一線の内科を中心とする臨床医が選ばれており,検査技術の詳細を知るのではなく,状態に応じてどのような検査が必要であるのか,その選択と解釈を知ることに内容の力点が置かれていることも本書の特徴のひとつといえよう。
本書は臨床研修医には必須ともいえる専門書である一方,一般医家にとっては個々の症例,個々の疾患をフォローアップするときに検査に落ちのないよう辞書的に使用すると便利である。上級学年の医学生も検査の知識を整理するときに利用できる。
臨床検査学は言うまでもなく,日進月歩であるし,医療体制も大学病院における包括医療の導入など大幅な改革が実施されつつある時期である。このような時にこそ,適正なフォローアップ検査の実行がもっとも要求される。本書は改訂を重ねつつ,時代のニーズにあったフォローアップ検査を中心とする臨床検査ガイドの専門書として長くその地位を保つことを期待できる医学書のひとつと言うことができよう。
書評者: 関原 久彦 (横浜市立大教授・第3内科)
◆大切な「プロセス」
長年内科医を務めさせていただいて,いつも感ずることであるが,日常診療において最も大切な点は,病歴と現症を詳細にとることであり,大抵の疾患は,これにより,およそその診断と治療の方向がわかるのではないかと思う。このプロセスを経た上で,必要な検査を行ない,診断を確定し,治療に入ることが重要である。
最初,本書のタイトル「フォローアップ検査ガイド」を拝見した時,「検査法の解説書だな」と感じたのであるが,一読して,「これは,すごい本だな」とびっくり。それは検査ガイドではあるが,各疾患について,医療面接,身体所見,一般検査のプロセスを示し,診断のための方向づけをした上で,確定診断のために必要な検査法を解説している。しかも,二ツ星,一ツ星と各検査の重要度を示しているし,治療後のフォローアップの手順についても,従来あまり取り上げられていない治療効果判定のために必要な検査や副作用の有無のチェックのための検査の項を設けて解説しており,各疾患について診療の全体像がよくまとめられている。一見,日常診療のプロセスを簡潔に記載している,ごく普通の教科書のようであるが,オーソドックスな内科の日常診療の真髄を何気なく示している点で,奥行きの深いすばらしい教科書である。是非,医学生の皆さん,研修医の皆さん,若い内科医の皆さんに読んでいただきたい本である。
◆受け継がれるオーソドックスな日常診療法
編集された北村聖,大西真,三村俊英先生は,私がまだ東京大学にお世話になっていた頃,入局して来られた先生方で,病棟で頑張っておられた姿が目に浮かぶ。内科医としての修羅場を通り抜けた先生方であり,その経験を通して,このようなすばらしいプランが出て来たのだと思う。執筆者のお名前を拝見しても,これからのわが国の内科を担ってゆく若い先生方である。最近の若い医師に対して,患者さんの顔を診ない医師やコンピューター画面ばかり見ている医師が多いとの批判もあるが,本書を読ませていただいて,オーソドックスな内科の日常診療法が若い世代に受け継がれていることにほっとした次第である。本書が,よい内科医をめざす皆さんの必読書になることを願うものである。
入院・外来患者の経過観察期における検査計画に最適の1冊
書評者: 北島 勲 (富山医薬大教授・臨床検査医学)
◆フォローアップ検査に焦点をあわせた初の企画
多くの疾患の診断や治療判定は臨床検査なしでは不可能である。しかし,医療経済の厳しさ,とりわけ保険制度の枠組みの中で,包括医療が進み,臨床検査の点数がいわゆる「マルメ」で計算されるようになったため,無駄のない有効な検査計画が必須である。特に臨床検査を多く利用する臨床医は,臨床検査の経済性を追求しながら,患者の病態把握に最適な臨床検査は何かを的確に把握する判断能力が要求される。このような医療情勢の下,的確な診断に至るまでのスクリーニング検査法から確定診断に至るまでの適切かつ効率のよい検査法や検査選択に関しては,良質の書籍・雑誌・電子媒体が入手できるようになってきた。しかし,適切な診断がついた後や,治療が行なわれた後,患者の経過観察,フォローアップにおける有効な検査の使い方を専門的に取り扱った書籍はいままで発行されたことはなかった。まず,フォローアップにおける検査の使い方に焦点を合わせた初めての企画であることが本書の最大の特徴である。
◆診療現場で使いやすい,整理された情報
本書は,日常臨床で多く遭遇する疾患を選別し,臓器別に取り上げている。まず,診断確定や病状判定に至る手順をフローチャートでわかりやすく表示している。次に診断確定後の入院・外来患者のフォローアップに必要となる検査として,(1)治療効果判定のための検査,(2)副作用モニターとしての検査,(3)合併症・臓器障害判定のための検査,(4)安定期の検査に関して,短い文章で平易に表記されている。特に必要な検査を急性期と慢性期に分け,検査すべき検査項目を★★(必須項目),★(重要検査),無印(状況・条件により必要な検査)と一目でわかるように表にまとめられている。
さらに患者の身体的負担や医療経済的な負担を考慮した測定頻度も記載されたことは,診療現場での活用にきわめて効果的であると考える。例えば,関節リウマチ(RA)の項目を読むと,診断基準に指定されている血清リウマトイド因子(RF)は日常診療で偽陽性が多いことはよく知られているが,RA以外の疾患ではRAHAが1,280倍以上の強陽性になることは少ないことや,血管炎合併RAでは力価が非常に高いことなど判定に苦慮する場合の情報が随所に記載されている。また,シェーグレン症候群の合併症では,尿pH測定による尿細管アシドーシスが1~2か月に1回検査する必要性や骨軟化症のチェックの必要性,安定期においてもB細胞性リンパ腫の高頻度合併フォローアップのため,血中M蛋白測定の重要性などが記載されている。
このように,フォローアップ時期に入ると検査がパターン化され,通院間隔も長くなってくるので,重要な合併症が見逃される危険性がある。フォローアップ期における合併症や薬物副作用の早期発見のためにも,是非診察室に置いていただきたい1冊である。
時代に求められる臨床検査ガイドの専門書
書評者: 長澤 俊彦 (杏林大学長)
◆従来のpitfallを埋める記述
このたび医学書院から北村聖,大西真,三村俊英の3先生の編集による「フォローアップ検査ガイド」が出版された。本書の総論で北村教授が述べておられるように臨床検査は1.健康診断,2.初期診断,3.確定診断,4.フォローアップの各段階に大別されるが,今までの臨床検査の専門書は1,2,3の記述が中心であり,4のフォローアップのための検査の記述はどちらかというと軽視されていた。本書はpitfallを埋めるべく,今までにないフォローアップのための検査を中心に記述された568ページよりなる臨床検査ガイドの専門書である。
本書の構成は臓器別に主要疾患(主として内科的疾患)を網羅してそれぞれの疾患について,I概念・確定診断・病状判定,IIフォローアップのための検査,III急性期・慢性期に必要な検査に分けて図と表をふんだんに使用してわかりやすく解説されている。特に本書の特徴であるフォローアップ検査については,(1)治療効果判定のための検査,(2)副作用モニターとしての検査,(3)合併症・臓器障害診断のための検査,(4)安定期・寛解期・回復期の検査,に項目立てしてある。
◆第一線の臨床医による執筆
執筆陣は臨床検査学の専門家よりは,各領域の経験豊かな第一線の内科を中心とする臨床医が選ばれており,検査技術の詳細を知るのではなく,状態に応じてどのような検査が必要であるのか,その選択と解釈を知ることに内容の力点が置かれていることも本書の特徴のひとつといえよう。
本書は臨床研修医には必須ともいえる専門書である一方,一般医家にとっては個々の症例,個々の疾患をフォローアップするときに検査に落ちのないよう辞書的に使用すると便利である。上級学年の医学生も検査の知識を整理するときに利用できる。
臨床検査学は言うまでもなく,日進月歩であるし,医療体制も大学病院における包括医療の導入など大幅な改革が実施されつつある時期である。このような時にこそ,適正なフォローアップ検査の実行がもっとも要求される。本書は改訂を重ねつつ,時代のニーズにあったフォローアップ検査を中心とする臨床検査ガイドの専門書として長くその地位を保つことを期待できる医学書のひとつと言うことができよう。
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