第1回日本プライマリ・ケア連合学会秋季生涯教育セミナー開催
2010.12.06
PC連合学会が生涯教育セミナーを開催
クイズ形式で進められた林寛之氏による講演。 |
◆「愛のあいうえお」,脱HbA1c外来のススメ
「元気そうに歩いて来る,とんでもない重症例は0.2-0.7%」。林氏は「そんなはずじゃ,なかったぁ……救急地雷回避Tips!」と題した講演でこう語り,心筋梗塞やくも膜下出血,虫垂炎など見逃しやすい疾患のtips & pitfallsを解説した。心筋梗塞に関しては,心臓を中心に30cm以内に痛みがあれば疑うこと。また,痛みのない心筋梗塞は22-35%にみられ,胸痛パターンによる除外ができず,冷や汗は重要な手がかりとなること。高齢,女性,糖尿病が見逃しパターンの3要素であること,などを述べた。講演の最後には,「愛のあいうえお」と銘打ち,あい(アイコンタクト/あいづち),う(うなずき),え(笑顔),お(おうむ返し)の順に,傾聴・共感法を紹介。アイコンタクトが恥ずかしければ鼻の頭をみること,患者の名前を意識して呼んであげることなど,具体的なアドバスを添えて解説した。
続いて坂根氏が,「楽しくてためになる糖尿病教育」と題して講演した。糖尿病外来がHbA1c値の経過だけをみて評価する"HbA1c外来"になりがちであると指摘。また,効果の少ない指導用語として「体重を減らしましょう」「腹八分目にしましょう」などを例示した。これに対し,糖尿病を駅に例える,HbA1c値を体温に例えるなどの自らの実践を紹介。はや食いの人には細い箸や箸置きを使ってもらうこと,冬場に太りやすい人の場合は住環境をチェックすること(コタツに座ったら動かないような生活習慣の見直し)など,価値観や生活スタイルに沿った運動・食事療法の必要性を説いた。
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