医学界新聞

2008.08.11



地域に根ざしたリハビリを目指して

全国地域リハビリテーション支援事業連絡協議会
第2回全国研修会開催


 全国地域リハビリテーション支援事業連絡協議会第2回全国研修会がさる7月6日,佐直信彦大会長(東北文化学園大;写真)のもと,仙台市の宮城県庁講堂にて開催された。

 研修会ではメインテーマの「リハビリテーションはいかにして地域に根ざすのか!」に基づき,まず米満弘之氏(熊本機能病院・本会会長),大田仁史氏(茨城県立健康プラザ)による基調講演と,澤村誠志氏(兵庫県立総合リハビリテーションセンター)による特別講演が行われた。特に太田氏の講演では,住民自らが介護予防運動を指導する「シルバーリハビリ体操指導士」の養成の取り組みが紹介され,出席者の関心を集めていた。

地域リハビリテーション支援事業の体制構築のために

 研修会の後半では「地域リハビリテーション支援事業を検証する」と題したパネルディスカッション(座長=長崎大・松坂誠應氏,千葉県千葉リハビリテーションセンター・吉永勝訓氏)が開かれ,これまで先進的に地域リハビリテーション支援事業に取り組んできた岩手県(高橋明氏・財団法人いわてリハビリテーションセンター),宮城県(樫本修氏・宮城県リハビリテーション支援センター),広島県(林拓男氏・公立みつぎ総合病院),沖縄県(今村義典氏・ちゅうざん病院)の経験が報告された。

 指定発言者として登壇した司馬良一氏(兵庫県立総合リハビリテーションセンター)は,各都道府県地域リハビリテーション支援センターを対象に行ったアンケート結果や意見交換での話題として,地域リハビリテーション広域支援センターに効果的・効率的な支援を行うためのマニュアル作りの必要性が指摘されたとした。現在,各地の地域リハビリテーション広域支援センターでは限られた予算とマンパワーのもと,各圏域内の市町村や事業所に対してより効果的・効率的な支援が必要となってきているが,地域リハビリテーションに対する理解や経験の不足,関係機関との連携不足も指摘されている。本シンポジウムで紹介された経験を研修会参加者が共有することで,それぞれの地域においても個別のニーズに合った支援体制の構築が図られていくのではないか。

 当日の参加者総数は約200名を数え,参加者の職種では医師や理学療法士,作業療法士を中心に,看護師や保健師,社会福祉士,言語聴覚士など多岐にわたっていた。

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