NANDA-NIC-NOCの理解 第5版
看護記録の電子カルテ化に向けて

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NANDA-NIC-NOCを院内の電子カルテシステムに導入する際の基本的事項を網羅した定本。『NANDA-I看護診断 定義と分類 2012-2014』に準拠して内容を刷新。電子カルテでNANDA-I看護診断を使っている病院のスタッフ、これから院内システムを整備しようとしている施設のスタッフには必読の書。NANDA-NIC-NOCを臨床的に理解するうえでも有用なレファレンスとなっている。
黒田 裕子
発行 2012年11月判型:B5頁:232
ISBN 978-4-260-01735-0
定価 2,640円 (本体2,400円+税)
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第5版の序

 この序文を執筆している2012年11月現在,「NANDA-I看護診断―定義と分類」の最新版は,2012-2014年版となり,新しく16個の看護診断が加わり,合計210個となった。さらに,2009-2011年版から3年ごとの発行となったことに続けて,今回も3年分であり,看護診断に関連した幾つかの主要な論文が含まれ,本の厚みがさらに増しサイズも前回よりも大判となった。邦訳についても,日本看護診断学会用語検討委員会委員が中心となって組織されたワーキンググループが担当となり,監訳は日本看護診断学会である。
 2012-2014年版を詳しく見ると,看護診断の定義が部分的に修正されたり,実在型看護診断,リスク型看護診断,ヘルスプロモーション型看護診断,シンドロームの定義が修正された。そして今回よりウエルネス型看護診断は削除され,“効果的”という修飾語は無くなり,ヘルスプロモーション型看護診断のすべては,“促進準備状態”という修飾語が付いている。これ以外にも,分類構造の配置が変更になった看護診断も多数あったり,看護診断名,定義,診断指標等の修正も精力的に行われている。さらにエビデンスを追究して洗練が成されているものと考えられる。
 このような発展的な動向を受けて,本書も最新版2012-2014年版を解説することとした。加えて,NIC第5版およびNOC第4版と共に,本書は,NANDA-I,NIC,NOCの最新版を解説した。さらに,本書の看護支援システムの画面掲載にご協力をいただいている東京臨海病院の電子カルテシステムは2009年年末に更新されたが,この画面を第4版と同様に引き続き提供していただけることとなった。
 本書はこれらの新しい発展的な変化を踏襲することで第5版とさせていただいた。これまでの第4版に修正を加え,日々臨床現場で看護診断,看護成果分類,看護介入分類,そしてNANDA-I-NIC-NOCが内蔵された看護支援システムを使用している看護師の方々に対して最新の情報を提供できるものと考えている。
 筆者は看護診断研究会(Nursing Diagnosis Conference,以下NDC)の代表として毎年NANDA-I-NIC-NOCの基本的な理解を目指した講義形式と参加者が主体的に参加し討議できるグループワークを盛り込んだ公開セミナーを開催している。2012年度は,第16回を10月13日に開催したところである。このセミナーでは,看護支援システムにNANDA-Iを今から導入する方々,NICやNOCを学ぼうとし始める方々が多いことを肌で感じている。このような熱いニードを受けつつ,筆者自身も看護実践に有効な形でNANDA-I-NIC-NOCを使用していくことに試行錯誤を繰り返している。本書には悪戦苦闘した筆者の考えをぶつけてもいる。第5版の内容についても読者諸氏の鋭いご意見やご指導を今後ともいただければと思っている。
 最後に第5版の編集に迅速に正確に対応していただき,いち早い発行へと繋げていただいた医学書院専務取締役・編集長の七尾清氏にこの場を借りて深謝申し上げたい。

 2012年11月1日
 黒田 裕子

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第I章 看護診断
 今までの看護過程との違い
  「問題」を看護診断で表現する
  NANDA-I-NIC-NOCの関係
 看護診断とは
  “看護師が診断する”までの経緯
  NANDA-Iによる看護診断の定義
  看護診断を構成する要素
  NANDA-I看護診断のタイプ
  NANDA-I看護診断分類法II:分類の構造
  NANDA-I看護診断分類法II:多軸システム

第II章 看護介入分類(NIC)と看護成果分類(NOC)の基本的理解
 看護介入分類(NIC)とは何か
  看護介入分類(NIC)の分類構造
  NICの基礎的理解
 看護成果分類(NOC)とは何か
  NOC第4版の改訂概要
  NOC分類法
  NOCの長所
  看護成果(NOC)の定義
  NOC分類法の具体的説明
  看護成果の標準化のルールと評価基準
 NANDA-I看護診断と看護介入分類(NIC)および看護成果分類(NOC)の関係

第III章 NANDA-I看護診断分類法IIの13領域を用いた看護支援システムの構築
 NANDA-I看護診断分類法IIの枠組みを用いた電子カルテを使う
  入院してきた患者の入院時初期情報を入力する画面の構築
  基本情報画面の構築
  入院時初期情報のアセスメントを統合し全体像を入力する
  統合された全体像から看護診断を考える

第IV章 NANDA-I-NIC-NOCを看護支援システムに組み込んで機能させる
 患者が入院してきてから全体像までの経緯
 全体像から看護ケアプランへ
  まず看護診断へアクセスする
  次にNOCから成果および指標,測定尺度を考える
  いよいよNICから介入を選択する
 NANDA-NIC-NOCのリンケージを活用する

第V章 事例で考えてみよう
 患者さんが入院してきたら

第VI章 NANDA-I-NIC-NOC理解のための研修計画
 1日の講義で総論を理解する
 グループワークでNANDA-I-NIC-NOCを適用する研修を行う
 NANDA-I-NIC-NOCを実際に現場で適用してみて見えてきた問題と課題

付録
 NANDA-I分類法IIの構造
 NICの分類構造
 NOCの分類構造

 NANDA-I-NIC-NOCの定着に向けて

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