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臨床検査データブック 2007-2008

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大好評の「2005-2006」年版に続いて、読者の要望を可能な限り紙面に反映し、新規保険収載項目の追加、項目の見直し、総論や検査計画に関する記述を充実させるなど、盛り沢山の改訂。必要な検査と無駄な検査を見極める全医療関係者必携の検査値判読マニュアルが、さらに強力になって登場。“考える”検査をサポートする1冊。
監修 高久 史麿
編集 黒川 清 / 春日 雅人 / 北村 聖
発行 2007年03月判型:B6頁:992
ISBN 978-4-260-00341-4
定価 5,280円 (本体4,800円+税)
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2007-2008年版/編集者の序
執筆者/黒川 清

 早いもので本書初版が出版されて早くも10年が過ぎようとしている.私の過去3回の「序」を読んでみると,基本的に同じことを指摘していると思う.それは臨床診療のプロセスにおいて臨床検査がどのように使われ,また使われるべきかについての考え方といえる.検査はあくまでも臨床診療の一部であり,しかも頭の中で連続して構築されていく「作業仮説」に従って補足的に使われるものである,仮説をテストして診療をさらに進めていく手段である,ということなのである.臨床の診療をよくも悪くも「知的刺激に満ちた」頭脳的な活動と認識するかどうかの医師の心構え次第だ,ということなのである.
 この数年でわが国の臨床はどのように変わったのだろうか.第1に,卒後臨床研修が必須化されたことであろう.多くの若い医師が苦労をしつつも,広く,数多くの指導医にめぐり会えるようになったことであろう.従来の大学病院を中心にした卒後臨床研修とは大きく様変わりした.
 第2に,国立大学や国立病院が法人化されたことであろう.大学ではさまざまな方法で研修医を確保しようと躍起になっている.従来はそれほど臨床教育に熱心でなかった大学も,学生教育に力を入れ始めている.しかし,指導医の層の厚さについても,指導能力についてもまだまだ不十分であろう.
 第3に,科学技術研究の政府予算の急速な増額,さらに産学連携などへの社会的要請で,大学での研究への圧力も高まっている.さらに,多くの研究に関連した不正行為が明らかになり,社会的問題となっている.これには多くの因子があって,研究者の責任ばかりではないが,研究者の責任が大きい部分も確かにある.共著者問題,従来型の教授の権力などがかかわっている部分も大きいことも一部にある.
 第4に,日本の医療制度の疲弊である.経済成長の破綻から,医療費は削減を基本に国家政策が採られ,一方で医師の労働条件の劣化,重なる医療事故報道等があいまって,現場の医師は疲弊しきっており,世界に誇ってきたわが国の医療制度は崩壊を始めている.
 多くの医療人,特に日本社会での高い立場にある人たちからは,自分たちの立場からの,近視眼的な意見ばかりで情けないものも多い.もっとより高い立場で,広い視点から発言し,行動を起こすべきときにある.
 いったん崩壊し始めると,医療や教育は取り返すのに10~20年かかることは歴史を見ても明らかなのである.
 以上,臨床検査に関する本書の「序」としてはちょっと不適切なことを書いているが,それほど日本の医療はひどいことになっている.諸氏の考えと行動を問いたくてこれを書いた.
 2007年2月

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臨床検査の考え方と注意事項
検査計画の進め方
基本検査テクニック
検査各論
 生化学検査
 内分泌学的検査
 血液・凝固・線溶系検査
 免疫血清検査
 感染症検査
 腫瘍・線維化マーカー
 癌遺伝子検査
 体細胞遺伝子検査
 尿検査
 糞便検査
 細胞診
 血液・尿以外の検査
 薬物・毒物
疾患と検査
 呼吸器疾患
 循環器疾患
 消化管疾患
 肝・胆・膵疾患
 代謝・栄養疾患
 内分泌疾患
 血液・造血器疾患
 腎・尿路疾患,水電解質異常
 神経疾患
 感染症,性病,寄生虫疾患
 リウマチ性疾患・アレルギー性疾患・免疫不全症
 女性性器・妊産婦疾患
 中毒

付録
 日本人小児の臨床検査基準値
 医薬品添付文書情報 臨床検査値への影響
索引
 数字・欧文索引
 和文索引

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