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がん看護コアカリキュラム日本版
手術療法・薬物療法・放射線療法・緩和ケア

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わが国の実情に即したがん看護コアカリキュラム、待望の完成! がんの治療や療養過程に焦点を当て、患者・家族の援助に欠かせない知識をこの1冊に集約。本書は、手術療法・薬物療法・放射線療法・緩和ケアの4領域における看護実践を、到達目標に基づいて整理し、簡潔に解説している。
一般社団法人日本がん看護学会教育・研究活動委員会コアカリキュラムワーキンググループ
発行 2017年02月判型:B5頁:412
ISBN 978-4-260-02850-9
定価 4,950円 (本体4,500円+税)

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 がん看護コアカリキュラムは,一般社団法人日本がん看護学会が学会事業の1つとして位置づけ,教育・研究活動委員会のもと取り組んできたものです。
 2010年,本学会は,がん看護の基本的な知識・技術に基づき,がん患者と家族に対して系統的なケアを適切に実践できる標準的ながん看護実践者の育成に寄与することを目的として,『がん看護コアカリキュラム日本版 2010年度』を作成しました。これは,看護職の現任教育,認定教育,および看護基礎教育においても活用できる,がん看護を深めるための土台となる非常に汎用性の高いものとして提示しています。
 がん看護コアカリキュラムは,がん看護実践の基盤となるもの,スタンダードながん看護を実践するうえで理解しておく必要のある21のコア項目で構成されています。それらは,A.がんの理解に必要な基礎知識,B.がん看護の基盤となる考え方,C.がん看護実践の基本 [1.がん患者と家族の理解,2.がん看護実践の基本概念と方法,3.がん治療・療養過程に焦点を当てた看護実践] の3領域に分類されています。
 本書『がん看護コアカリキュラム日本版(手術療法・薬物療法・放射線療法・緩和ケア)』は,3.がん治療・療養過程に焦点を当てた看護実践の「がん手術療法看護」「がん薬物療法看護」「がん放射線療法看護」および「がん患者と緩和ケア」について,理事を中心とするメンバーとがん看護専門看護師が協働して書籍化をはかりました。執筆段階では,多くのがん看護に携わる実践者と教育研究者のご協力をいただきました。
 本書の構成は,2013年に本学会が出した『がん看護コアカリキュラム PartⅡ(実践編)』に基づき,目次の作成,章立てをし,本文はそれぞれの到達目標に特化した教育内容,到達目標達成に必要な具体的内容を簡潔に箇条書きにしています。また,より深く学びたい方のために,それぞれの記述の根拠となる参考文献を掲載するように努めました。
 がん医療が高度化,複雑化するなかでも,がん看護実践の中核となる基本的な知識・技術を習得するために必要なコアとなる内容を本書では提示しています。最新のがん医療の動向に関心をもち,質の高いがん看護実践力をもつ看護職の育成に携わる実践者・教育研究者・管理者の皆様にご活用いただき,活用後,忌憚のない意見をお聞かせいただけることを願っています。

 最後に,本書が医学書院のご協力のもとに発刊できますことを心より感謝申し上げます。本学会では,医学書院のご協力を得て,がん看護に関する書籍を多数発刊しております。がん看護に対する重要性をご理解賜り,がん医療の発展にともに寄与いただいておりますことに重ねて感謝申し上げます。

 2017年1月
 一般社団法人日本がん看護学会
  理事長 小松浩子
  教育・研究活動委員会委員長 藤田佐和

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I がん手術療法看護
 第1章 がん手術療法と患者
  1.がん手術療法の特性
  2.がん患者とQOL
  3.がん手術療法と看護倫理
 第2章 手術療法ががん患者の心身に及ぼす影響
  1.手術に対する身体予備力(手術リスクアセスメント)
  2.手術侵襲による身体面への影響
  3.手術による形態・機能の変化
  4.手術による心理面への影響
  5.手術による社会面への影響
 第3章 手術療法に伴う合併症の予防と術後回復を促進する援助
  1.手術療法に伴う主な合併症の予防とケア
  2.手術に伴う主な二次障害とケア
  3.心理社会的側面へのケア
  4.急変時のケア
  5.治療を安全に適正に遂行するための管理
  6.患者・家族が治療を理解し,回復過程に参加できるための支援
  7.術後回復を促すケア
 第4章 術後の状態にそった生活援助
  1.術後の生活援助のためのアセスメント
  2.必要なセルフケア内容とスキル習得を促すケア
  3.患者・家族のニーズ充足に向けたケア
  4.日常生活復帰への支援
  5.経済問題に関する社会資源の紹介

II がん薬物療法看護
 第1章 がん薬物療法とその特性
  1.がん薬物療法の位置づけとその歴史的変遷
  2.細胞増殖メカニズム(細胞周期)
  3.抗がん薬の薬物動態
  4.抗がん薬の分類と作用メカニズム
  5.多剤併用療法・集学的治療
  6.遺伝子情報による個別化医療
  7.がん薬物療法の目的
  8.標準治療
  9.造血幹細胞移植
  10.臨床試験
  11.がん薬物療法の適応基準
  12.治療効果判定
  13.治療計画
  14.使用される抗がん薬の注意点
  15.主要な疾患のがん薬物療法の標準治療と看護
 第2章 がん薬物療法に伴う主な有害事象と支持療法・看護支援
  1.一般薬と抗がん薬の違い
  2.有害事象とは
  3.有害事象評価規準:CTCAE
  4.がん薬物療法に伴う有害事象
 第3章 がん薬物療法に伴う主な有害事象の予防と出現時の援助
  1.アセスメントの視点
  2.ケアの視点
 第4章 がん薬物療法を受ける患者の生活支援
  1.アセスメントの視点
  2.ケアの視点
 第5章 がん薬物療法の実践における患者・医療者の安全
  1.知識・理論
  2.アセスメントの視点
  3.ケアの視点

III がん放射線療法看護
 第1章 がん放射線治療と使用される放射線の特性
  1.放射線療法の歴史的変遷
  2.治療に用いられる放射線の種類と特徴
  3.がん治療における放射線療法の位置づけ
  4.放射線療法の目的と適応
  5.放射線を使った治療と特徴
  6.放射線治療計画(外部照射)の理解
  7.主要な疾患のがん放射線療法の動向と標準治療
  8.治療効果判定
 第2章 放射線が人体に与える影響
  1.細胞に対する放射線照射の効果と作用機序
  2.放射線感受性
  3.放射線の人体への影響
  4.各組織,臓器における放射線障害
 第3章 放射線療法に伴う急性有害事象と晩期有害事象
  1.有害事象評価規準
  2.急性有害事象
  3.晩期有害事象
 第4章 放射線療法に伴う有害事象出現時の援助
  1.アセスメントの視点
  2.放射線有害事象に対するケア
 第5章 放射線療法を受ける患者の生活支援
  1.アセスメントの視点
  2.生活支援に向けたケア
 第6章 放射線療法の実践における患者・医療者の安全
  1.放射線防護
  2.放射線防護関連法令

IV 緩和ケア
 第1章 がん患者のQOLに配慮した早期からの緩和ケア
  1.緩和ケアの歴史と発展
  2.緩和ケアの提供場所による特徴
  3.がん患者とQOL
  4.がん医療と看護倫理
 第2章 緩和ケアにおけるトータルペインのアセスメント
  1.4つの視点でみるトータルペイン
 第3章 がん患者のトータルペインを緩和する日常生活の支援
  1.日常生活支援のための患者と家族の認識と対処能力
  2.トータルペインを緩和するケア
  3.トータルペインをもつ患者の家族への支援
  4.院内外の資源の活用
 第4章 身体的・精神的症状と看護
  1.身体的症状と看護
  2.精神症状と看護
 第5章 緩和的治療
  1.緩和的治療の概要
  2.治療目的,適応,リスク
 第6章 緩和ケアにおける補完代替療法
  1.補完代替療法とQOL
  2.補完代替療法の基礎知識

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