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看護実践・教育のための測定用具ファイル 第3版
開発過程から活用の実際まで

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看護実践・看護教育のさまざまな現場において効果を測定する評価尺度の定本、改訂第3版。1996年の初版以来、監修者らが開発と検証を続けてきた25の尺度に加え、患者安全や問題解決行動に焦点を当てたもの、新たに訪問看護師・助産師・養護教諭を対象とするもの、学生対象の技術演習や実習のためのスケールなどを追加し、合計40尺度となった。

監修 舟島 なをみ
発行 2015年10月判型:B5頁:480
ISBN 978-4-260-02165-4
定価 5,500円 (本体5,000円+税)
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第3版 序

 『看護実践・教育のための測定用具ファイル-開発過程から活用の実際まで-』は,2006年に誕生し,2009年に第2版,そして2015年,第3版の出版を実現した。初版は18種類,第2版は25種類の測定用具が掲載され,各測定用具の使用許諾の申請は,途絶えることなく届いている。第3版は,第2版に掲載された25種類とともに,新たに開発された14種類を含む合計39種類の測定用具により構成されている。14種類の測定用具は,すべて質的帰納的研究の成果に基づき質問項目が作成され,信頼性と妥当性を確保するための過程を丁寧にたどっており,この全過程に3年から5年を要している。決して,容易な道のりではないことは言うまでもない。
 容易ならざるこの道のりを乗り越え,著書としての出版にこぎ着けた最大の原動力は,途絶えることのない使用許諾申請の存在にある。著者等は,使用許諾申請の受理と許諾の返信という活動の反復と継続を通して,測定用具を活用する看護職者と繋がり,質的帰納的研究の成果に基づく測定用具開発の価値と重要性を実感している。
 また,使用許諾申請に勝るとも劣らないほど大きな原動力は,「看護教育学」という学問の特徴にもある。看護教育学は,看護職者個々の発達の支援を通して看護の対象に質の高い看護を提供することを目的とする学問であり,看護職が専門職として発達していくために必要な看護基礎・卒後・継続教育に必要な知識や技術の開発を目指している。専門職としての看護職者の発達を支援する一手段として,自己評価に活用可能な測定用具の存在は重要であり,それは自己評価が専門職としての必須要件である自律に直結することに起因する。これも筆者等が容易ならざる道のりを歩み続ける原動力である。
 『看護実践・教育のための測定用具ファイル-開発過程から活用の実際まで-』第3版は全10章から構成され,第3章以降に全39種類の測定用具が掲載されている。このうち,7種類の測定用具が「第3章 看護実践の質を測定する」を構成し,7種類のうち3種類が新たに開発された。3種類とは,「患者安全のための看護実践自己評価尺度-病棟看護師用-」「看護師の問題解決行動自己評価尺度」「研究成果活用力自己評価尺度-臨床看護師用-」である。
 また,39種類のうち2種類が「第4章 看護師の役割遂行状況の質を測定する」を構成し,このうち1種類,「勤務帯リーダー役割自己評価尺度」が新たに開発された。
 さらに39種類のうち12種類が,「第5章 教育活動の質を測定する」を構成し,このうち2種類が新たに開発された。2種類とは,「研修過程評価スケール-院内教育用-」「教授活動自己評価尺度-看護学講義用-」である。
 「研修過程評価スケール-院内教育用-」は測定用具の名称が表すように看護継続教育に適用でき,院内教育を担当する看護職者がこの測定用具を希求している。先述したように,看護教育学は,看護基礎教育,看護卒後教育,看護継続教育をその範疇に含み,初版に看護基礎教育の授業過程評価に活用可能な測定用具を掲載し,第3版に看護継続教育の授業過程評価に活用可能な測定用具「研修過程評価スケール-院内教育用-」を加えたが,看護卒後教育の授業過程評価に活用可能な測定用具を掲載することはできなかった。しかし,すでに「授業過程評価スケール-修士課程用-」の開発は終了しており,第4版への展望が開ければ,掲載の実現は容易である。また,第5章は,看護学実習用,実習カンファレンス用,看護技術演習用,グループワーク用,4種類の教授活動自己評価尺度を含む。しかし,授業形態として最も多用される講義に着眼した測定用具は,第2版出版時,未開発であった。第3版は,念願の「教授活動自己評価尺度-看護学講義用-」を掲載でき,看護基礎教育課程の教授活動を対象とした自己評価尺度の開発はやっとゴールに到達した。一方,卒後教育に活用可能な教授活動自己評価尺度の開発は,やっと,緒に就いたところであり,大学院博士前期・後期課程の講義,演習,研究指導の自己評価に活用可能な測定用具開発に挑んでいかなければならない。
 39種類のうち3種類が,「第6章 学生の自己評価を支援する」を構成し,このうち2種類が新たに開発された。2種類とは,「学習活動自己評価尺度-看護技術演習用-」「看護学実習中の学習経験自己評価尺度」である。これら3種類は,今,まさに看護学を学ぶ学生が自律して学習を進めるために,また,将来,自律した看護職者へと発達するために,重要な意味をもつ測定用具である。ぜひ,活用を推奨していただきたい。
 39種類のうち2種類が,「第7章 職業活動に伴う多様な状況を測定する」を構成するが,ここに含まれる新たな測定用具は開発されていない。
 また,39種類のうち12種類が,「第8章 学習ニードを測定する」と「第9章 教育ニードを測定する」を構成する。このうち,助産師,訪問看護師,養護教諭用の学習ニードアセスメントツール,教育ニードアセスメントツールが新たに加わった。筆者等は,職種別,役職別,役割別という観点からこの測定用具開発を継続してきたが,専門領域別という観点からこの測定用具を開発していない。しかし,この研究もなんとかゴールに到達したように感じている。それは,看護教育学が看護学教育の普遍的な要素を研究対象とし,専門領域別の学習ニード,教育ニードアセスメントツールの開発は,各領域別の専門性をもつ研究者の役割であると考えるためである。現在,著者等は次なるステップへ移行しており,魅力的かつ意義深い,地に足のついた継続教育を提供するために看護実践に携わっている看護職者がどのような問題に直面しているのかを診断する測定用具の開発に着手している。
 第10章は「異文化間比較を行う」であり,測定用具1種類により構成されている。

 また,この第3版より,各測定用具の使用許諾申請は出版社のWebサイトから行うことになった。測定用具を活用してくださる看護職者の皆様から届く,許諾申請の利便性の向上と許諾取得の迅速化への要望を反映した結果である。具体的な手順は,本書の付録を参照されたい。各測定用具の内容についての問い合わせ先は本書447頁にあるとおりである。
 第3版の出版に向け,多くの方々にご支援いただいた。望月美知代さんには,改訂のための執筆者会議の運営を始めとし,校正やその他,多種多様の支援をいただいた。また,医学書院の青木大祐氏と北原拓也氏には,本書の完成に向け細やかな配慮をいただいた。第3版は,初版より踏襲してきた許諾の手続きを変更し,Webによる電子申請が可能な方法を導入した。使用してくださる方々の切実な声を反映した結果であるが,医学書院関係者御一同の協力なくしては,この変更を実現できなかった。心から感謝申し上げる。

 筆者等は,現在もなお,新たな測定用具を開発し続けている。例えば,「授業過程評価スケール-教養教育用-」,「研究指導過程評価スケール-修士課程用-」などである。今後,終わりのないこの仕事をどのように継続し,発展させるのか,筆者等にとって重大な課題である。また,この課題への回答に行き着くために,「看護教育学」の定義が羅針盤となるように感じている。

 2015年8月
 舟島なをみ

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第1章 看護教育学における測定用具開発の理念と特徴
   A 測定用具開発の理念
   B 測定用具の開発過程
   C 開発された測定用具の特徴

第2章 測定用具の活用可能性と活用上の留意点
   A 測定用具の活用可能性
   B 測定用具活用上の留意点

第3章 看護実践の質を測定する
   A 患者安全のための看護実践自己評価尺度-病棟看護師用-
   B 看護師の問題解決行動自己評価尺度
   C 看護実践の卓越性自己評価尺度-病棟看護師用-
   D 研究成果活用力自己評価尺度-臨床看護師用-
   E 看護問題対応行動自己評価尺度
   F 在宅看護の質自己評価尺度
   G 看護師目標達成行動尺度

第4章 看護職の役割遂行状況を測定する
   A プリセプター役割自己評価尺度
   B 勤務帯リーダー役割自己評価尺度

第5章 教育活動の質を測定する
 授業過程の質を測定する
  看護基礎教育
   A 授業過程評価スケール-看護学講義用-
   B 授業過程評価スケール-看護技術演習用-
   C 授業過程評価スケール-看護学実習用-
  看護継続教育
   A 研修過程評価スケール-院内教育用-
 教授活動の質を測定する
   A 教授活動自己評価尺度-看護学講義用-
   B 教授活動自己評価尺度-看護学実習用-
   C 教授活動自己評価尺度-看護学実習カンファレンス用-
   D 教授活動自己評価尺度-看護技術演習用-
   E 教授活動自己評価尺度-グループワーク用-
   F 看護学教員ロールモデル行動自己評価尺度
 看護学教育組織運営を測定する
   A 看護系大学組織運営評価インベントリ-大学版・短期大学版-
   B 看護専門学校組織運営評価インベントリ

第6章 学生の自己評価を支援する
   A 学習活動自己評価尺度-看護技術演習用-
   B 学習活動自己評価尺度-看護学実習用-
   C 看護学実習中の学習経験自己評価尺度

第7章 職業活動に伴う多様な状況を測定する
   A 職業経験評価尺度-臨床看護師用-
   B Nursing Stress Scale(日本語版)

第8章 学習ニードを測定する
   A 学習ニードアセスメントツール-臨床看護師用-
   B 学習ニードアセスメントツール-保健師用-
   C 学習ニードアセスメントツール-助産師用-
   D 学習ニードアセスメントツール-訪問看護師用-
   E 学習ニードアセスメントツール-養護教諭用-
   F 学習ニードアセスメントツール-看護学教員用-

第9章 教育ニードを測定する
   A 教育ニードアセスメントツール-臨床看護師用-
   B 教育ニードアセスメントツール-保健師用-
   C 教育ニードアセスメントツール-助産師用-
   D 教育ニードアセスメントツール-訪問看護師用-
   E 教育ニードアセスメントツール-養護教諭用-
   F 教育ニードアセスメントツール-看護学教員用-

第10章 異文化間比較を行う
   A 看護学教員ロールモデル行動自己評価尺度(英語版)

付録
 1 使用許諾手続きの流れ
 2 測定用具別問い合わせ先
 3 研究のための尺度翻訳に関する契約書

索引

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読者の皆様へ 「測定用具使用許諾申請」について
本書445頁 付録1「使用許諾手続きの流れ」をご参照のうえ、下のリンクからお手続きください。

測定用具使用許諾申請にあたって

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