PCIにいかす
OCT/OFDIハンドブック
目で見てわかるOCT/OFDIアトラスと明日から使えるエビデンス
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冠動脈インターベンションにおける新たな血管内イメージングデバイスとして、今後ますます普及が期待されるOCT/OFDI画像をIVUS画像とも比較しながら読み解いていくアトラス。さらにOCT/OFDIガイドのPCIのために、必要なセットアップ、きれいな画像を撮る手順、治療にいかすコツなどを満載。これまでに蓄積されてきたエビデンスについても十分にページを割いている。
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- 目次
序文
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序文として~本書をカテ室のすべての職種の方に~
発明元が日本なのに海外から逆輸入された製品は案外少なくありません.医療分野では超音波やOCTがそれに該当しますが,特にこれらを応用した血管内イメージングは日本で成熟したといえます.保険承認を許可した大英断と,そのための諸先輩の努力の成果です.とりわけIVUSはエンドポイントの決定・合併症リスク判断といった,PCIの質の向上に大きく寄与して参りました.こうした経験は20年掛けて広く浸透し,屋根瓦式の新人教育を継続することにより高いレベルに到達しました.
OCT/OFDIはどうでしょう.OCT/OFDIはIVUSよりもさらにわが国の貢献度が高く,独壇場に近い感すらあります.しかしながら,画像解釈や活用法のコンセンサスは一部のエキスパート間でシェアされているものの,十分に普及したとはいえません.私はIVUSガイドPCIの適切指標について,半ばライフワークのように研究・提唱して参りました.このように濃厚なIVUSの曝露歴をもつ私ですら,画像解像度が10倍以上高く,スキャニングスピードの違いなど,イメージングの宿命を考えればOCT/OFDIに軍配を上げざるを得ません.したがって,私が取り組むべきことは,むしろこの決定的な新時代画像ツールに,積み上げてきた数十年のIVUSの経験をマージさせ,昇華させることだと思います.
国内のカテ室を見渡すと,「食わず嫌い」の風潮がいまだに残っているようです.OCT/OFDIのもつポテンシャルが十分に理解されていないためでしょう.進歩の追求こそ医学の本能です.より解像度の高い画像を駆使し,治療のクオリティを向上する努力を続けなくてはなりません.もちろん,PCIにいかすOCT/OFDIの知識や画像判読法に関する地道な伝道が不可欠となりますが,そのためには,エキスパート施設への訪問,研究会への参加に加え,いつでも独習できる読みやすい教科書を傍らにお届けする必要もあります.
さまざまな状況や条件を鑑み,OCT/OFDIに造詣の深い一施設の経験を網羅し体系的にまとめることが,多施設の先生の分担による通常の形式よりも役立つ教科書になるのではないかとの思いに至りました.私は約5年前に岩手医科大学に異動しましたが,既にOCT/OFDIの文化が根付き,花開き,教科書を単独で出版できる数少ない施設という印象をもっていました.そこで本書の企画を進めることにしましたが,編集をお願いした伊藤智範教授,房崎哲也准教授のリーダーシップのもと,企画立案から執筆に至るまですべて生え抜きの先生の力だけで完成させました.こうして序文を書いている私は,実質的には監修者というよりも本書の第一番目の「読者」でありかつ「ファン」なのです.この会心の一作を,広く心臓カテーテル治療にかかわるすべてのスタッフにお届けしたいと思います.本書を携え,OCT/OFDIガイドPCIという新しい世界にぜひとも挑戦してみてください.
2017年6月
森野禎浩
発明元が日本なのに海外から逆輸入された製品は案外少なくありません.医療分野では超音波やOCTがそれに該当しますが,特にこれらを応用した血管内イメージングは日本で成熟したといえます.保険承認を許可した大英断と,そのための諸先輩の努力の成果です.とりわけIVUSはエンドポイントの決定・合併症リスク判断といった,PCIの質の向上に大きく寄与して参りました.こうした経験は20年掛けて広く浸透し,屋根瓦式の新人教育を継続することにより高いレベルに到達しました.
OCT/OFDIはどうでしょう.OCT/OFDIはIVUSよりもさらにわが国の貢献度が高く,独壇場に近い感すらあります.しかしながら,画像解釈や活用法のコンセンサスは一部のエキスパート間でシェアされているものの,十分に普及したとはいえません.私はIVUSガイドPCIの適切指標について,半ばライフワークのように研究・提唱して参りました.このように濃厚なIVUSの曝露歴をもつ私ですら,画像解像度が10倍以上高く,スキャニングスピードの違いなど,イメージングの宿命を考えればOCT/OFDIに軍配を上げざるを得ません.したがって,私が取り組むべきことは,むしろこの決定的な新時代画像ツールに,積み上げてきた数十年のIVUSの経験をマージさせ,昇華させることだと思います.
国内のカテ室を見渡すと,「食わず嫌い」の風潮がいまだに残っているようです.OCT/OFDIのもつポテンシャルが十分に理解されていないためでしょう.進歩の追求こそ医学の本能です.より解像度の高い画像を駆使し,治療のクオリティを向上する努力を続けなくてはなりません.もちろん,PCIにいかすOCT/OFDIの知識や画像判読法に関する地道な伝道が不可欠となりますが,そのためには,エキスパート施設への訪問,研究会への参加に加え,いつでも独習できる読みやすい教科書を傍らにお届けする必要もあります.
さまざまな状況や条件を鑑み,OCT/OFDIに造詣の深い一施設の経験を網羅し体系的にまとめることが,多施設の先生の分担による通常の形式よりも役立つ教科書になるのではないかとの思いに至りました.私は約5年前に岩手医科大学に異動しましたが,既にOCT/OFDIの文化が根付き,花開き,教科書を単独で出版できる数少ない施設という印象をもっていました.そこで本書の企画を進めることにしましたが,編集をお願いした伊藤智範教授,房崎哲也准教授のリーダーシップのもと,企画立案から執筆に至るまですべて生え抜きの先生の力だけで完成させました.こうして序文を書いている私は,実質的には監修者というよりも本書の第一番目の「読者」でありかつ「ファン」なのです.この会心の一作を,広く心臓カテーテル治療にかかわるすべてのスタッフにお届けしたいと思います.本書を携え,OCT/OFDIガイドPCIという新しい世界にぜひとも挑戦してみてください.
2017年6月
森野禎浩
目次
開く
1章 OCT/OFDIの基礎と概要
A OCTの歴史
B OCTシステムの画像化原理
C OCTシステムの進化
D OFDI
E まとめ
2章 OCT/OFDIとIVUSの違い
1 基本的な違い
2 プラーク性状評価
3 OCTの長所と短所
4 OCT/OFDIとIVUSの計測値の差
3章 OCT/OFDIアトラス
1 正常血管
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
2 線維性プラーク
定義/OCT画像の読み方
治療戦略
3 脂質性プラーク
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
4 アーチファクト
定義/OCT画像の読み方
5 BRS
定義
治療戦略/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
6 Neo-atherosclerosis
定義/OCT画像の読み方
治療戦略
7 解離
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
8 血腫
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
9 マクロファージ
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
10 石灰化
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
11 急性血栓(赤色,白色,混合)
定義
OCT画像の読み方
IVUSとの比較
治療戦略
12 器質化血栓
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
13 圧着不良
定義/OCT画像の読み方
治療戦略
14 ステントの被覆状態
定義/OCT画像の読み方
15 DCB後
OCT画像の読み方
治療戦略
16 TCFA
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
17 Ruptured Plaque
定義/頻度/好発部位など
18 浸食びらん像
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
19 ステントの変形・損傷
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
20 川崎病後遺症
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
21 グラフトマスター留置後
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
22 ステント内再狭窄
定義/OCT画像の読み方
治療戦略
23 ステント血栓症
定義/OCT所見/IVUSとの比較
治療戦略
24 Stent in stent
定義/OCT・OFDI画像の読み方
治療戦略
4章 OCT/OFDIガイドのPCI
1 OCT/OFDIセットアップ
A カテーテルの準備
B 接続
C 本体のセットアップ
D フラッシュ溶液の選択およびフラッシュ方法
2 撮像のコツと注意点
A ガイドカテーテルの位置
B 造影剤(デキストラン)の注入速度と量
C 特殊な撮像方法
3 Angio Co-Registrationの方法(総論)
A OCT
B OFDI
4 カテーテル室内での解析
A ステント留置前の病変解析
B 留置するステントの長さや径の決定
C ステント留置後の解析
D 慢性期のステント評価
E まとめ
5 OCT/OFDIでのそれぞれのコンソールの特徴と機能
A OCT
B OFDI
5章 OCTのエビデンス
A Pre-intervention
B Post intervention
C Follow up
6章 コアラボ Iwate Core Analysis Laboratory(ICAL)でのOCT/
OFDI定量・定性解析の手法とデータ管理
A コアラボとは
B 解析手法の概要
C コアラボの問題点
D 最後に
Tips & Tricks
冠動脈入口部の観察方法
Push法
計測についての注意点
索引
A OCTの歴史
B OCTシステムの画像化原理
C OCTシステムの進化
D OFDI
E まとめ
2章 OCT/OFDIとIVUSの違い
1 基本的な違い
2 プラーク性状評価
3 OCTの長所と短所
4 OCT/OFDIとIVUSの計測値の差
3章 OCT/OFDIアトラス
1 正常血管
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
2 線維性プラーク
定義/OCT画像の読み方
治療戦略
3 脂質性プラーク
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
4 アーチファクト
定義/OCT画像の読み方
5 BRS
定義
治療戦略/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
6 Neo-atherosclerosis
定義/OCT画像の読み方
治療戦略
7 解離
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
8 血腫
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
9 マクロファージ
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
10 石灰化
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
11 急性血栓(赤色,白色,混合)
定義
OCT画像の読み方
IVUSとの比較
治療戦略
12 器質化血栓
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
13 圧着不良
定義/OCT画像の読み方
治療戦略
14 ステントの被覆状態
定義/OCT画像の読み方
15 DCB後
OCT画像の読み方
治療戦略
16 TCFA
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
17 Ruptured Plaque
定義/頻度/好発部位など
18 浸食びらん像
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
19 ステントの変形・損傷
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
20 川崎病後遺症
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
21 グラフトマスター留置後
定義/OCT画像の読み方/IVUSとの比較
治療戦略
22 ステント内再狭窄
定義/OCT画像の読み方
治療戦略
23 ステント血栓症
定義/OCT所見/IVUSとの比較
治療戦略
24 Stent in stent
定義/OCT・OFDI画像の読み方
治療戦略
4章 OCT/OFDIガイドのPCI
1 OCT/OFDIセットアップ
A カテーテルの準備
B 接続
C 本体のセットアップ
D フラッシュ溶液の選択およびフラッシュ方法
2 撮像のコツと注意点
A ガイドカテーテルの位置
B 造影剤(デキストラン)の注入速度と量
C 特殊な撮像方法
3 Angio Co-Registrationの方法(総論)
A OCT
B OFDI
4 カテーテル室内での解析
A ステント留置前の病変解析
B 留置するステントの長さや径の決定
C ステント留置後の解析
D 慢性期のステント評価
E まとめ
5 OCT/OFDIでのそれぞれのコンソールの特徴と機能
A OCT
B OFDI
5章 OCTのエビデンス
A Pre-intervention
B Post intervention
C Follow up
6章 コアラボ Iwate Core Analysis Laboratory(ICAL)でのOCT/
OFDI定量・定性解析の手法とデータ管理
A コアラボとは
B 解析手法の概要
C コアラボの問題点
D 最後に
Tips & Tricks
冠動脈入口部の観察方法
Push法
計測についての注意点
索引
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。