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プロメテウス解剖学 コア アトラス 第2版

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プロメテウス解剖学アトラスに収載された図版を精選し、人体の全部位を1巻にまとめたコアアトラスは、医療系学生から幅広い支持を集め、新たな定番書として受け入れられてきた。その第2版がさらに使い勝手を向上させて新登場。腹部・骨盤部を整理・分割し、各パートを体表解剖から始めるなど構成を見直し、さらなる読みやすさを追究している。「まず1冊」のニーズを完全に満たす、まさに定番の必携書。
*「プロメテウス/PROMETHEUS/プロメテウス解剖学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ プロメテウス解剖学
監訳 坂井 建雄
市村 浩一郎 / 澤井 直
発行 2015年01月判型:A4変頁:730
ISBN 978-4-260-01932-3
定価 10,450円 (本体9,500円+税)
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第2版 訳者序第2版 まえがき序言

第2版 訳者序
 『プロメテウス解剖学 コア アトラス』の第2版を,解剖学を学習する多くの医学生と医療職の学生のみなさんにお届けする.本書は,2005年にドイツで出版され,世界中で高く評価された3巻本の『プロメテウス解剖学アトラス』を元に,アメリカで新たに編集された1冊本の解剖学アトラスである.3巻本のプロメテウスに掲載された高品質の解剖図を生かしながら,人体解剖実習での使いやすさを重視して全体の構成を部位別に改め,頁の構成を見開きの形にまとめてある.さらに,理解を助けるための概念的な模式図や,要約の表を多数付け加えて,コンパクトでわかりやすいまったく新たな解剖学教材を実現したものである.アトラスと銘打ってはいるが,解剖図だけを配した従来の解剖アトラスの域をはるかに超えて,これ一冊で解剖学の学習を可能にする統合的な教材となっている.

 21世紀に入って,人間の健康と生命をまもる医療に対する社会からの期待と要求が高まっている.多くの若者が医師とそれに関連する職種をめざして,医学の専門的な知識と技術を学んでいる.人体の構造と機能について知る解剖学は,医学を学ぶための最重要の基礎であり,その教材に対するニーズもますます高まっている.人体の構造そのものが大きく変化するわけではないが,コンピューターによる画像処理や情報技術の発展,さらに画像診断技術の普及を背景に,解剖学の教材も大きく進化し,印象的で理解しやすいものが数多く登場している.『プロメテウス解剖学アトラス』全3巻は,高品質の解剖図と洗練された編集により,圧倒的な迫力と内容をもつ新しい時代の解剖学教材として世界的に高い評価を得てきた.その日本語訳も好評を博し,数多くの読者に迎えられている.

 翻訳にあたっては,若手の優秀な解剖学者である市村と澤井が日本語訳の作業を行い,坂井が全体に目を通して監訳を担当した.とくに3巻本の『プロメテウス解剖学アトラス』および解剖学用語との内容および用語の整合性に配慮した.日本語訳にあたっては瑕疵がないように細心の注意をしたつもりではあるが,至らぬところは監訳者の責である.

 本書『プロメテウス解剖学 コア アトラス』が,多くの学生たちに行き渡り,よりよい医療者となるべくその基礎となる解剖学の学習に役立てていただけることを願うものである.

 坂井建雄

 2014年9月1日
 八王子の寓居にて


第2版 まえがき
 この解剖学アトラスの初版が出版されて以後,解剖学のあらゆる関係者から寄せられた高い評価に,私たちは感謝したい.解剖学者と学生たちからの寛大なコメントによって,このアトラスが解剖学の学習経験にとって価値あるものであったことを私たちは確信した.とりわけこのアトラスでは,類例のない解剖図を個々の筋に至るまで用いていることや,個々の筋をわかりやすい表にまとめていることが評価されている.削除や不一致を提言し,著者と編集者と査読者が見逃した入力,文章,解剖図での誤りを指摘してくれた人たちのお陰も大きい.みなさんからの絶え間ない情報により私たちは励まされ,このアトラスの新版をより役立つものにする原動力になっている.

 この新版での私たちの使命は,初版のときと同様に,人体解剖学を教え学ぶためにできるだけ完璧で,最新で,役に立つ参考書を提供することである.この新版の核となるのは,2,400以上の優れた解剖図と模式図,150以上のまとめの表,わかりやすい見開き構成である.初版と同様に,領域ごとに構成し,領域の中の内容も同じ順序にした.各部では,その部位の体表解剖学から始めて,骨,筋,血管,神経,そして部位の局所解剖学のまとめを置いた.適当なところでは,章の最後に断面解剖学を置いた.この版では章と見開きの一部について,典型的な解剖カリキュラムの進歩と内容により密着するように再編成を行った.新しい解剖図と追加した本文により,特定の話題をより包括的に扱った.複数の器官や領域を描いた図は,必要に応じて再掲したままとした.

 この解剖学アトラスの第2版では,
・1つの部にまとめられていた腹部と骨盤の材料を再編成して2部に分け,腹部,および骨盤部とし,多数の新しい図を追加した.
・脊髄と髄膜の見開きを,神経解剖の部から背部,および頭頸部の部に移し,肉眼解剖を学ぶ学生たちに使いやすいようにした.
・体表解剖の見開きを拡充し,各部の冒頭に移した.
・断面解剖学の見開きを,各部の末尾に追加した.
・アトラス全体にわたって,改訂した解剖図を新たに加えた.
 この改訂が,学生たちおよび教員たちに役立つものであることを願っている.

 Thieme社の人たちは,この改訂にあたって不可欠かつ中心的であり,彼らの支援に大いに感謝したい.とくにAnne Vinnicombe(編集主幹,教育編集部)はこの企画を通じてわれわれに助言し,励まし,時には慰めてくれた.彼女の専門家としての視点は,今回の原稿に大いに役立った.彼女の力によって,われわれは寄り道することなく,前進し続けることができた.

 またAvalon Garcia(企画編集者)は,倦むことなく働き,驚くべき忍耐をもち,われわれの原稿を調整し解釈してくれた.

 さらにMegan Conway(上席制作編集者)は,3人の著者の極めて多忙なスケジュールにもかかわらず,この新版を,有能なDebra Zharnest(編集助手)の助けを得てきわめて速やかに制作するように調整してくれた.

 Anne M. Gilroy
 Brian R. MacPherson
 Lawrence M. Ross

 2012年2月
 Worcester, MA, Lexington, KY, and Houston, TX


序言
 この解剖学アトラスは,これまで作られた1巻本の人体解剖図譜の中で最も素晴らしいものであると私は思う.これには2つの要素がある.図とその構成の方法である.

 画家のMarkus VollとKarl Weskerは,解剖図の洗練の新しい標準を作り上げた.洗練された半透明の使用と,光と陰の繊細な表現により,読者はあらゆる構造を精確に3次元的に理解することができる.

 著者らは,図の配置を工夫して,学生が人体のイメージを明確に頭の中に作り上げるのに必要な情報の流れを与えている.見開きのそれぞれの頁には,必要な教材が揃っており,経験深く思慮深い教師の手腕をさりげなく見せている.私自身,学生の頃にこの本を使いたかったものだ.それができる今の学生たちをうらやましく思う.

 Robert B. Acland

 2012年2月
 Louisville, KY

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背部
 1.体表解剖
 2.骨,靱帯,関節
 3.筋
 4.血管・神経
胸部
 5.体表解剖
 6.胸壁
 7.胸腔
 8.縦隔
 9.胸膜腔
腹部
 10.体表解剖
 11.腹壁
 12.腹腔
 13.内臓
 14.血管・神経
骨盤部
 15.体表解剖
 16.骨格,靱帯,筋
 17.骨盤腔
 18.内臓
 19.血管・神経
上肢
 20.体表解剖
 21.肩と上腕
 22.肘と前腕
 23.手首と手
 24.血管・神経
下肢
 25.体表解剖
 26.骨盤と大腿
 27.膝と下腿
 28.足首と足
 29.血管・神経
頭頸部
 30.体表解剖
 31.頭部の骨
 32.頭部・顔面の筋
 33.脳神経
 34.頭部・顔面の血管・神経
 35.眼窩と眼
 36.鼻腔と鼻
 37.側頭骨と耳
 38.口腔・咽頭
 39.頸部
神経解剖
 40.脳
 41.脳の血管
 42.機能系
 43.自律神経系

英文索引
和文索引

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解剖学アトラスの理想的な形に近付く改訂
書評者: 八木沼 洋行 (福島県立医科大教授・神経解剖・発生学)
 『プロメテウス解剖学 コア アトラス』は,大変美しく精緻でリアリティのある図に加え,関連する知識の修得や整理に役立つ図表や臨床的観点からの解説も付いていること,さらにこれだけの分量にもかかわらず1万円を切る定価(税別)設定もあって,2010年に出版されるや,医・歯学部学生の解剖実習の友としてはもとより,医師,医療職,医療系学生など解剖学を学び,基礎とするあらゆる分野における定番のアトラスとしての地位を確立しつつある。

 このような中,このアトラスの第2版が出版された。第2版では,大きな改訂として,初版では腹部と骨盤部が一つの章の中に混在していたものをおのおの独立した章として整理拡充が図られている。また,体表解剖が各章のはじめに置かれた。さらに,全体として数多くの横断図や縦断図などが加えられている。これらの改訂はいずれも学習者の使い勝手を向上させるものであるが,何より,このコアアトラスが解剖学アトラスとしての理想的な形に近付いたことを意味している。

 解剖学アトラスに求められるものは,図が精緻で正確であることはもちろん,相互の位置関係の理解が難しい重要部位の構造が一目でわかるように工夫された構図やアングルあるいは断面で描かれた図の存在であると評者は常日頃思っている。位置関係を学生に理解してもらおうと,いろいろ図を探しているとき,まさに「かゆいところに手が届く」一枚の図に出合うと,「このアトラスなかなかやるな」と評者は心の中で思わずつぶやいてしまう。この意味でコアアトラスの初版には正直言って「改善の余地あり」と思っていた。しかし,第2版を見て,この考えは改めなければならないと感じている。例えば,産婦人科領域で,子宮全摘術を行う際に,尿管を傷つけないようにするために子宮動脈と尿管との位置関係(子宮動脈の後ろを尿管が通る)を理解しておくことが大変重要となる。第2版には,子宮頚部レベルで子宮を切断し体部を取り去った図(図18.19)が加えられた。これを見れば,両者の関係,さらに子宮頚部に着く基靭帯との関係が一目瞭然に理解される。この他,今回加えられた骨盤部,腹部,頭部のさまざまな方向で切られた断面図は,諸構造の立体的な配置の理解に大いに役立つものと思う。

 以上のように,今回の改訂で進歩を遂げたプロメテウス解剖学コアアトラスは,評者にとって理想に近い解剖学アトラスとして,自信を持ってお薦めできる一冊となった。
神秘なる人体の理解をめざした航海を指南する一冊
書評者: 澤口 朗 (宮崎大教授・解剖学)
 医学や看護学の分野を問わず,神秘なる人体の理解をめざす者全てに求められる最初の航海は,正しい生命機能を果たす正常な構造を知ることを目的地に定めた解剖学という名の航路を漕ぎ進むことである。多くの者にとって解剖学が最初の航海となるだけに,目的地に向かって正しく指南する書物の有無が航海の成否を左右する。特に「かたち」に基づいて展開される学問体系の解剖学では,教科書と並ぶ「アトラス」が果たす役割の大きさは計り知れない。

 『プロメテウス解剖学 コア アトラス』は,高品質の解剖図と洗練された編集で世界中から高い評価を集めている『プロメテウス解剖学アトラス』全3巻の中から,コアという名にふさわしくえりすぐられた内容の一冊である。第2版は一部の再編成も含めた改訂により,初版にも増して利便性が向上している。

 本書を手に取って無作為にページを選んで開いた瞬間,コンピューターグラフィックスを駆使して描かれた美しい解剖図に圧倒されることだろう。実写かと疑うほどに迫り来る質感は,従前のそれが美しくも模式的であり,実写版アトラスによる補完を要しただけに,隔世の感を抱かずにはいられない。

 本書にはアトラスの概念を刷新する創意工夫が盛り込まれている。150以上を数える表では,筋の起始・停止,支配神経や作用などが一目でわかり,複雑な血管や神経の走行をシンプルにまとめた模式図は解剖学特有の網羅的な記載に流れを与え,明解な知識獲得を助けるものである。また,骨盤部や頭頸部など必要な章の最後に並べられた断面解剖図は,急速な進歩を遂げるCTやMRIなどによって撮影された断層画像の理解や読影の一助となるもので,数多くの臨床画像や解説に知識欲を駆り立てられる医学生の姿が目に浮かんでくる。

 また,人体解剖学実習では剖出された所見と比較検討するため,実習台横の限られたスペースでアトラスを開くことを強いられるが,『プロメテウス解剖学アトラス』全3巻からコアな内容を一冊にまとめた本書『プロメテウス解剖学 コア アトラス』は,実習室に持ち込んで活用するにふさわしいサイズとボリュームで,人体解剖学実習の充実が大いに期待される。

 このアトラスを持って港を出れば,最初の航海となる解剖学がめざす人体の構造を理解するという目的地に到達し,次に続く生理学や病理学,さらには臨床医学の航海に順風を得ながら,大きく帆を張って進むことができるだろう。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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