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母乳育児支援スタンダード 新装版

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母乳育児の重要性が認識されるなか、UNICEF、WHOをはじめ、母乳育児を普及・支援する組織や団体・学会の輪は着実に広がりつつある。その1つ、NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)が総力をあげ、科学的根拠をもとに母乳育児支援テキストとしてまとめられた本書も好評を博している。日本における母乳育児支援テキストの決定版! ジャケット付の新装版。
編集 NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会
発行 2012年08月判型:B5頁:380
ISBN 978-4-260-01684-1
定価 4,400円 (本体4,000円+税)
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推薦のことば(堀内 成子)/まえがき(渡辺 和香)

推薦のことば
 平成19年度3月に「授乳・離乳の支援ガイド」が策定されました。これは「平成17年度乳幼児栄養調査」の結果や最近の研究知見を踏まえて提案されたものです。「健やか親子21」においてはすでに,「第4課題:子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減」の中で,出産後1か月時の母乳育児の割合を増加傾向に,と謳われていました。しかし,その具体的な方策についてはふれられておらず,現場では,保健医療従事者からの矛盾する不正確な情報や技術不足により,母親や家族に混乱が生じていました。今回策定された「授乳・離乳の支援ガイド」の中で授乳の支援に関する基本的な.え方や支援する際のポイントが記載されており,これらを現場で実際に展開する専門家は,さらなる知識,技術,態度を修得する必要に迫られています。このような折に,母乳育児支援に携わる関係者の必読書となるであろう本書が出版されたことは,大変喜ばしいことと考えます。
 世界に目を向ければ,母乳育児推進の大きなうねりも加速され,2003年には母乳育児が乳児に理想的な栄養を供給する無比の方法であることを大前提にした「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」の行動計画が出されました。この運動計画の中で母乳育児の活動の手引きとして以下のようなポイントがあげられています。
・母乳だけで育てる期間は6か月で,その後も栄養を補いながら生後2年以上母乳育児を続けること。
・その実現のために政府などの権威ある公的機関が役割を果たさなければならないこと。
・母乳育児ができるような社会にするために情報伝達が適切に行われなければならないこと。
・母乳育児を支援する保健医療従事者が熟練した援助技術を身につけるべきであること。
 お産を終えた母親が赤ちゃんと至福の時をともに過ごす環境を整え,母乳育児が始められるように支援する私たち専門家の役割は,今後ますます重要になってくるでしょう。
 本書を執筆したメンバーは,助産師をはじめ,看護師,産科医,小児科医,カウンセラーとさまざまな背景を持った母乳育児専門家たちで,国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)の資格を有する方々です。母乳育児支援が母と子を中心に多分野に広がる知識やスキルを必要とすることが理解できます。女性がエンパワーされ,母親へと大きく成長していくプロセスに寄り添い,必要な情報やケアを提供していけるような支援が求められます。
 本書は,母乳育児支援に携わる専門職をはじめ学生など関係者の日々の実践や研究,教育活動に役に立つものと確信します。母乳育児を通した子育て支援がよりいっそう充実したものとなることを期待します。

 2007年7月
 聖路加看護大学 教授
 日本助産学会 理事長 堀内 成子


まえがき
 人が人の母乳で育つこと…
 これは,自然の摂理に沿った行為であり,太古の昔から行われてきた普遍的な行為です。
 それが,いつの間にか母と子にとって,母乳で育てるということが,とても特別なことであり,困難や努力を伴うものとなってきました。世の女性たちは,氾濫する情報の中から正しいものを選択し,意識をもって望まないと母乳育児はできないものになってきています。それは,今の世界,あるいは日本の社会情勢が原因でもあり,母乳育児支援教育の未熟さが原因でもあり,支援する私たちの知識や技術の不足が原因でもあります。
 日本のIBCLC(国際認定ラクテーション・コンサルタント)によって書かれたこの本は,母乳育児をエビデンスに基づいてさまざまな面からとらえ,総合的に母乳育児を学べるようになっています。
 出版までには,多くの時間を要し,苦労した面もありましたが,著者以外にもIBCLCのメンバーからさまざまな協力を得て,無事完成することができました。多くの母乳育児支援関係者が待ち望んでいた本に仕上がったと自負しております。
 この本が,多くの関係者のもとに届き,支援や教育の現場に一石を投じることができればと思っています。
 ひとりでも多くの母乳育児支援者が,科学的・効果的に母乳育児を支援することができるよう,すべての母と子に母乳育児の恩恵が届くよう,この本がお役にたてれば,本当にうれしく思います。

 2007年夏
 NPO法人 日本ラクテーション・コンサルタント協会
 代表 助産師・IBCLC 渡辺 和香

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推薦のことば
まえがき
主要な略語

第1章 概論
 1 世界の母乳育児運動の潮流
 2 世界の母乳育児支援団体
 3 母乳育児の保護と推進:WHOの国際規準について
 4 母乳育児成功のために:「母乳育児成功のための10か条」のエビデンスを中心に
 5 IBCLCの行う母乳育児支援:業務基準・倫理規範
第2章 エモーショナル・サポート
 6 母乳育児カウンセリングの理論と基本
 7 母乳育児カウンセリングの実践
 8 1人目の母乳育児がうまくいかなかった経験をもつ母親への援助
第3章 母乳育児についての基本的知識
 9 子どもにとっての母乳育児の利点
 10 母乳の免疫学的意義
 11 母親にとっての母乳育児の利点
 12 社会にとっての母乳育児の利点
 13 母乳分泌の解剖・生理
 14 母乳の生化学
 15 吸啜・嚥下の解剖と生理
 16 母乳栄養児の消化吸収
 17 文献にみる「乳質」考察
第4章 妊娠中の母乳育児支援
 18 母乳育児のための出産前教育
第5章 出産直後の母乳育児支援
 19 早期接触(early attachment/early contact)の意義
 20 早期接触の支援
 21 出産後1週間の乳房と母乳の変化(乳房緊満を含む)と支援
 22 出産直後の授乳時間,授乳間隔,夜間授乳,母子同室
 23 ポジショニング(授乳姿勢,抱き方)と
   ラッチ・オン(吸着,含ませ方,吸い付かせ方)
 24 母乳育児と黄疸
 25 母乳育児と低血糖
 26 入院中の児のモニタリング:体重減少と増加,尿・便など
第6章 特別な支援を必要とする場合
 27 直接授乳が困難な場合の支援
 28 乳頭痛,乳頭損傷がある母親への支援
 29 帝王切開で出産した母と子への母乳育児支援
 30 母子分離:搾乳と電動搾乳器の使用方法および母乳の保存・解凍・加温
 31 双子・多胎児の母乳育児支援
第7章 退院後から1か月までの母乳育児支援
 32 退院後の地域での母乳育児支援
 33 母乳育児の継続的支援
 34 母乳不足と母乳不足感
 35 母乳育児中の食事,水分摂取
第8章 1か月以後の母乳育児支援
 36 補完食(離乳食)の開始と進め方
 37 母乳で育てられている児への鉄,ビタミンの補足
 38 人工・混合栄養からの母乳復帰
 39 働く女性と母乳育児
 40 乳腺炎の予防と治療
 41 母乳育児に関する乳幼児の発育・発達
 42 乳離れ・卒乳
 43 母乳育児と妊娠,きょうだい同時期授乳

あとがき
NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会
巻末資料1:母乳育児成功のための10か条
巻末資料2:母乳代用品のマーケティングに関する国際規準
巻末資料3:乳幼児の栄養に関するイノチェンティ宣言2005年版
索引

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