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レジデントのための腎臓病診療マニュアル 第3版

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腎臓病診療マニュアルの決定版、待望の第3版が刊行! 最新のエビデンスに基づいて、水・電解質から腎移植まで腎臓病診療の基本を網羅する好評のスタイルはそのままに、高齢患者の診かた、他診療科との連携など“今知りたい”トピックを満載。目の前の患者の何を診て、どう治療すべきか、ロジカルな腎臓病診療の進め方がわかる1冊。
シリーズ レジデントマニュアル
編集 深川 雅史 / 安田 隆
発行 2017年11月判型:A5頁:644
ISBN 978-4-260-03244-5
定価 5,720円 (本体5,200円+税)

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3版の序

 今回はこのマニュアルにとって3回目の改訂である.病歴,所見,基本検査からの臨床推論に重点を置くとともに,電解質異常や腎移植など,類書にはない腎臓病学の広範な範囲をカバーした本書は,幸いなことに,ユニークな存在として好評を得ることができた.さらに,その後の進歩を取り入れて改訂したのが前回の第2版である.
 さて,初版から第2版に至る7年間の臨床上の最も大きな変化は,さまざまな疾患について診療ガイドラインが発表されたことであろう.腎臓病学の領域はレベルの高いエビデンスが少ないこと,またその多くが欧米のデータに立脚しているなどの問題はあるものの,ガイドラインの存在が,診療の標準化に貢献してきたことは事実であろう.しかし,最近の若い医師を中心に,気になる行動パターンがみられるようになった.
 その1つは,目の前の患者を十分評価しないで,いきなりガイドラインを当てはめようという姿勢である.2つ目は,エビデンスがないことに対する対応が,必ずしも論理的でないこと.最後は,試験勉強の弊害であろうが,1つの異常を見つけると,ほかにも異常が同時に存在するかもしれないことに目をつぶってしまうことである.

 そこで,5年ぶりとなる今回の改訂では,本書のユニークな点は維持しつつ,以下の点を執筆者に留意して書いてもらうことにした.すなわち,まず最初に,病歴,身体所見,基本検査を元に,目の前の患者の病態を正確に把握すること.病態からの的確な鑑別診断リストより絞り込んだ検査で論理的に診断にたどり着くこと.さらに,すべてのプロブレムがその病態や診断疾患で説明できるのかを検討し,同時に存在するほかの病態や疾患を見逃さないこと.そのうえで,どのような治療が妥当であるかを考えた後に,その選択がエビデンスに裏付けられているかをガイドラインで確認する,という方向性である.一見回り道に見えるかもしれないが,このようなアプローチをすることで,より正確に病態を把握し,論理的に,可能な限りエビデンスに基づいて適切な治療法を選択することが可能になると確信している.

 本書の読者が,将来さらに良い内容に改訂してくれることを期待したい.

 2017年 横浜赤レンガ倉庫にて,潮の香りの中で
 深川雅史,安田隆

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第1章 病態とエビデンスに基づいた論理的アプローチのために
 A 腎臓病診療の特徴
 B 腎臓病診断のプロセス
 C 臨床研究の進め方,活かし方,エビデンスの質
 D ガイドラインの推奨度,作られ方と読み方:そのウラを読み臨床に活かす
 E 腎臓に関するコンサルトの仕方,答え方

第2章 腎尿路疾患患者への一般的アプローチ
 A 主要症候と診断への手がかり
  1 蛋白尿
  2 血尿
  3 浮腫
  4 細胞外液量の減少
  5 多尿
  6 乏尿・無尿
  7 腎機能障害
  8 排尿異常
  9 腎尿路に関連する痛み
 B 腎尿路の検査:その選択,実際と解釈
  1 尿一般検査からわかること
  2 血液生化学検査からわかること
  3 尿生化学検査からわかること
  4 腎機能検査からわかること
  5 画像診断
  6 腎生検からわかること:その適応と読み

第3章 水電解質・酸塩基平衡異常患者へのアプローチ
 A 水代謝・Na濃度異常の診断と治療
 B 輸液(水電解質輸液)の基本
 C K濃度異常の診断と治療
 D 酸塩基平衡異常の診断と治療
  1 酸塩基平衡異常の診断と治療
  2 Stewart法を使ってみよう
 E Ca・P・Mg濃度異常の診断と治療
  1 Ca
  2 P
  3 Mg

第4章 高血圧患者へのアプローチ
 A 高血圧と腎臓病
 B 高血圧の診断
 C 高血圧を伴うCKD患者をみたら
 D 高血圧の治療
 E 降圧薬の特徴と腎臓病患者での使い方

第5章 高齢腎臓病患者へのアプローチ
 A 高齢者を診るということ
 B 高齢腎臓病患者の管理

第6章 慢性腎臓病(CKD)患者へのアプローチ
 A CKDのとらえ方
 B CKDにおける腎障害の発症と進展機序
 C CKDの症候と管理
 D CKD患者の栄養

第7章 急性腎障害(AKI)患者へのアプローチ

第8章 血液浄化法の原理と適応
 A 血液浄化法の種類,原理および適応
 B 末期腎不全への血液浄化法
 C 腎疾患関連診療における特殊な血液浄化療法

第9章 維持透析患者へのアプローチ
 A とらえ方
 B 透析患者の体液の管理
 C 透析患者のミネラル代謝
 D 貧血
 E 透析患者の食事療法

第10章 腎移植へのアプローチ

第11章 糸球体疾患患者へのアプローチ
 A 糸球体疾患を疑うとき,疑ったら
 B ネフローゼ症候群の診断と治療
 C 慢性腎炎症候群の診断と治療
 D 急速進行性腎炎症候群の診断と治療
 E 急性腎炎症候群の診断と治療

第12章 尿細管・間質疾患患者へのアプローチ
 A 尿細管・間質疾患を疑うとき,疑ったら
 B 尿細管機能異常をきたす疾患の診断と治療
 C 尿細管間質性腎炎をきたす疾患の診断と治療

第13章 腎血管系疾患患者へのアプローチ
 A 腎血管系疾患を疑うとき,疑ったら
 B 動脈硬化と高血圧に基づく疾患
 C 血管炎に基づく疾患

第14章 よくみられる二次性腎疾患患者へのアプローチ
 A 二次性腎疾患を疑うとき,疑ったら
 B 糖尿病に伴う腎疾患
 C 膠原病に伴う腎疾患
 D 血栓性微小血管症に伴う腎疾患
 E 腫瘍性疾患に伴う腎疾患
 F 感染症に伴う腎疾患
 G 薬剤性腎障害

第15章 他疾患への腎臓医としてのアプローチ
 A 心疾患
 B 肝疾患
 C 悪性腫瘍
 D Critical care nephrology

第16章 嚢胞性腎疾患患者へのアプローチ

第17章 閉塞性腎障害へのアプローチ

第18章 尿路感染症患者へのアプローチ

第19章 尿管結石患者へのアプローチ

第20章 小児の腎尿路疾患患者へのアプローチ
 A 小児の腎機能
 B 各疾患へのアプローチ
 C キャリーオーバー

第21章 腎障害をもつ患者の妊娠・出産へのアプローチ

第22章 腎機能障害者に対する薬物投与
 A 腎からの薬物排泄機構
 B 腎機能障害があるときの薬剤投与

索引

Memo
 ・浮腫性疾患での頸静脈の観察
 ・細胞外液減少を示す身体所見の意義
 ・有効動脈血液量
 ・急激なGFR低下時の血清Crの変化
 ・Fishberg尿濃縮試験
 ・血漿浸透圧・張度と膠質浸透圧の違い
 ・中枢性Na喪失症候群・Na喪失性腎症とSIADH
 ・水制限のときの水摂取量はどのようにして決めるか
 ・水利尿薬について
 ・Na-Clについて
 ・D乳酸アシドーシス
 ・代謝性アルカローシス維持の4要素
 ・Batter/Gitelman症候群
 ・尿中Cl濃度の測定
 ・カルシウム・アルカリ症候群
 ・デノスマブ
 ・Fibroblast growth factor 23(FGF23)
 ・24時間自由行動下血圧(ABPM)
 ・AKIとバイオマーカー
 ・運動後に発症するAKI
 ・造影剤腎症(CIN)
 ・「尿を診る」こと
 ・コンサルタントとしての腎臓内科医
 ・低回転骨とPTH抵抗性
 ・透析患者の血管の石灰化
 ・透析患者におけるFGF23
 ・ネフローゼ症候群における浮腫
 ・RPGNの腎予後と生命予後
 ・腎動脈狭窄に対するPTRAの有用性
 ・“悪性”高血圧
 ・Diabetic kidney disease (DKD)と従来の腎症
 ・糖尿病透析予防指導管理
 ・今後解決されるべき問題点-aHUSか? 二次性TMAか?
 ・ヒトパルボウイルスB19感染症
 ・細菌感染関連糸球体腎炎
 ・Onco-nephrology
 ・薬物療法
 ・カテーテル関連尿路感染症とメタロ-β-ラクタマーゼ産生多剤耐性緑膿菌
 ・尿中飽和度(metastable limit)

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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