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気道をめぐる治療手技

各種インターベンションのすべて
(品切中)

編集:白日 高歩/小林 紘一/宮澤 輝臣

  • 判型 B5
  • 頁 184
  • 発行 2007年03月
  • 定価 8,250円 (本体7,500円+税10%)
  • ISBN978-4-260-00356-8
気道・呼吸器疾患に対する各種インターベンション技術をプラクティカルに展開
気道疾患に対するインターベンション治療技術は、緊急的・姑息的なもののみならず、その応用範囲を広げつつある。しかし、外来でも簡便に行われ得る治療でありながら、そのテクニック上の難度は高く、きめ細かな合併症・副損傷への配慮が必要である。本書は、その正しい手技・手順とポイント、pitfallを第一線の気鋭の臨床家の手により、イラストでビジュアライズした。
序 文

執筆者/白日高歩(編者代表)

 気道をめぐる疾患は数多い。酸素の通り道の唯一の器官である気道に異変が生じた場合,考えられる限りの手段を使ってこの異常を解除しなければならない。最近色々と大きな話題を呼ぶ気道をめぐる各種インターベンション技術は,主に急性の気道閉塞解除を目的に開...

執筆者/白日高歩(編者代表)

 気道をめぐる疾患は数多い。酸素の通り道の唯一の器官である気道に異変が生じた場合,考えられる限りの手段を使ってこの異常を解除しなければならない。最近色々と大きな話題を呼ぶ気道をめぐる各種インターベンション技術は,主に急性の気道閉塞解除を目的に開発されてきたものである。気道閉塞の解除は緊急的な救命から,QOLの長期的維持まで,幅広い恩恵を患者にもたらし得る。今回,諸氏のご尽力により出版の運びとなった本書は,このような閉塞解除をはじめとして気道をめぐる各種の内科的・外科的処置について,第一線のオーソリティによってわかりやすく解説してもらったものである。本書に取りあげた各種の技術はそれなりの難度を有し,迅速かつ正確な適応決定が必要とされる。いずれの技術も重篤な合併症を生ずる危険性を秘めている。これらの技術の習得には,ある程度のマンツーマン的指導が必須であるが,この方面の解説書についてはいままでこれといった書物が存在しない状況であった。本書は第一線で気道病変に直面する機会の多い臨床医たちが理解しやすいように図や解説を十分に取り入れ,また技術のコツやピットフォール等についても各執筆者に出来る限り意を尽くしてもらった。
 医療技術の進歩においては開発あるいは改良のためのたゆみないchallengeが必要である。われわれが今日利用できる各種インターベンション技術の多くは,先人開拓者の卓抜なアイデアと努力のたまものであることを忘れてはならない。そして,一度安定した成績が得られ,信頼に足るものと認められた技術については,われわれはflexibleな精神をもってこれらを活用し,次代に伝えてゆく義務を持つものと考える。かたくなに旧いスタイルの技術に固執し,より良きものに目を閉ざす姿勢は結果的に患者の幸福を奪うことにもなる。とくに若手医師の指導にあたるリーダーたちが心すべきことであり,筆者自身もそれに含まれる世代として自戒の念を込めてここに付記したい。本書が多くの臨床医師に利用されることを心から望むものである。
 2007年2月
書 評
  • 気道疾患治療の先進的技術までプラクティカルに展開
    書評者:近藤 丘(東北大加齢研教授・呼吸器再建研究分野)

     最近とみに医療の安全に関する世間の目が厳しくなっているが,もちろん医療に100パーセントの安全を求めるのが不可能なことは言うまでもない。しかしながら,情報の伝達速度が以前とは比較にならないほど速やかな今日においては,より新しく,より正確な情報を手に入れて自らをアップデートしておくことが,特に先端的...
    気道疾患治療の先進的技術までプラクティカルに展開
    書評者:近藤 丘(東北大加齢研教授・呼吸器再建研究分野)

     最近とみに医療の安全に関する世間の目が厳しくなっているが,もちろん医療に100パーセントの安全を求めるのが不可能なことは言うまでもない。しかしながら,情報の伝達速度が以前とは比較にならないほど速やかな今日においては,より新しく,より正確な情報を手に入れて自らをアップデートしておくことが,特に先端的な医療に携わる医療者にとっては必要なことであり,その安全に配慮しつつ日々の医療を実践していると評価されるうえでも必須なことと言える。

     気管支鏡は私が駆け出しの医師の頃はファイバースコープであり,画像も現在の電子スコープには遠く及ばず,手技的にも観察と可視病変の生検,末梢病巣の擦過などに限られたものであった。それが今日では内視鏡そのものは言うに及ばず,それを応用した手技,なかでも治療手技の進歩には目覚ましいものがある。次々と新しい手技,そしてそれに伴う新しいデバイスが開発され,それが先端的医療を行う施設で試験的に実践されている。学会などでそのポジティブな評価がなされると,続いて末広がりに日本全国に手技やデバイスが浸透していくのであるが,先行する施設での経験をもとにしたガイドラインや手引きといったものが,実は追いついていないのが現状であろうと思う。

     こういったことは,医療の安全という観点から現場が遅れをとっていると言わざるを得ない側面といえる。本書を拝見して,この領域においてやっとそれを補うものが出た,と正直実感した。内容は気管支鏡に関連する手技が中心ではあるが,そればかりではなく,気管切開などそのタイトルが示すごとく気道をめぐる治療手技がまとめられているきわめて斬新な企画の手引書といってよい。特に気管支鏡に関連する手技については,先進的なことにいたるまで現状におけるほぼすべてが網羅されているといって過言ではない。とりたてて言えば,各項目は実践的なことを中心に記述・解説されているために,非常に簡潔で読みやすいばかりでなく,体裁も項目間での統一性が図られており,その点でもあらかじめよく練られたものであることを窺わせる。画像も多用され,視覚を通して直感的に理解しやすく考えてまとめられているのも高く評価できる。

     また,こういった手引書的な本は,速やかにテクノロジーが進歩する現代においては,完成した時にすでにやや陳腐化していることもしばしばであるが,本書の内容はいまだ一般的とはなっていない手技も含んだ非常に新鮮なもので,今まさに活用できる内容となっている。この領域を先進的な立場で日々実践している方々による迅速な編集と執筆の努力の賜物であろう。机の書棚に置くのはもったいなく,病棟や検査室に配して実践の場で使用するために非常に有益なものといえる。
目 次
1. 緊急内視鏡
2. 硬性鏡手技
3. ミニ気管切開法
4. 気管切開
5. Tチューブ
6. ステント
7. 気管食道瘻
8. 気管支鏡下レーザー焼灼術
9. マイクロ波による気道確保
10. Photodynamic therapy(PDT)
11. 腔内照射
12. 気管支充填術
13. 異物除去
14. 気道出血
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