医学界新聞

2019.07.22



第25回日本看護診断学会開催


本田育美大会長
 第25回日本看護診断学会学術大会(大会長=名大大学院・本田育美氏)が7月6~7日,「ことばで示す 看護のかたち」をテーマに名古屋国際会議場(名古屋市)にて開催された。本紙ではシンポジウム「看護のかたちを記し,伝え,活用する」(座長=名市大大学院・宮内義明氏,聖隷淡路病院・中野由美子氏)の模様を報告する。

 舩田千秋氏(名大病院)は,看護診断とクリニカルパス使用による看護記録の効率化について解説した。氏によると,クリニカルパスは看護実践の標準計画とその実践の経過記録を含むため,使用により,時間のかかる看護計画立案や計画内容のオーダーを効率化できるという。また,看護師個人の力量による差を標準化する効果もあり,看護師の情報収集から記録までの思考過程を網羅したツールであると強調した。

 パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)を導入する福井大病院の五十嵐行江氏は,自施設の看護過程支援システムを紹介。基礎情報を入力すると表示される看護診断や標準計画を基に,看護師が過不足を判断してそれらを修正し,個別性のある看護計画を立案するという。PNSではペアで相談することで看護診断や看護計画の理解や実践が深まり,より適切なケアの提供につながると報告した。看護過程支援システムは看護師間だけでなく,多職種間でのタイムリーな情報共有にも役立っていると述べた。

 産業看護学における看護診断の活用について報告したのは伊藤美千代氏(東京医療保健大)。産業看護の役割は,事業者が労働者の協力を得ながら産業保健の目的を自主的に達成できるよう支援することである。日本産業看護学会では産業看護学の学問としての体系化や,産業看護専用の看護診断作成によって事業者が達成すべき目標の可視化をめざし,今後も活動を続けていくと締めくくった。

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