医学界新聞

2016.06.13



第27回「理学療法ジャーナル賞」


 第27回「理学療法ジャーナル賞」贈呈式が,4月23日,医学書院本社にて行われた。本賞は,前年の1年間に『理学療法ジャーナル』誌に掲載された投稿論文の中から優秀論文を編集委員会が顕彰し,理学療法士の研究活動を奨励するもの。2015年は,総投稿数 120本のうち,10本が受賞対象となり,下記2論文が選ばれた。

準入賞】梅原圭二,他:パーキンソン病の姿勢反射障害,すくみ足に対するクロスオーバーデザイン・矛盾性運動を利用した反復ステップ運動の効果(第49巻4号掲載,報告)

奨励賞】楠本泰士,他:歩行可能な脳性麻痺患者における選択的股関節筋解離術後の股関節内外転筋力の変化――小児と成人における術後筋力変化の違い(第49巻5号掲載,報告)

 準入賞の梅原氏らの論文は,パーキンソン病患者19例を対象とし,前後左右の反復ステップ運動の効果を検証した研究。すくみ足の発生回数を中心に臨床的な指標をアウトカムとして検討し,反復ステップ運動という臨床的応用が容易な運動が効果的であること,この運動が歩行時の方向転換動作にも有用なことを示し,臨床的意義が高いと評価された。受賞者を代表して梅原氏は「“ミスター不採択”と公言するほど不採択の時期が続いた。それでも,やり続けていればこんな夢のようなことが起きると,自分と同じように論文執筆に苦心している臨床の先生方に伝え,エールを送りたい。自分も驕らず,腐らず,精進していきたい」と抱負を語った。

 『理学療法ジャーナル』誌では本年も,掲載された投稿論文から第28回「理学療法ジャーナル賞」を選定する。詳細については『理学療法ジャーナル』誌投稿規定を参照されたい。

左から楠本泰士氏,梅原圭二氏

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