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小児看護学[1]
小児看護学概論 小児臨床看護総論 第13版

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子どもを家族のなかの存在として位置づけ、家族も看護の対象とすることを基本理念としています。 できるだけ具体的に子どものイメージが描けるように工夫しました。 「小児看護学概論」では、発達段階別に構成し、主要概念にそって各期の成長・発達の特徴、生活、身体的特徴とアセスメント方法、家族の特徴などを解説しました。 「小児臨床看護総論」では、小児看護学概論の内容をふまえ、健康問題を持つ子どもと家族の看護、検査や処置を受ける子どもの看護などを解説しました。また、看護技術は、できる限り具体的な方法を示すことにより、実践に活用できるように工夫しました。 第13版では、小児臨床看護総論「第8章 子どもの虐待と看護」を 「小児看護学[2]」 より本巻に移動し、小児看護学に関連する法律と合わせて学習しやすい構成としました。 「発展学習」のコラムを設け、より深く学習する内容と本文を分けて、学習の便をはかりました。
*「系統看護学講座」は2018年版より新デザインとなりました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 系統看護学講座
奈良間 美保 / 丸 光惠 / 堀 妙子 / 来生 奈巳子 / 新家 一輝 / 富岡 晶子 / 大須賀 美智 / 小迫 幸恵 / 田中 千代 / 竹之内 直子 / 松岡 真里 / 茂本 咲子 / 前田 留美 / 荒木 暁子
発行 2015年01月判型:B5頁:536
ISBN 978-4-260-02002-2
定価 3,080円 (本体2,800円+税)
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はしがき

 子どもの健やかな成熟は,人類共通の願いであり,そのために小児看護が果たす役割は大きいといえます。
 本格的な少子高齢社会を迎えて,子どもを取り巻く環境は急速に変化しています。この変化の中で,次代を担う子どもたちは,どのような成熟過程を歩んでいるのでしょうか。小児看護の対象である子どもについて理解を深めるためには,成長・発達の特徴を学ぶことが欠かせません。また,子どもを取り巻く環境として,現代の家族や社会の状況を知る意義は大きいといえます。子どもへの直接的な支援とともに,さまざまな不安や悩みをかかえる家族が安心して育児にあたることのできる環境づくりが,小児看護の重要な役割となっています。
 さらに,病気や障害を持つにいたった子どもと家族は,どのような体験を重ねているのでしょうか。子どもと家族の不安やとまどいははかりしれず,治療や療養上の体験を共有し,その体験が子どもや家族の価値や意向とつながる感覚が持てるように支えることも看護の大切な役割であると思います。このような視点から,子どもの健康問題の経過やおかれている状況,症状からみた看護,コミュニケーションを含む看護技術や代表的な健康問題など,小児看護のより実践的な学習も求められます。
 本書は,子どもを家族の中の存在として位置づけて,子どもと家族を中心とするケアの理念に基づき,一貫して対象の尊厳・尊重を保障することを基本としています。入院中の子どもだけでなく,家庭や学校などのあらゆる場面で,すべての健康レベルの子どもを対象として,その成熟過程を支えることを小児看護の目標として位置づけています。
 限られた講義・実習時間の中で,効率的に小児看護学の学習ができるように,より専門的な用語や詳細な内容は「発展学習」として示すことで選択的に学べるように構成しました。また,読者が具体的な子どものイメージを描けるように図表を活用し,一部に事例を設定した記述を加えました。
 さらに小児看護学[2]については,基礎的な学習のポイントを押さえるために,優先度の高い内容を「重要」と示しました。以下に本書の構成を詳しく示します。
 小児看護学[1]の小児看護学概論では,第1章で現在の子どもと家族の概況や倫理的視点から,小児看護の役割と課題を論じています。第2章では成長・発達の基本的な知識とそれを学ぶ意義を解説しました。第3章は日本人の食事摂取基準(2015年版)を示しながら,子どもの各発達段階の栄養の特徴を論じています。第4~6章は発達段階別の構成として,各期の子どもの成長・発達,健康,家族,看護について解説し,子どもの全体像を描けるようにしました。また,第7章では家族の特徴とアセスメントについて,さらに,第8章では子どもと家族を取り巻く社会について,最新の情報を反映しながら論じています。
 小児看護学[1]の小児臨床看護総論では,小児看護学概論の内容をふまえ,病気・障害を持つ子どもと家族の看護について解説しています。第1章では病気・障害を持つ子どもと家族の特徴と看護の役割を概観し,第2章では入院や外来,在宅などの子どもを取り巻く環境や生活の場,さらには災害といった状況に特徴づけられる看護について,事例を設定することで,子どもとその家族の一連の体験として示しました。第3章では疾病の経過から看護の特徴を論じています。経過ごとに事例を設定しました。第4章は子どものアセスメントとして,必要な知識と技術を解説しています。第5章の症状別の看護は,子どもの基本的特性を押さえながら症状のアセスメントと看護を示しました。第6章は検査・処置の目的と具体的な支援の方法を詳細に述べているので,実習に活用しやすく,看護実践能力の向上につながる内容となっています。第7章では障害の概念,障害児と家族の特徴,社会的支援など,障害児看護の基礎的知識を示しました。第8章では子どもの環境要因で生じる問題として「子どもの虐待と看護」について論じました。
 小児看護学[2]では,身体系統別または病態別に構成し,各疾患の病態・症状・診断・治療と看護について整理・解説しています。また,現代の小児保健医療の課題として,「事故・外傷」を取り上げています。今回の改訂では,引き続き各領域の専門家が執筆にあたることで,より新しい医療情報を加えるとともに,看護の基盤の充実とより実践に即した子どもと家族の看護を検討しています。付章の事例による看護過程の展開は,看護師国家試験の状況設定問題への対策としても活用いただけます。
 なお,本書における「障害」の用語は,法律上の表記に基づいて漢字を用いています。
 本書が,小児看護学をはじめて学ぶ方にとって,講義や実習などの学習の支えとなり,また,すでに小児看護を実践されている方においても看護の基礎をあらためて確認いただく資料となれば幸甚です。
 それらの過程を通して,1人でも多くの子どもたちが,社会の中でその子らしく生活できること,家族が家族としていられることを願ってやみません。
 2014年12月
 著者ら

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小児看護学概論
第1章 小児看護の特徴と理念 (奈良間美保・丸光惠)
 A 小児看護の目ざすところ
 B 小児と家族の諸統計
 C 小児看護の変遷
 D 小児看護における倫理
 E 小児看護の課題
第2章 子どもの成長・発達 (奈良間美保)
 A 成長・発達とは
 B 成長・発達の進み方(一般的原則)
 C 成長・発達に影響する因子
 D 成長の評価
 E 発達の評価
第3章 子どもの栄養 (奈良間美保)
 A 子どもにとっての栄養の意義
 B 子どもと食育
 C 食事摂取基準
 D 発達段階別の子どもの栄養の特徴と看護
第4章 新生児・乳児 (堀妙子・奈良間美保)
 A 新生児
 B 乳児
第5章 幼児・学童 (奈良間美保・丸光惠)
 A 幼児
 B 学童
第6章 思春期・青年期の子ども (丸光惠)
第7章 家族の特徴とアセスメント (丸光惠)
 A 子どもにとっての家族とは
 B 家族アセスメント
第8章 子どもと家族を取り巻く社会 (来生奈巳子)
 A 児童福祉
 B 母子保健
 C 医療費の支援
 D 予防接種
 E 学校保健
 F 特別支援教育
 G 臓器移植法

小児臨床看護総論
第1章 病気・障害を持つ子どもと家族の看護 (奈良間美保)
 A 病気・障害が子どもと家族に与える影響
 B 子どもの健康問題と看護
第2章 子どもの状況(環境)に特徴づけられる看護
 (新家一輝・奈良間美保・富岡晶子・大須賀美智・小迫幸恵)
 A 入院中の子どもと家族の看護
 B 外来における子どもと家族の看護
 C 在宅療養中の子どもと家族の看護
 D 災害時の子どもと家族の看護
第3章 子どもにおける疾病の経過と看護 (丸光惠・田中千代・竹之内直子)
 A 慢性期にある子どもと家族の看護
 B 急性期にある子どもと家族の看護
 C 周手術期の子どもと家族の看護
 D 終末期の子どもと家族の看護
第4章 子どものアセスメント (竹之内直子・松岡真里)
 A アセスメントに必要な技術
 B 身体的アセスメント
第5章 症状を示す子どもの看護 (奈良間美保・松岡真里・竹之内直子・茂本咲子)
第6章 検査・処置を受ける子どもの看護 (丸光惠・松岡真里・大須賀美智・前田留美)
 A 検査・処置総論
 B 薬物動態と薬用量の決定
 C 検査・処置各論
第7章 障害のある子どもと家族の看護 (荒木暁子)
 A 障害のとらえ方
 B 障害のある子どもと家族の特徴
 C 障害のある子どもと家族の社会的支援
第8章 子どもの虐待と看護 (大須賀美智)

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索引

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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