第17回日本糖尿病教育・看護学会開催
2012.10.22
透析予防体制の確立をめざして
第17回日本糖尿病教育・看護学会開催
第17回日本糖尿病教育・看護学会が9月29-30日,任和子会長(京大大学院)のもと,国立京都国際会館(京都市)で開催された。「糖尿病重症化予防」をテーマに掲げた今回,糖尿病患者のセルフケア支援を実践するために果たすべき看護師の役割やケアを考察する演題が多く並んだ。本紙では,2012年度診療報酬改定で新設され,糖尿病の重症化予防の促進に期待がかかる,「糖尿病透析予防指導管理料」について議論された特別企画のもようを紹介する。
任和子会長 |
「糖尿病透析予防管理料」診療報酬化の今後
特別企画「糖尿病における看護実践と診療報酬――平成24年度社会保険診療報酬改定における糖尿病透析予防指導管理料の意義と将来」(座長=岐阜県立看護大・黒江ゆり子氏,千葉大大学院・黒田久美子氏)では,3人のシンポジストが登壇。糖尿病透析予防指導管理料の評価に至るまでの日本糖尿病教育・看護学会(JADEN)の活動が報告され,今後医療チームの中で看護師に期待される役割について議論がなされた。
厚労省保険局医療課の習田由美子氏は,診療報酬改定のプロセスを紹介し,糖尿病透析予防指導管理料について概説した。同管理料は施設基準の一つに,算定した患者の人数のほか,受診継続率やHbA1c,腎機能などの改善・維持の状況を示したデータを,毎年,地方厚生(支)局へ報告することを求めている。氏は,「現場で蓄積されたエビデンスが,次回の診療報酬改定の検証材料になる」と述べ,今後の同管理料の充実のためには透析予防効果の有効性を示していく必要があることを訴えた。
特別企画のもよう |
看護師の役割について,JADENの立場から言及したのは数間恵子氏(元東大大学院)。氏は,透析予防を図るチームにおける看護師の6つの役割として,「チーム内の連携・調整」「糖尿病性腎症と生活行動との関連の説明」「具体的療養行動の相談」「セルフモニタリング指導」「病状管理指導」「患者が抱く戸惑いへの対応」を提示した。また各施設の今後の課題として,「透析予防診療チーム」の立ち上げ,外来糖尿病患者の腎症の病期など情報の把握や共有,病期に即したケアを提供するための仕組みづくりを挙げ,透析予防の医療チームへの積極的な参加を呼びかけた。
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