医学界新聞

2017.06.26



日本看護サミット2017開催


 日本看護協会主催の日本看護サミットが2017が6月6日,幕張メッセ(千葉市)にて3000人を超える参加者を集め開催された。地域包括ケア構築をめざす今,看護基礎教育はどうあるべきか。パネルディスカッション「看護基礎教育を変える!――We can change」(座長=兵庫県看護協会・中野則子氏,日看協・川本利恵子氏)では教育の現状と課題が議論された。

 初めに登壇した島田陽子氏(厚労省)は,今年4月に厚労省が公表した「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」報告書に,「卒前教育では,看護師として共通して求められる知識や能力が培われるよう教育カリキュラムを拡充する必要があり,早急にその見直しを開始すべき」と記されたことを報告し,社会のニーズに応じた検討が今後必要との見解を示した。

 看護系大学は2017年4月時点で252校,定員数は過去30年で25倍に増えている。日本看護系大学協議会理事の井上智子氏(国立看護大)は,看護師学士教育の質保証は不可欠と強調。その上で,①分野別質保証を担う看護学教育認証評価の制度化,②コアコンピテンシーを基盤とした教育カリキュラムの普及,③看護系大学における教育課程の自主的構築を可能にする制度改革の3つの戦略を提示した。

 看護師養成課程の構成を第一学年定員で見ると,大学32.7%に比べ3年課程(保健看護統合カリキュラム,短大含む)は45.3%と依然大きな割合を占める(2016年度)。時本圭子氏(倉敷中央看護専門学校)は日本看護学校協議会常任理事の立場から,3年課程において社会人基礎力育成の必要性や専門分野Ⅱの柔軟なカリキュラム運営,地域・在宅看護を含む統合分野を充実させるなどの方策を示し,「修業年限にこだわらず,今ある多様な看護師養成施設の質を高めるために最善を尽くす」と表明した。また4年制化の議論を念頭に「4年制でなければならない根拠や,施設面の整備,看護教員確保などの問題も鑑み議論を進める必要がある」と語った。

 福岡県で看護行政に携わった経験のある鎌田久美子氏(福岡国際総合健診センター)は,看護基礎教育に「地域の生活者を支える」視点の教育を拡充し,あわせて教員や実習指導者の育成が不可欠と述べた。臨床現場からは,病院管理者の中畑高子氏(公立学校共済組合関東中央病院)が,現状の教育内容で実践力を育むには人的・時間的に限界であり,「4年制化は必須」と強調。川添高志氏(ケアプロ)は,訪問看護師の育成のために基礎教育から在宅看護教育の強化が求められると述べた。

写真 パネルディスカッション

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