医学界新聞

2010.05.10

第104回医師国家試験合格者発表

2年連続の合格率上昇に歯止め,89.2%


■第104回医師国家試験学校別合格者発表

 さる3月29日,厚労省より第104回医師国家試験(2月13-15日実施)の合格者が発表された。受験者数8447名に対し,7538名が合格(前回に比べて130名減)。合格率は89.2%となり,現行制度化での過去最高を示した第103回試験に比べて2.2%低下した。合格率が90%を割り込んだのは,第101回以来で,3年ぶりのこと。

合格率の低下は試験問題の難易度とは無関係

 全国の医学部医学科の総定員が2010年度から360人増えて8846人となるなど,医師不足の対策が進められる中で迎えた注目の試験であった。結果として,新卒・既卒および,男女共に合格率は低下することになった。

 合格発表後,試験関係者は,「試験内容,採点基準に大きな変更点はなかった」と記者団に述べ,合格者の減少と試験の難易度の関係性は小さいとの見解を示した。なお,新卒で最も高い合格率を示したのは名古屋市立大と滋賀医大で,それぞれ100%であった。また,最高齢合格者は63歳の男性であった。

第104回医師国家試験学校別合格者状況

 

医師国家試験の回数別合格者数の推移

 

医師国家試験男女別合格者数等の推移

 

厚生労働省関連の国家試験合格状況

出題傾向と合格基準

 試験内容に関しては,心電図波形などの画像が選択肢として挙げられ,適切なものを選択させる問題が増え,検査重視,臨床重視の傾向が強まっていることがうかがわれる。これについて会場で話を聞くと,「暗記だけでは解答できないため,苦戦した」と話す受験生がみられた。分野別では,救急や麻酔科,産科,整形外科に関する問題が増加した一方,内分泌・代謝,婦人科についての出題が減少した。

 禁忌肢問題選択数は前回から1問増えて,3問以下とされた。なお,問題内容が不適切であるなどの理由により,採点除外とされた問題は19問であり,前回に比べて7問増加した。

◆第104回医師国家試験 合格基準

 一般問題を1問1点,臨床実地問題を1問3点としたとき
(1) 必修問題については,160点以上
 ただし,必修問題の一部を採点から除外された受験者は,必修問題総点数の80%以上とする。
(2) 必修問題を除いた一般問題および臨床実地問題については,
 一般問題は,123点以上
 臨床実地問題は,378点以上
(3) 禁忌肢問題選択数は,3問以下

友人5人がそろって合格。喜びを分かち合っていた。

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