病期・病態・重症度からみた
疾患別看護過程 第3版
+病態関連図

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全科106疾患について、医学解説における情報をup to dateし、看護診断ラベルを更新。病気がみえる、カルテが読める“イラストでみる病態生理、症状、診断、合併症、治療、薬剤一覧”。病期・病態・重症度からみたケアのポイントがみえる“看護過程フローチャート、情報収集、アセスメント、ケアプラン、評価”。患者の全体像がみえる“病態関連図”。ほしい情報がすべて揃ったオールインワンの1冊。
シリーズ からみた看護過程
編集 井上 智子 / 窪田 哲朗
発行 2016年12月判型:A5頁:1984
ISBN 978-4-260-02835-6
定価 7,700円 (本体7,000円+税)
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はじめに

 “Nursing Process”の邦訳である「看護過程」という用語がわが国の看護界に根づいて久しい.疾患や治療法に基づく画一的な看護ではなく,患者が有する個別の問題に焦点を当て,問題解決技法に基づいたケア計画の立案と看護活動を展開する方式の導入は,ケア対象者一人ひとりの個別性に目を向けることが,質の高い看護ケアに繋がるということを改めて伝えてくれた.
 一方,従来からの病棟基準や看護マニュアルに加えクリニカルパスやケアマップなどは,ある診断群に含まれる人々,同じ治療法(例えば術式,処方)を受ける人々の共通性や同一性に注目し,最大多数の合理性と最大公約数での妥当性からケア方法の道筋を示す方法である.
 本書は,いわばこの両者の考え方を合わせたものであり,疾患名や症状はもとより,病期・病態・重症度などが,患者アセスメント,問題の明確化(看護診断),計画立案での大いなる手がかりとなるよう組み立てられている.
 正直なところ,当初は「疾患別看護過程」というとらえ方に,ぬぐいきれない抵抗感があった.すなわち看護過程は個別のケア展開のためのものであり,それらは疾患別というくくりには馴染まない,と考えてきたからである.また「(医学的)診断によって看護が決定されるのではない,そこに患者さんがいるかぎり看護は存在する」と言われるように,疾患名や治療法が看護に先行するとも考えてはいない.そのような思いを抱えていたが,本書の作成・改訂作業を通し、例えば“疾患”や“症状”を出発点として,考えられる原因や発症機序,必要な検査や治療を視野に入れて看護過程を展開することは可能であり,むしろアセスメント-看護診断-目標-看護活動-評価という順序性にとらわれずに,あらゆる地点からこのサイクルを柔軟かつ大胆に動かせるのだ,という思いを強くした.
 すなわち本書で示す疾患別看護過程とは,複数の看護過程を疾患別に統合したものではない.また,看護過程の展開にあたっては,疾患名はもとより病期・病態・重症度を考慮することが個別性を充実させ,さらに疾患解説に含まれる病因,疫学,症状,合併症,そして治療法の知識がケアの根拠を強固にすることを目指した.もとより看護過程は疾患・病態,治療と切り離しては存在しえないものであり,要は看護過程との融合・連携方法なのであろう.前提としての疾患・治療の知識ではなく,それらを看護過程にいかに有機的に組み込めるかが課題なのである.
 なお本書で使用した看護診断名については「看護診断名索引」を設け,看護診断側からの逆引きが可能となるよう利便性を高めている.
 今回の改訂も最新知識と経験豊かな執筆陣の全面的な協力で,より一層充実したものとなった.加えて電子化時代を意識した構成,レイアウトに知恵を絞っていただいた医学書院編集室の皆様にも心よりのお礼を申し上げたい.
 本書が看護を学ぶ,看護に携わる人々によって,十全に使いこなされ活用されるこ
とがあるなら,それは編纂にかかわった者すべての望外の喜びである.

 2016年11月
 編集者を代表して 井上智子

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 はじめに
 本書の構成と使い方

第1章 呼吸器疾患
 1 気胸
 2 肺炎
 3 間質性肺炎
 4 結核
 5 気管支拡張症
 6 気管支喘息
 7 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
 8 肺血栓塞栓症
 9 肺癌

第2章 循環器疾患
 10 狭心症・心筋梗塞
 11 慢性心不全・うっ血性心不全
 12 不整脈
 13 先天性心疾患
 14 高血圧症・動脈硬化症
 15 解離性大動脈瘤・心タンポナーデ

第3章 消化器疾患
 16 逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)
 17 食道癌
 18 胃癌
 19 胃・十二指腸潰瘍
 20 大腸癌
 21 イレウス(腸閉塞)・腸重積
 22 潰瘍性大腸炎
 23 クローン病
 24 痔核
 25 ウイルス肝炎
 26 肝硬変・門脈圧亢進症(食道静脈瘤含む)
 27 肝臓癌
 28 胆嚢炎・胆石症
 29 膵炎
 30 膵臓癌

第4章 代謝疾患
 31 糖尿病
 32 脂質異常症(高脂血症)
 33 肥満症
 34 高尿酸血症(痛風)

第5章 内分泌疾患
 35 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
 36 甲状腺・下垂体・副腎疾患

第6章 血液・造血器疾患
 37 貧血
 38 白血病
 39 悪性リンパ腫
 40 多発性骨髄腫
 41 播種性血管内凝固(DIC)

第7章 腎疾患
 42 ネフローゼ症候群
 43 糸球体腎炎
 44 急性腎不全
 45 慢性腎臓病:CKD(慢性腎不全)

第8章 泌尿・生殖器疾患
 46 腎腫瘍(腎細胞癌)
 47 腎・尿路結石(腎結石・尿管結石・膀胱結石)
 48 膀胱癌
 49 前立腺肥大症
 50 前立腺癌
 51 尿路感染症(腎盂腎炎・膀胱炎)

第9章 免疫疾患・アレルギー・膠原病
 52 関節リウマチ
 53 全身性エリテマトーデス(SLE)
 54 多発性筋炎・皮膚筋炎
 55 全身性強皮症
 56 シェーグレン症候群
 57 ベーチェット病

第10章 神経・筋疾患
 58 脳出血・くも膜下出血
 59 脳梗塞
 60 脳腫瘍
 61 てんかん
 62 多発性硬化症(視神経脊髄炎含む)
 63 パーキンソン病
 64 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
 65 重症筋無力症

第11章 精神疾患
 66 認知症(血管性認知症・アルツハイマー病)
 67 物質(アルコール・薬物)関連障害
 68 統合失調症
 69 抑うつ(うつ病)
 70 神経症・心因(ストレス)反応
 71 パーソナリティ障害

第12章 感染症
 72 多剤耐性菌感染症
 73 HIV感染症・AIDS
 74 伝染性単核球症
 75 性感染症
 76 麻疹
 77 風疹

第13章 運動器疾患
 78 骨折
 79 椎間板ヘルニア
 80 脊髄損傷
 81 変形性膝関節症・変形性股関節症
 82 大腿骨近位部骨折
 83 骨粗鬆症

第14章 皮膚疾患
 84 アトピー性皮膚炎
 85 蕁麻疹・接触皮膚炎
 86 熱傷
 87 天疱瘡
 88 乾癬
 89 帯状疱疹
 90 疥癬・白癬
 91 悪性黒色腫

第15章 女性生殖器疾患
 92 子宮筋腫
 93 子宮癌(子宮頸癌・子宮体癌)
 94 子宮内膜症
 95 卵巣腫瘍
 96 乳癌

第16章 眼科疾患
 97 白内障
 98 緑内障
 99 流行性角結膜炎
 100 網膜剥離(飛蚊症含む)

第17章 耳鼻咽喉科疾患
 101 難聴
 102 中耳炎
 103 アレルギー性鼻炎
 104 聴神経腫瘍
 105 喉頭癌
 106 舌癌

 看護診断名索引
 索引

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