看護倫理
本書の特長
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●現代の医療・看護における倫理的問題はますますその複雑さを増し、基礎教育で「看護倫理」を学習する重要性も高まっています。
●本書は、倫理学の基本的な考え方にはじまり、生命倫理、医療倫理、看護倫理の基礎、倫理的問題への実践的なアプローチ方法、事例分析と、「看護倫理」を体系的に学習できるよう構成しています。
●臨床現場に出る前の基礎学習に、また実習のふり返りに、進度に合わせてご活用いただける内容となっています。
●学生が「看護倫理」を自分の問題としてイメージできるよう、説明にも事例を多用し、カラー図版も多数掲載しました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 系統看護学講座 |
---|---|
著 | 松葉 祥一 / 石原 逸子 / 吉田 みつ子 / 川上 由香 / 二宮 啓子 / 村瀬 智子 / 高田 昌代 / 友竹 千恵 / 成瀬 和子 |
発行 | 2014年02月判型:B5頁:232 |
ISBN | 978-4-260-01813-5 |
定価 | 1,980円 (本体1,800円+税) |
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序文
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はしがき
これから皆さんが臨床に出たとき,看護実践の中で,「あれ? へんだな」とか「これでいいのかな」と感じることがあると思います。たとえば,医師から受けた指示の内容に疑問を感じたり,患者の家族による決定が本当に患者の意思にそったものなのか悩んだり,患者に対する同僚の不適切な言動が気になったりするなど,さまざまな場面でこうした感覚に出会うことになるでしょう。この「あれ? へんだな」という感覚は,目の前のできごとが,自分の倫理観に反している場合に生じることが多いようです。ところが,へんだなと思っていても,うまく説明することができなかったり,言いだす勇気がなかったりして,そのままその思いを1人でかかえ込んでしまうことが多いようです。
本書の目的の1つは,どのようにすればこうした気持ちをはっきりさせることができるのかを学ぶことです。臨床で「あれ? へんだな」と感じたときに,なにがおかしいのかがわかり,おかしい理由を筋道だてて周囲に伝え,その解決に向けて周囲の人とともに取り組むことができるようにすることです。皆さんが,「あれ? へんだな」と感じた場面で,またふだんに,専門職としての自信と誇りを持って,看護職の倫理観にそった看護を実施できるようになることが本書の目的です。
そのために本書では,看護倫理を基礎から順に学んでいきます。「第1部 生命倫理」では,倫理や生命倫理の基礎,生命倫理に関するさまざまな問題を,「第2部 看護倫理」では看護倫理の考え方,倫理的な問題へのアプローチ方法や研究倫理を学び,「第3部 事例分析」では,第1部・第2部で学んだことに基づいて具体的な事例を分析してみます。このように,本書の特徴の1つは,基礎から一貫して学ぶことができることです。これは,倫理学を専門とする教員と看護学を専門とする教員が議論を交わしながら本書を書くことによって可能になりました。また,本書のもう1つの特徴として,基礎倫理学から看護研究の倫理まで幅広く学ぶことができるという点があげられます。ですので,最初から順に学んでいくだけでなく,たとえば臨床現場での研修などにおける事例分析のテキストとしても,ぜひお役だてください。その際,理解を深めるために事前もしくは事後に,第1部・第2部の基礎理論の部分をお読みになることをおすすめします。
倫理はけっしてむずかしいものではありません。確かに,覚える教科ではなく,考えながら進めていかなければならない点で,ほかの教科とは違います。そのことにとまどう方もいらっしゃるでしょう。しかし倫理は皆さんの看護実践に必ず役だちます。考えたことは,勇気を持って「あれ? へんだな」に立ち向かうための力となります。倫理的な看護ができるよう,基礎から学んでいきましょう。
2013年12月
著者ら
これから皆さんが臨床に出たとき,看護実践の中で,「あれ? へんだな」とか「これでいいのかな」と感じることがあると思います。たとえば,医師から受けた指示の内容に疑問を感じたり,患者の家族による決定が本当に患者の意思にそったものなのか悩んだり,患者に対する同僚の不適切な言動が気になったりするなど,さまざまな場面でこうした感覚に出会うことになるでしょう。この「あれ? へんだな」という感覚は,目の前のできごとが,自分の倫理観に反している場合に生じることが多いようです。ところが,へんだなと思っていても,うまく説明することができなかったり,言いだす勇気がなかったりして,そのままその思いを1人でかかえ込んでしまうことが多いようです。
本書の目的の1つは,どのようにすればこうした気持ちをはっきりさせることができるのかを学ぶことです。臨床で「あれ? へんだな」と感じたときに,なにがおかしいのかがわかり,おかしい理由を筋道だてて周囲に伝え,その解決に向けて周囲の人とともに取り組むことができるようにすることです。皆さんが,「あれ? へんだな」と感じた場面で,またふだんに,専門職としての自信と誇りを持って,看護職の倫理観にそった看護を実施できるようになることが本書の目的です。
そのために本書では,看護倫理を基礎から順に学んでいきます。「第1部 生命倫理」では,倫理や生命倫理の基礎,生命倫理に関するさまざまな問題を,「第2部 看護倫理」では看護倫理の考え方,倫理的な問題へのアプローチ方法や研究倫理を学び,「第3部 事例分析」では,第1部・第2部で学んだことに基づいて具体的な事例を分析してみます。このように,本書の特徴の1つは,基礎から一貫して学ぶことができることです。これは,倫理学を専門とする教員と看護学を専門とする教員が議論を交わしながら本書を書くことによって可能になりました。また,本書のもう1つの特徴として,基礎倫理学から看護研究の倫理まで幅広く学ぶことができるという点があげられます。ですので,最初から順に学んでいくだけでなく,たとえば臨床現場での研修などにおける事例分析のテキストとしても,ぜひお役だてください。その際,理解を深めるために事前もしくは事後に,第1部・第2部の基礎理論の部分をお読みになることをおすすめします。
倫理はけっしてむずかしいものではありません。確かに,覚える教科ではなく,考えながら進めていかなければならない点で,ほかの教科とは違います。そのことにとまどう方もいらっしゃるでしょう。しかし倫理は皆さんの看護実践に必ず役だちます。考えたことは,勇気を持って「あれ? へんだな」に立ち向かうための力となります。倫理的な看護ができるよう,基礎から学んでいきましょう。
2013年12月
著者ら
目次
開く
序章 看護倫理を学ぶために (松葉祥一)
A なぜ倫理を学ぶのか
B 本書で学ぶこと
第1部 生命倫理
第1章 倫理学の基本的な考え方 (松葉祥一)
A 倫理とはなにか
B 倫理理論
第2章 生命倫理 (松葉祥一)
A 生命倫理とはなにか
B 生命倫理の原則・規則
C インフォームドコンセント
D 守秘義務・個人情報保護
第3章 生殖の生命倫理 (松葉祥一)
A 優生思想
B 人工妊娠中絶
C 出生前診断
D 生殖補助技術
E 新生児医療
第4章 死の生命倫理 (松葉祥一)
A 死の準備教育
B 終末期ケア
C 安楽死・尊厳死
D 脳死・移植医療
第5章 先端医療と制度をめぐる生命倫理 (松葉祥一)
A 遺伝子診断・治療
B 医療資源の配分
第2部 看護倫理
第6章 看護倫理とはなにか (石原逸子)
A 看護倫理を学ぶ意義
B 看護倫理の歴史
C 看護の倫理原則
D 看護実践上の倫理的概念
E 看護実践と倫理
第7章 専門職の倫理 (吉田みつ子)
A 社会からみた看護
B 専門職に求められる倫理
C 専門職の倫理綱領
D 看護業務基準と倫理実践
E 保健師助産師看護師法と倫理
第8章 倫理的問題へのアプローチ (吉田みつ子・石原逸子)
A 看護実践における倫理的問題の特徴
B 倫理的問題へのアプローチ
第9章 看護研究の倫理 (松葉祥一)
A 研究倫理とは
B 看護研究の各段階における研究倫理
C 研究方法別の倫理的配慮
第3部 事例分析
第10章 事例分析 (二宮啓子・石原逸子・川上由香・村瀬智子・高田昌代・友竹千恵・成瀬和子)
A 小児看護における事例分析
B 精神看護における事例分析
C 母性看護における事例分析
D 臨床試験における事例分析
E 地域看護における事例分析
資料 医療倫理に関する宣言・綱領
付録 用語解説
索引
A なぜ倫理を学ぶのか
B 本書で学ぶこと
第1部 生命倫理
第1章 倫理学の基本的な考え方 (松葉祥一)
A 倫理とはなにか
B 倫理理論
第2章 生命倫理 (松葉祥一)
A 生命倫理とはなにか
B 生命倫理の原則・規則
C インフォームドコンセント
D 守秘義務・個人情報保護
第3章 生殖の生命倫理 (松葉祥一)
A 優生思想
B 人工妊娠中絶
C 出生前診断
D 生殖補助技術
E 新生児医療
第4章 死の生命倫理 (松葉祥一)
A 死の準備教育
B 終末期ケア
C 安楽死・尊厳死
D 脳死・移植医療
第5章 先端医療と制度をめぐる生命倫理 (松葉祥一)
A 遺伝子診断・治療
B 医療資源の配分
第2部 看護倫理
第6章 看護倫理とはなにか (石原逸子)
A 看護倫理を学ぶ意義
B 看護倫理の歴史
C 看護の倫理原則
D 看護実践上の倫理的概念
E 看護実践と倫理
第7章 専門職の倫理 (吉田みつ子)
A 社会からみた看護
B 専門職に求められる倫理
C 専門職の倫理綱領
D 看護業務基準と倫理実践
E 保健師助産師看護師法と倫理
第8章 倫理的問題へのアプローチ (吉田みつ子・石原逸子)
A 看護実践における倫理的問題の特徴
B 倫理的問題へのアプローチ
第9章 看護研究の倫理 (松葉祥一)
A 研究倫理とは
B 看護研究の各段階における研究倫理
C 研究方法別の倫理的配慮
第3部 事例分析
第10章 事例分析 (二宮啓子・石原逸子・川上由香・村瀬智子・高田昌代・友竹千恵・成瀬和子)
A 小児看護における事例分析
B 精神看護における事例分析
C 母性看護における事例分析
D 臨床試験における事例分析
E 地域看護における事例分析
資料 医療倫理に関する宣言・綱領
付録 用語解説
索引
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