今日の整形外科治療指針 第7版
整形外科臨床に関するすべての情報を収載した総合診療ガイド
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第一線の専門医による最新の知見と臨床のノウハウをまとめた、定評ある“整形外科疾患の診療事典”の全面改訂版。治療に加えて、診断やケアなど総合的に記載。手術療法に加え、保存療法も紹介。その他、問診、リハビリや患者説明のポイントについても触れている。今版から、章ごとに各分野のトピックスならびに先端医療についてコラム形式で紹介。全項目全面書き下ろしによる、整形外科臨床に携わるすべての医療関係者必携の書。
シリーズ | 今日の治療指針 |
---|---|
編集 | 土屋 弘行 / 紺野 愼一 / 田中 康仁 / 田中 栄 / 松田 秀一 |
発行 | 2016年05月判型:B5頁:952 |
ISBN | 978-4-260-02202-6 |
定価 | 19,800円 (本体18,000円+税) |
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- 序文
- 目次
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序文
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第7版 序
この度,本書の第7版を出版する運びとなりました.1987年の初版からは29年,前版からは6年が経過しています.今回は編集者が全面交代となり,前版をご担当された国分正一,岩谷力,落合直之,佛淵孝夫の4氏に代わり,紺野愼一,田中栄,田中康仁,土屋弘行,松田秀一の5名で編集を担当しました.
前版から今回の第7版までの6年間に整形外科の診断と治療は大きな発展を遂げています.前版で「第1章 診断と治療総論」のなかに項目立てしていた“トピックス”を,今版では章ごとに,その分野特有の「トピックス」として,本文とは別にコラム形式で掲載しました.併せて各分野において,既に実臨床で試験的に行われていて,実用化の期待できる先進的医療を「先端医療」として紹介しています.そして,長年臨床に携わってこられた先生がたによるコラム「私のノートから/My Suggestion」は今版でも継続しています.エビデンスが重要であるのは論を俟たないわけですが,医学は経験によるところも非常に大きく,豊富な経験をお持ちの先人たちに,整形外科の核心部分に触れた示唆をいただきました.
総章数はこれまでと同一の全28章となり,総項目数624項(前版より27項目増加),総筆者数431名(117名増加)となっています.編集者の変更に伴い,すべての章にわたって項目を追加ないし細分化したことにより項目数が増えています.また新たに,章の冒頭に各部位の臨床的に重要な解剖についての項目を多数設けました.さらに,これまで複数項目をご担当いただいている先生がたが多数いらっしゃったのを,今回の版ではできる限りお一人が担当する項目数を最小限に絞ったことにより執筆者数が100名以上増えました.ご多用の中,執筆の労を厭わず,ご協力くださった執筆者各位に厚く御礼申し上げます.
日本整形外科学会などから,整形外科疾患に関する診療ガイドラインがいくつか発表されています.しかし,整形外科の守備範囲は膨大であり,ガイドラインを取り揃えることは不可能です.本書では,臨床経験が豊富で,それぞれの分野で指導的立場にある先生がたに,これまでの整形外科医療の進歩を踏まえたうえで,現時点における最良の治療指針を執筆していただきました.本書が,実践的な「整形外科疾患の診療事典」として,整形外科医のみならず,一般外傷医,看護師,理学・作業療法士などの皆様に大いに活用され,それが最終的に整形外科医療を必要とする全ての病者の幸せに結びつくことを心より願っています.
2016年5月
編集者一同
この度,本書の第7版を出版する運びとなりました.1987年の初版からは29年,前版からは6年が経過しています.今回は編集者が全面交代となり,前版をご担当された国分正一,岩谷力,落合直之,佛淵孝夫の4氏に代わり,紺野愼一,田中栄,田中康仁,土屋弘行,松田秀一の5名で編集を担当しました.
前版から今回の第7版までの6年間に整形外科の診断と治療は大きな発展を遂げています.前版で「第1章 診断と治療総論」のなかに項目立てしていた“トピックス”を,今版では章ごとに,その分野特有の「トピックス」として,本文とは別にコラム形式で掲載しました.併せて各分野において,既に実臨床で試験的に行われていて,実用化の期待できる先進的医療を「先端医療」として紹介しています.そして,長年臨床に携わってこられた先生がたによるコラム「私のノートから/My Suggestion」は今版でも継続しています.エビデンスが重要であるのは論を俟たないわけですが,医学は経験によるところも非常に大きく,豊富な経験をお持ちの先人たちに,整形外科の核心部分に触れた示唆をいただきました.
総章数はこれまでと同一の全28章となり,総項目数624項(前版より27項目増加),総筆者数431名(117名増加)となっています.編集者の変更に伴い,すべての章にわたって項目を追加ないし細分化したことにより項目数が増えています.また新たに,章の冒頭に各部位の臨床的に重要な解剖についての項目を多数設けました.さらに,これまで複数項目をご担当いただいている先生がたが多数いらっしゃったのを,今回の版ではできる限りお一人が担当する項目数を最小限に絞ったことにより執筆者数が100名以上増えました.ご多用の中,執筆の労を厭わず,ご協力くださった執筆者各位に厚く御礼申し上げます.
日本整形外科学会などから,整形外科疾患に関する診療ガイドラインがいくつか発表されています.しかし,整形外科の守備範囲は膨大であり,ガイドラインを取り揃えることは不可能です.本書では,臨床経験が豊富で,それぞれの分野で指導的立場にある先生がたに,これまでの整形外科医療の進歩を踏まえたうえで,現時点における最良の治療指針を執筆していただきました.本書が,実践的な「整形外科疾患の診療事典」として,整形外科医のみならず,一般外傷医,看護師,理学・作業療法士などの皆様に大いに活用され,それが最終的に整形外科医療を必要とする全ての病者の幸せに結びつくことを心より願っています.
2016年5月
編集者一同
目次
開く
1 診断と治療総論
[診断総論]
2 外傷
3 スポーツ外傷と障害
4 感染性疾患
5 関節リウマチ,慢性関節疾患および骨壊死症
6 骨・軟部腫瘍および腫瘍類似疾患
7 骨系統疾患,代謝性骨疾患
■骨系統疾患
8 筋・神経疾患
9 末梢循環障害,壊死性疾患
10 運動器リハビリテーション
11 肩甲帯の疾患
12 上腕の疾患
13 肘関節の疾患
14 前腕の疾患
15 手関節の疾患
16 手の疾患
17 脊椎・脊髄疾患
18 脊柱変形
19 頚椎部の疾患
20 胸椎部,胸郭の疾患
21 腰・仙椎部の疾患
22 骨盤の疾患
23 股関節の疾患
24 下肢全体の問題
25 大腿の疾患
26 膝関節の疾患
27 下腿の疾患
28 足関節,足部の疾患
付録
和文索引
欧文索引
[私のノートから/My Suggestion]
[トピックス]
[先端医療]
[診断総論]
三次元CTと三次元MRI/関節穿刺法と関節液検査/筋力訓練・測定器/神経伝導速度検査と筋電図/脊髄誘発電位と術中脊髄モニタリング/超音波診断/サーモグラフィー/脊髄造影/椎間板造影/神経根造影/シンチグラフィー/骨塩定量法
[治療総論]自己血輸血/肺血栓塞栓症/院内・手術室内感染対策/整形外科手術に対する麻酔法の選択/硬膜外ブロック/超音波ガイド下神経ブロック/頭蓋直達牽引とhalo vest固定/関節鏡視下手術と手術機器/骨延長[術]/骨移植と骨バンク/人工生体材料(人工骨)/針刺し事故/インフォームド・コンセント/レストレスレッグス症候群
2 外傷
外傷性ショック/多発外傷の初期治療/多発骨折とそのピットホール/汚染・挫滅創のプライマリ・ケア/外傷性軟部組織欠損/圧挫症候群/脂肪塞栓症候群/骨折のプレート固定/骨折の髄内釘固定/打撲,挫傷,捻挫/幼児の骨折の特殊性/高齢者の骨折の特殊性/関節内骨折と脱臼骨折の特殊性/被虐待児症候群における骨折/脆弱性骨折/遷延治癒骨折,偽関節/骨折の基本的整復法/副子・ギプス包帯固定法/骨折の創外固定/骨折に対する低出力超音波パルス療法/血管損傷総論/末梢神経損傷総論/区画症候群(コンパートメント症候群)/外傷後の急性骨萎縮/外傷後の異所性骨化,外傷性骨化性筋炎/外傷肢切断の適応基準/集団災害
3 スポーツ外傷と障害
スポーツ整形外科とは/スポーツ競技者の診療で考慮すべきこと/内科的メディカルチェック/整形外科的メディカルチェック/スポーツによる内科的障害/運動性無月経/スポーツ外傷・障害に対する現場での応急処置/スポーツ外傷と障害の予防/下肢の筋挫傷と肉ばなれ/スポーツによる疲労骨折/スポーツによる肩関節部の外傷・障害/スポーツによる上腕の外傷・障害/スポーツによる肘関節の外傷・障害/スポーツによる手関節・手部の外傷・障害/骨盤・股関節のスポーツ外傷・障害/スポーツによる頚部の外傷・障害/スポーツによる腰背部の外傷・障害/スポーツによる大腿・膝・下腿部の外傷・障害/スポーツによる足部・足関節の外傷・障害/成長期のスポーツ外傷・障害の留意事項/中高年者のスポーツ外傷・障害の留意事項
4 感染性疾患
起炎菌の今日的特徴/MRSAによる感染症/化膿性疾患の化学療法/真菌による感染症/嫌気性菌による感染症/蜂巣炎(蜂窩織炎)/急性化膿性関節炎/急性化膿性骨髄炎/慢性化膿性骨髄炎/Brodie膿瘍/Garré[硬化性]骨髄炎/開放骨折後の骨髄炎/皮膚や骨欠損を伴う骨髄炎/内固定材料使用後の感染/人工関節置換後の感染/骨・関節結核および非結核性抗酸菌症/感染に対する高気圧酸素療法/壊死性筋膜炎/化膿性脊椎炎/脊椎インプラント術後感染/結核性脊椎炎
5 関節リウマチ,慢性関節疾患および骨壊死症
関節リウマチの新しい治療体系/関節リウマチの薬物療法/関節リウマチ合併症の治療/関節リウマチのリハビリテーション,機能訓練と装具療法/関節リウマチの外科治療/若年性特発性関節炎/高齢発症の関節リウマチ/悪性関節リウマチ/高尿酸血症/痛風/偽痛風/塩基性リン酸カルシウム結晶沈着症,アパタイト結晶沈着症/関節血症/関節内遊離体(関節ねずみ)/滑膜骨軟骨腫症/離断性骨軟骨炎/血友病性関節炎/神経病性関節症(Charcot関節)/糖尿病性関節症/特発性骨壊死
6 骨・軟部腫瘍および腫瘍類似疾患
骨・軟部腫瘍診断の手順/骨・軟部腫瘍の画像診断/骨・軟部腫瘍の病理診断/骨・軟部腫瘍の遺伝子診断/生検術/悪性骨・軟部腫瘍の化学療法/悪性骨・軟部腫瘍の放射線療法/悪性骨・軟部腫瘍の切除縁/骨腫瘍切除後再建(人工関節)/生物学的再建術/悪性腫瘍の緩和ケア/良性骨腫瘍および腫瘍類似病変/骨巨細胞腫/骨組織球症(好酸球性肉芽腫)/良性軟部腫瘍/色素性絨毛結節性滑膜炎/デスモイド型線維腫症/骨肉腫/軟骨肉腫/Ewing肉腫/未分化多形肉腫(いわゆる“MFH”)/脂肪肉腫/滑膜肉腫/線維肉腫/平滑筋肉腫/横紋筋肉腫/悪性末梢神経鞘腫瘍/悪性リンパ腫,白血病/多発性骨髄腫/脊索腫/四肢の転移性骨腫瘍
7 骨系統疾患,代謝性骨疾患
■骨系統疾患
骨系統疾患の臨床診断/骨系統疾患国際命名・分類2010/遺伝子診断とカウンセリング/骨系統疾患のX線診断/出生前診断
■FGFR3軟骨異形成症グループ概説/軟骨無形成症/軟骨低形成症
■2型コラーゲングループおよび類似疾患概説/先天性脊椎骨端異形成症/Kniest骨異形成症/Stickler骨異形成症
■Filaminグループと関連疾患Larsen症候群
■短肋骨異形成症グループ軟骨外胚葉異形成症
■多発性骨端異形成症および偽性軟骨無形成症グループ多発性骨端異形成症/偽性軟骨無形成症
■骨幹端異形成症Schmid型骨幹端異形成症/McKusick型軟骨・毛髪低形成症
■脊椎骨幹端異形成症概説
■脊椎・骨端(・骨幹端)異形成症遅発性脊椎骨端異形成症
■遠位肢異形成症毛髪鼻指節異形成症
■遠位中間肢異形成症遠位中間肢異形成症
■中間肢・近位肢中間肢異形成症Leri-Weill型異軟骨骨症
■弯曲骨異形成症概説
■点状軟骨異形成症グループ概説
■骨変形を伴わない骨硬化性疾患グループ大理石骨病/濃化異骨症/流蝋骨症/骨斑紋症
■骨幹端・骨幹罹患を伴う骨硬化性疾患グループ骨幹異形成症(Camurati-Engelmann病)/Pyle病
■骨形成不全症と骨密度低下を示すグループ骨形成不全症/若年性特発性骨粗鬆症
■異常骨石灰化グループ低フォスファターゼ症/低リン血症性くる病
■骨変化を伴うリソソーム蓄積症(多発性異骨症グループ)ムコ多糖症/ムコ脂質症(ムコリピドーシス)
■骨格成分の発生異常グループ多発性軟骨性外骨腫症/内軟骨腫症,Ollier病/進行性骨化性線維異形成症/Marfan症候群
■骨格罹患を示す過成長症候群進行性偽性リウマチ様骨異形成症
■鎖骨頭蓋異形成症グループ鎖骨頭蓋異形成症
■頭蓋骨癒合症候群Apert症候群
■短指症(骨外形態異常を伴う/伴わない)Poland症候群
■代謝性骨疾患,その他骨軟化症,くる病/腎性骨ジストロフィー(腎性骨異栄養症)/骨Paget病/骨粗鬆症/McCune-Albright症候群
8 筋・神経疾患
筋・神経疾患の臨床診断/整形外科医に必要な筋・神経疾患の検査法/進行性筋ジストロフィー/多発性筋炎/多発ニューロパチー/Charcot-Marie-Tooth病/先天性無痛無汗症/神経痛性筋萎縮[症]/糖尿病神経障害(糖尿病性ニューロパチー)/帯状疱疹後神経痛/周期性四肢麻痺/脳性麻痺の療育/脳性麻痺の手術療法/重複障害児の療育管理指導/異所[性]骨化
9 末梢循環障害,壊死性疾患
主幹動脈損傷/急性動脈閉塞/閉塞性血栓血管炎(Buerger病)/閉塞性動脈硬化症/循環障害肢切断の適応/Raynaud病,Raynaud症候群/振動障害の治療/複合性局所疼痛症候群タイプ1/下肢静脈瘤/深部静脈血栓症/リンパ浮腫/下腿潰瘍,うっ滞性潰瘍/褥瘡の管理と対策
10 運動器リハビリテーション
運動器リハビリテーションの考え方/運動器疾患患者の機能評価/高齢者のリスク管理と運動処方/高齢者の移動能力評価/関節可動域テスト,徒手筋力テスト/筋力増強訓練,ストレッチング/ADL訓練/関節拘縮に対する運動療法/温熱・冷熱療法の考え方と処方/骨折・脱臼のリハビリテーション/運動器不安定症/転倒予防/片麻痺患者のリハビリテーション/神経・筋疾患患者のリハビリテーション/上肢装具/下肢装具/体幹装具/靴型装具/義手の処方と装着訓練/義足の処方と装着訓練/車椅子,歩行補助具/運動器リハビリテーション実施計画の立て方/補装具の公的支給と手続き/労災補償の手続き/身体障害者診断書の記入の仕方/在宅生活支援の社会資源/介護保険の仕組み/介護保険における主治医意見書/障害年金診断書の記入の仕方/関節リウマチ患者と介護保険/関節リウマチ患者の在宅生活支援/脳卒中患者と介護保険/脳卒中患者の在宅生活支援
11 肩甲帯の疾患
肩関節の機能解剖/肩関節の診察法/肩の痛みのコントロール/肩疾患のX線診断/肩疾患のMRI診断/肩疾患の超音波診断/肩のバイオメカニクス/肩腱板断裂の病態と診断/肩腱板断裂の治療/肩関節の鏡視診断と鏡視下手術/胸鎖関節部の疾患と外傷/外傷性肩関節脱臼/非外傷性肩関節亜脱臼(不安定症)/肩関節唇損傷/上腕二頭筋腱の障害/肩関節の人工関節手術/肩甲帯の先天異常/肩こりの治療/腕神経叢損傷,分娩麻痺/胸郭出口症候群/石灰性腱炎/肩鎖関節部の疾患と外傷/肩甲骨骨折/鎖骨骨折/肩のリハビリテーション/五十肩(凍結肩)/投球障害肩/変形性肩関節症/リウマチ肩
12 上腕の疾患
上腕の解剖/上腕骨近位部骨折/上腕骨骨幹部骨折/上腕骨顆上骨折/上腕骨外側顆骨折/上腕骨内側顆骨折/上腕骨内側上顆骨折/上腕骨滑車形成不全[症]/上腕骨頭の無腐性壊死/上腕二頭筋腱・三頭筋腱皮下断裂
13 肘関節の疾患
肘関節の機能解剖/肘の痛みのとらえ方/診断手順/肘頭骨折/肘関節脱臼/橈骨頭骨折,橈骨頚部骨折/先天性橈骨頭脱臼/肘内障/上腕骨上顆炎/内反肘,外反肘/肘関節の離断性骨軟骨炎/肘周辺の異所性骨化(骨化性筋炎)/変形性肘関節症/リウマチ肘/靱帯損傷/肘関節不安定症
14 前腕の疾患
前腕の解剖/前腕骨骨幹部骨折/Monteggia骨折/Galeazzi骨折/橈骨遠位部骨折の分類/Colles骨折/Smith骨折/Barton骨折/Madelung変形/Volkmann拘縮/先天性橈尺骨癒合症/橈骨神経麻痺(後骨間神経麻痺を含む)/正中神経麻痺(手根管症候群,前骨間神経麻痺を含む)/尺骨神経麻痺(上肢全体について)/肘部管症候群/上肢における注射麻痺
15 手関節の疾患
手関節の機能解剖/手関節痛のとらえ方/診断手順/手関節の画像診断/手関節鏡/月状骨周囲脱臼,月状骨脱臼/舟状骨骨折/有鉤骨鉤骨折/有頭骨骨折/遠位橈尺関節脱臼/三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷/Kienböck病(月状骨軟化症)/Preiser病/リウマチ手関節/手根不安定症/de Quervain病(橈骨茎状突起痛)/内反手/手根管症候群/尺骨神経管症候群/尺骨突き上げ症候群
16 手の疾患
手の解剖/中手骨骨折/指基節骨骨折/MP関節脱臼/PIP関節脱臼骨折/槌指(ついし,つちゆび)/Bennett骨折,Roland骨折/ボタン穴変形/白鳥のくび変形/指尖損傷/手袋状剥皮損傷/高圧注入損傷/手・指切断傷/指屈筋腱損傷/指伸筋腱損傷/屈筋腱皮下断裂/ばね指(母指と他指の屈筋腱狭窄性腱鞘炎)/母指MP関節ロッキング,示指MP関節ロッキング/Heberden結節/母指CM関節症/先天性握り母指症/合指症/多指症/合短指症/先天性絞扼輪症候群/裂手/屈指症,斜指症/先天性風車翼状手/巨指症/母指形成不全/Dupuytren拘縮/リウマチ手指変形/指屈筋腱化膿性腱鞘炎/ひょう疽/爪周囲炎/石灰性(化)腱炎/[太鼓]ばち指/ガングリオン/グロムス腫瘍/内軟骨腫/内軟骨腫症(Ollier病)/Maffucci症候群/傍骨性軟骨腫/腱鞘巨細胞腫/手・指の循環障害/痙性[麻痺]手/書痙/複合性局所疼痛症候群
17 脊椎・脊髄疾患
脊柱の機能解剖/整形外科的脊椎・脊髄疾患のとらえ方/診断手順/神経内科的脊髄疾患診断の進め方/化膿性脊椎炎/脊椎カリエス(結核性脊椎炎)/原発性脊椎腫瘍/転移性脊椎腫瘍/骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折/透析性脊椎症/脊髄髄内腫瘍/脊髄髄外腫瘍/脊髄くも膜嚢腫/脊髄動静脈奇形/脊髄出血/前脊髄動脈症候群/癒着性くも膜炎,くも膜憩室(嚢腫)/脊髄空洞症/脊髄外傷後の脊髄空洞症/多発性硬化症/脊髄小脳変性症/筋萎縮性側索硬化症/脊髄炎/むち打ち損傷(外傷性頚部症候群)/低髄液圧症候群
18 脊柱変形
思春期特発性側弯症に対する保存療法/特発性側弯症の手術療法/先天性脊柱側弯症/Marfan症候群による脊柱変形/多発性神経線維腫症に合併した脊柱変形の治療/腰椎変性後側弯症/変性腰椎後弯/Scheuermann病/Calvé扁平椎/老人性円背/椎弓切除後の脊柱変形/脊椎外傷後の進行性脊柱変形/神経・筋原性疾患に伴う脊柱変形
19 頚椎部の疾患
頚椎の解剖/頚部痛,上肢痛のとらえ方/診断手順/頚部脊髄障害のとらえ方/診断手順/頭蓋底陥入症/環椎後頭骨癒合/歯突起の形成異常/Chiari奇形/Klippel-Feil症候群/環軸椎回旋位固定/筋性斜頚/痙性斜頚/急性頚部椎間板石灰化症/頚椎椎間板ヘルニア/頚椎症性神経根症/頚椎症性脊髄症/頚椎後縦靱帯骨化症/頚椎黄色靱帯石灰化症/頚椎屈曲性脊髄症/Pancoast症候群/頚性頭痛,頚性めまい/頚椎リウマチ病変/上位頚椎・頚髄損傷/中下位頚椎・頚髄損傷/頚椎症性筋萎縮症
20 胸椎部,胸郭の疾患
胸椎の解剖/脊髄損傷の褥瘡/脊髄損傷患者の急性期の排尿管理/脊髄損傷患者の慢性期の排尿管理/胸部脊髄障害のとらえ方/診断手順/胸椎後縦靱帯骨化症/胸椎黄色靱帯骨化症/肋骨骨折,胸骨骨折/胸椎椎間板ヘルニア/胸肋鎖骨肥厚症/背痛,胸郭痛のとらえ方/診断手順/胸腰椎部脊椎・脊髄損傷
21 腰・仙椎部の疾患
腰椎・仙椎の解剖/腰痛,下肢痛のとらえ方/診断手順/二分脊椎/脊髄係留症候群/急性腰痛発作の初期治療/慢性腰痛の保存療法/非器質性腰痛/若年者の腰椎椎間板ヘルニア/成人の腰椎椎間板ヘルニア/高齢者の腰椎椎間板ヘルニア/腰椎外側椎間板ヘルニア/内視鏡下椎間板切除術/腰椎再手術(医原性術後障害)/成人の腰椎分離症・腰椎分離すべり症/発育期腰椎分離症/腰椎変性すべり症/腰部脊柱管狭窄症/椎間関節嚢腫,ガングリオン/Schmorl結節/椎体辺縁分離/腰椎不安定症/梨状筋症候群/化膿性腸腰筋炎/術後椎間板炎/仙骨部腫瘍/仙腸関節の疼痛
22 骨盤の疾患
骨盤輪骨折,仙腸関節脱臼/骨盤骨折に伴う血管損傷・尿路損傷/外傷性恥骨結合離開/骨盤輪不安定症/恥骨骨炎/仙腸関節炎
23 股関節の疾患
股関節の機能解剖(バイオメカニクス)/股関節部の痛みのとらえ方/診断手順/発育性股関節形成不全(脱臼について)/発育性股関節形成不全(いわゆる先天性股関節脱臼)/Perthes病/大腿骨頭骨端異形成症(Meyer骨異形成症)/大腿骨頭すべり症/特発性股関節軟骨融解/単純性股関節炎/乳児化膿性股関節炎/弾発股/一過性大腿骨頭萎縮症/急速破壊型股関節症/大腿骨頭壊死症/変形性股関節症/股関節脱臼骨折/大腿骨頭骨折/大腿骨頚部骨折/大腿骨転子部骨折(頚基部骨折を含む)
24 下肢全体の問題
脚長不等/O脚,X脚/下肢における絞扼性神経障害/大腿四頭筋拘縮症,殿筋拘縮症
25 大腿の疾患
大腿骨転子下骨折/大腿骨骨幹部骨折/小児大腿骨骨折/大腿骨遠位部の骨折/人工股関節全置換術後の大腿骨骨折/人工膝関節全置換術後の大腿骨骨折/大腿四頭筋,ハムストリングの断裂
26 膝関節の疾患
膝関節の機能解剖/膝関節周辺の痛みのとらえ方/診断手順/弾発膝/膝関節血症/関節軟骨損傷/膝関節脱臼/膝蓋骨脱臼/膝蓋骨骨折/脛骨結節(顆間隆起)骨折/脛骨粗面骨折/Segond骨折/側副靱帯損傷/前十字靱帯損傷/後十字靱帯損傷/複合靱帯損傷/半月板損傷/膝関節タナ障害/滑膜骨軟骨腫症/[膝]離断性骨軟骨炎/膝蓋下脂肪体炎(Hoffa病)/ジャンパー膝/Osgood-Schlatter病/Sinding Larsen-Johansson病/有痛性分裂膝蓋骨/膝蓋軟骨軟化症/変形性膝関節症/膝関節特発性骨壊死/化膿性膝関節炎/Baker嚢腫/鵞足炎
27 下腿の疾患
下腿の機能解剖/下腿の痛みのとらえ方/診断手順/下腿コンパートメント症候群/シンスプリント/脛骨・腓骨骨折/腓骨神経麻痺/下腿内弯(Blount病を含む)/先天性下腿偽関節症/先天性脛骨列欠損症,先天性腓骨列欠損症
28 足関節,足部の疾患
足関節・足部の解剖/足関節・足部の診断/先天性内反足/先天性垂直距骨/多趾症,合趾症/小児期外反扁平足/Sever病,Köhler病,Freiberg病/中足骨短縮症/足根骨癒合症/外反母趾/強剛母趾/槌趾/内反小趾/陥入爪/変形性Lisfranc関節症/成人期扁平足(後脛骨筋腱機能不全症)/変形性足関節症/距骨無腐性壊死/脛骨天蓋骨折/果部骨折/距骨骨折/足関節・距骨下関節脱臼/距骨滑車骨軟骨障害/踵骨骨折/舟状骨骨折,立方骨骨折/Lisfranc関節脱臼骨折/中足骨骨折,趾骨骨折/足関節新鮮外側靱帯損傷/足関節陳旧性外側靱帯損傷/足根洞症候群/二分靱帯損傷,踵骨前方突起骨折/Lisfranc靱帯損傷/中足骨疲労骨折/舟状骨疲労骨折,内果疲労骨折/麻痺足(弛緩性麻痺)/麻痺足(痙性麻痺)/関節リウマチの足部変形/糖尿病性足部疾患/神経障害性関節症/重症下肢虚血/足部潰瘍/痛風の足部障害/足部の腫瘍/足根管症候群/Morton病/前足根管症候群/アキレス腱皮下断裂/アキレス腱症,アキレス腱周囲炎/アキレス腱付着部症/腓骨筋腱脱臼/足底筋膜炎/足関節前方インピンジメント症候群/足関節後方インピンジメント症候群(三角骨障害を含む)/母趾種子骨障害/Os subfibulare障害,Os subtibiale障害,Os peroneum障害/外脛骨障害
付録
資料1.関節可動域表示ならびに測定法
資料2.その他の資料
資料2.その他の資料
和文索引
欧文索引
[私のノートから/My Suggestion]
診断・後療法に熱意を/整形外科医よ奢ることなかれ/骨粗鬆症治療におけるリエゾンサービスの重要性/“病院の世紀”は終わり地域包括ケアを目指す時代に/傷病名は正しく記載しよう!/CRPSの超早期診断のために心がけること/脊椎の手術計画-患者の幸せのため,手術の成功のために神経症状を十分に把握する/“TES”開発を駆り立てたものは何だったのか?/私と寛骨臼回転骨切り術(RAO)/股関節症の関節面は再生能を有する/両側同時TKAの発想/先天性内反足に対する変形矯正用装具としての改良型Denis Browne副子/変形性足関節症に取り組んだ40年の経験から
[トピックス]
整形外科におけるPET-CT/整形外科とICT(infection control team)の連携/骨・感染術後感染予防ガイドライン/IgG4関連疾患/関節リウマチにおける経口分子標的治療薬/骨軟部腫瘍の分子標的治療薬/骨軟部腫瘍に対する免疫療法/デスモイド型線維腫症に対する薬物療法/骨系統疾患のゲノム解析/新しい骨粗鬆症治療薬-抗スクレロスチン抗体,抗RANKL抗体,カテプシンK阻害薬など/サルコペニアとfrailty/節分化の基礎/Restless legs syndrome(Willis-Ekbom病)/血管の再生医療/マゴットセラピー(医療用無菌ウジ治療)/脳波による意思伝達装置/ロボットスーツHAL/Reverse total shoulder arthroplasty/最新の投球動作解析/肘のterrible triad/手関節TFCC損傷に対する診断と治療/母指CM関節症に対する形成術(鏡視下,直視下)/脊髄における拡散テンソルトラクトグラフィ/神経障害性疼痛の病態と治療/FDG-PETによる圧迫性脊髄症の機能診断/腰痛と心理社会的因子/腰椎椎間板ヘルニアの疾患感受性遺伝子の解明/腰部脊柱管狭窄症に対する最新の画像診断/Femoroacetabular impingement/大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折/Constitutional varus deformity/非定型大腿骨骨折/関節軟骨の再生医療/TKAのコンピュータシミュレーション/踵骨を含む下肢全長撮影(hip-to-calcaneus view)を用いた後足部機能軸の評価/外反母趾に対する最小侵襲骨切り術(DLMO法)/変形性足関節症に対する遠位脛骨斜め骨切り術/距骨壊死に対する人工距骨置換術/足部変形矯正に対する創外固定器の応用
[先端医療]
非生体ドナーから採取された同種骨・靱帯組織の凍結保存/実物大臓器立体モデルによる手術支援/定量的CTを用いた有限要素法による骨強度予測解析/液体窒素処理自家骨移植術/培養骨髄細胞移植による骨延長術 骨系統疾患/脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経幹細胞移植/最小侵襲椎体椎間板掻爬洗浄術/セメント固定人工股関節再置換術におけるコンピュータ支援フルオロナビゲーションを用いたセメント除去術/膝靱帯再建手術における画像支援ナビゲーション/骨髄間葉系幹細胞を用いた関節軟骨の再生
書評
開く
ベッドサイドの診療でも専門医試験対策でも使えるマルチな診療事典
書評者: 吉川 秀樹 (阪大理事・副学長)
本書の初版が出版されたのは今から29年前である。この間,整形外科学は急速な進歩を遂げ,それに伴い,本書も改訂を重ねてきた。前版からの6年間をみても,整形外科治療の変革は著しく,多くの先進的医療の開発がなされてきた。このたび,編集者が全員交代することにより,新たな視点や発想から,大幅なリニューアルがなされ,待望の第7版が出版された。主な改訂ポイントは,章ごとに,各分野特有の“トピックス”と,実用化が期待できる先進的医療を“先端医療”としてコラム形式で紹介していることである。「再生医療」「コンピュータ支援手術」「新規画像診断法」「分子標的治療薬」など,時代に呼応した新鮮な項目の記述が目に付く。また,章の冒頭に,各部位の解剖,機能解剖についての項目が記載されているのも新たな試みであり,大変教育的である。また,前版同様,経験豊富な大先輩からのコラム「私のノートから/My Suggestion」が随所に掲載されており,一般の教科書からは得られない示唆に富んだ内容になっている。
本書の初版からのキャッチフレーズである「整形外科疾患の診療事典」が構成のベースであるが,現代的にビジュアル感覚を重視し,カラーの写真やシェーマが多く盛り込まれている。また,診断・治療のみならず,「患者説明のポイント」「専門病院へのコンサルテーション」「リハビリテーションのポイント」「ナース,PT・OTへの指示」など臨床現場で生じる疑問に対し,即座に解決できるように構成されているのも心強い。
本書は,日常の外来診察,ベッドサイドでの整形外科診療に大変有用な書であり,医学部学生,研修医のみならず,病院勤務医,開業医にも広く活用されるものと思う。また,専門医をめざす整形外科医の受験参考書としても期待される。日本整形外科学会専門医試験は近年,臨床実地問題が多く出題され,口頭試験でも,治療方針やインフォームド・コンセントを問うことが恒例となっている。この点でも本書は,専門医として備えるべき知識と考え方を示しているとともに,専門医の知識の整理やさらなる研鑽にも有用であると考える。本書は,日々変化する整形外科学の情報収集が可能な「診療事典」であり,全国の整形外科診療所,整形外科研修施設の収蔵図書として薦めたい。
書評者: 吉川 秀樹 (阪大理事・副学長)
本書の初版が出版されたのは今から29年前である。この間,整形外科学は急速な進歩を遂げ,それに伴い,本書も改訂を重ねてきた。前版からの6年間をみても,整形外科治療の変革は著しく,多くの先進的医療の開発がなされてきた。このたび,編集者が全員交代することにより,新たな視点や発想から,大幅なリニューアルがなされ,待望の第7版が出版された。主な改訂ポイントは,章ごとに,各分野特有の“トピックス”と,実用化が期待できる先進的医療を“先端医療”としてコラム形式で紹介していることである。「再生医療」「コンピュータ支援手術」「新規画像診断法」「分子標的治療薬」など,時代に呼応した新鮮な項目の記述が目に付く。また,章の冒頭に,各部位の解剖,機能解剖についての項目が記載されているのも新たな試みであり,大変教育的である。また,前版同様,経験豊富な大先輩からのコラム「私のノートから/My Suggestion」が随所に掲載されており,一般の教科書からは得られない示唆に富んだ内容になっている。
本書の初版からのキャッチフレーズである「整形外科疾患の診療事典」が構成のベースであるが,現代的にビジュアル感覚を重視し,カラーの写真やシェーマが多く盛り込まれている。また,診断・治療のみならず,「患者説明のポイント」「専門病院へのコンサルテーション」「リハビリテーションのポイント」「ナース,PT・OTへの指示」など臨床現場で生じる疑問に対し,即座に解決できるように構成されているのも心強い。
本書は,日常の外来診察,ベッドサイドでの整形外科診療に大変有用な書であり,医学部学生,研修医のみならず,病院勤務医,開業医にも広く活用されるものと思う。また,専門医をめざす整形外科医の受験参考書としても期待される。日本整形外科学会専門医試験は近年,臨床実地問題が多く出題され,口頭試験でも,治療方針やインフォームド・コンセントを問うことが恒例となっている。この点でも本書は,専門医として備えるべき知識と考え方を示しているとともに,専門医の知識の整理やさらなる研鑽にも有用であると考える。本書は,日々変化する整形外科学の情報収集が可能な「診療事典」であり,全国の整形外科診療所,整形外科研修施設の収蔵図書として薦めたい。
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