医学界新聞

2009.12.07

IFMSA-Japan 10周年 第7回日本総会開催


議論はポスターにして発表した
 国際医学生連盟日本(IFMSA-Japan)の第7回日本総会が10月10-12日,国立オリンピック記念青少年総合センターにて開催された。IFMSA-Japanは医療・保健分野などで幅広い活動を行う国際学生NGOで,International Federation of Medical Students’ Associations(IFMSA,国際医学生連盟)の日本支部で,今年で設立10年目を迎えた。日本総会は毎年10月に開かれ,350名以上の日本全国の医学生・医療系学生が一堂に会して活動報告をしたり,講演会やワークショップなどを行ったりしている。本紙では,その一部を紹介する。

 IFMSA-Japan設立10周年を記念して行われたイベントでは,約200名の学生が世界の医療・保健の課題について意見を交わした。テーマは「救命救急」「感染症」「食と健康」「科学技術の発展と倫理」の4つで,各テーマごとに4-5人ほどのグループをつくって,議論を行った。

 「科学技術の発展と倫理」グループでは,まず,具体的な問題を出し合った。挙げられたのは遺伝子診断,ヒトES細胞の医療への応用,脳死判定と移植など。次に,挙げられた問題を,科学技術の進歩や法整備による解決が可能なものと,宗教・倫理的側面などの観点から解決が困難なものとに分類した。前者には遺伝子診断やヒトES細胞の問題などが,後者には脳死判定と移植の問題などが当てはめられた。分類を終えて,学生たちは医療の問題の複雑さを痛感していた。その上で,「医療従事者は,さまざまな医療技術の実用化についての賛成派と反対派の両方の考えを取り入れ,より多くの人が納得できる結論を導いていく役割がある」とし,情報を常にupdateしながら継続して考えていくことが重要であるとした。

 最後に会場全体で情報共有が行われ,学生たちはさまざまな考えを聞き,語り合うことで,医学生には何ができるのか,何をすべきなのかを認識し,行動に移すことの重要性が確認された。IFMSA-Japanの新しい10年が始まる。

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