『今日の治療指針』を長年にわたってご愛用いただいている皆様の声をご紹介します。
研修医だった頃,当直のアルバイトをしていたときに,先輩からのすすめで初めて本書を手に取りました。 第一印象として,ほぼすべての診療科目において,初期対応に必要な情報がコンパクトにまとめられていて便利な本だと思いました。
それ以来,年明けに最新版が発売されるのと同時に,行きつけの医書専門書店に買いに行きます。同じ疾患項目でも,毎年違う先生が書いているので, 色々な治療法を知ることができるのがうれしいですね。本書のサブタイトル「私はこう治療している」のとおり,著者によって解説の視点が様々であったり, 反対に共通する処方例はジェネラルスタンダードだということがわかったり。同じ項目を読み比べるのも勉強になります。
診療上で必要な情報を得るだけでなく,患者さんに読んでもらい安心感を与える,といった使い方もしています。
当院は小児科も標榜していますが,お子さんはそれほど重症ではないと思われるのに保護者のほうが動揺している,というケースをよく見受けます。 例えば,急性細気管支炎を疑ったお子さんを診察した場合,本書には「2歳以下,特に乳児期に好発。冬をピークに秋から春に発生。 原因ウイルスはRSウイルスが最多」と書かれています。この説明に合致すれば,本書を直接見ていただくことで保護者の方に納得してもらえます。 また,同項目に「細菌感染の合併がない限り抗菌薬は不要。重症化しやすいため,乳児は入院治療が原則」とあるので,抗菌薬を無用に処方することも防げるし, 提携の医療機関を紹介することについても理解していただけます。
患者さんとのコミュニケーションを円滑にする上でも,本書のお世話になっています。