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緩和ケアエッセンシャルドラッグ 第2版

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がんの症状マネジメントと緩和ケア薬剤情報を有機的にまとめたクイックリファレンス 著者の経験・知識に基づいた貴重なノウハウと情報が満載 緩和医療に携わる医師・薬剤師・看護師必携の1冊 【第2版改訂のポイント】 10薬剤を新規に追加。厳選した全55種の薬剤情報とポイントを掲載 (新規掲載薬剤:アゾセミド・クエチアピン・セレコキシブ・デュロキセチン・トラマドール・ドンペリドン・フェンタニル経皮吸収型製剤(1日貼付型)・プレガバリン・ミルタザピン・リドカイン) 疼痛、倦怠感、悪心・嘔吐など、18症状の概念・アセスメント・マネジメントとケア等を簡潔に解説 最新情報へのアップデート―緩和医療の進歩にあわせて、初版掲載項目も大幅に加筆・修正。内容が一段と充実 コンパクトながら、より見やすく使いやすい紙面に
恒藤 暁 / 岡本 禎晃
発行 2011年09月判型:三五変頁:328
ISBN 978-4-260-01409-0
定価 2,420円 (本体2,200円+税)
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第2版の序

 2008年の本書初版の発行から3年が経過した.この間,わが国の緩和ケア領域では,緩和医療専門医と緩和薬物療法認定薬剤師が誕生した.また,日本緩和医療学会からは『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン』,『苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン』,『がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン』,『がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン』が発行され,診療報酬では緩和ケアチーム加算の改定がなされた.
 さらに,海外では既に使用されている「国際ホスピス緩和ケア協会による必須薬」や各種書籍に収載されている薬剤が,わが国でも発売された.これらの中には,今まで鎮痛補助剤として鎮痛剤以外に分類されていたが,わが国での臨床試験の結果に基づき神経障害性疼痛の適応をもった薬剤がある.
 このように,わが国の緩和ケアが著しく進歩しているため,今回本書を改訂することになった.主に改訂された部分は,「新しい薬剤」の追加,および初版に収載した「IV.症状マネジメントの概説」と「V.エッセンシャルドラッグ」の加筆・変更である.追加した薬剤はアゾセミド,クエチアピン,セレコキシブ,デュロキセチン,トラマドール,ドンペリドン,フェンタニル経皮吸収型製剤(1日貼付型製剤),プレガバリン,ミルタザピン,リドカインである.これらには,初版の発行後に新たに発売されたものと,前回収載を見送ったが必要性が高いと判断したものとがある.初版収載薬剤の加筆・変更は,適応や相互作用が追加された薬剤などを中心に行った.
 今回の改訂では,できる限り最新の情報の掲載に努めたが,医療の進歩は目覚ましく,添付文書の改訂も頻繁に行われていることから,最新の情報は添付文書等で確認していただきたい.
 本書が緩和ケアを必要とする患者の症状マネジメントに少しでも役立つことができれば嬉しい限りである.今後,内容をさらに充実させていくため,お読みになった方々からご意見やご教示をお寄せいただければ幸いである.

 2011年9月
 恒藤  暁
 岡本 禎晃

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I 本書の構成と使用法
II 国際ホスピス緩和ケア協会による緩和ケア必須薬
III 症状マネジメントの原則
IV 症状マネジメントの概説
 1 がん疼痛
 2 倦怠感
 3 食欲不振
 4 悪心・嘔吐
 5 腸閉塞
 6 便秘
 7 下痢
 8 腹水
 9 呼吸困難
 10 咳
 11 転移性脳腫瘍
 12 高カルシウム血症
 13 不安
 14 抑うつ
 15 せん妄
 16 不眠
 17 気道分泌過多
 18 苦痛緩和のための鎮静
V エッセンシャルドラッグ
 アセトアミノフェン
 アゾセミド
 アミトリプチリン
 イミプラミン
 エトドラク
 オキシコドン
 オクトレオチド
 オランザピン
 ガバペンチン
 クエチアピン
 クロミプラミン
 ケタミン
 コデインリン酸塩
 酸化マグネシウム
 ジアゼパム
 ジフェンヒドラミン
 ジメンヒドリナート
 スピロノラクトン
 セレコキシブ
 センナ
 センノシド
 ゾルピデム
 ゾレドロン酸
 デキサメタゾン
 デュロキセチン
 トラマドール
 ドンペリドン
 ノルトリプチリン
 バルプロ酸
 パロキセチン
 ハロペリドール
 ピコスルファート
 ビサコジル
 フェンタニル経皮吸収型製剤(1日貼付型製剤)
 フェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)
 フェンタニル注射剤
 ブチルスコポラミン臭化物
 ブプレノルフィン
 フルニトラゼパム
 フルボキサミン
 フルルビプロフェン
 プレガバリン
 プレドニゾロン
 プロクロルペラジン
 フロセミド
 プロポフォール
 ブロマゼパム
 プロメタジン
 ベタメタゾン
 ミダゾラム
 ミルタザピン
 メトクロプラミド
 モルヒネ
 リスペリドン
 リドカイン
 ロペラミド
 ロラゼパム

参考文献
索引
 薬効別索引
 事項索引

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ハンディで情報満載,緩和ケアスタッフの強力な助っ人 (雑誌『月刊薬事』より)
書評者: 平井 みどり (神大大学院教授・薬剤学)
 本書の初版が発行された2008年の前年に,「がん対策基本法」が公布され,それまで一部のホスピスだけのものという感のあった「緩和ケア」,「オピオイド」が,にわかに身近なものとなった。さてどこから勉強すればいいのやら,というときに強力な助っ人として緩和医療の現場に登場したのが本書の初版である。それから3年,各種ガイドライン策定や,専門医,認定薬剤師の誕生など,緩和ケア領域ではドラスティックな動きがあり,わが国もようやく緩和ケアが定着しつつあるようだ。また,緩和ケアの薬物療法においても,鎮痛薬のラインナップが飛躍的に増加し,一方で鎮痛補助薬であったものが神経障害性疼痛の適応を獲得するなど,その変化は極めて激しい。

 患者QOLを高め,早い段階から適切なケアを提供するためには,薬物の適正使用に精通した薬剤師が緩和ケアチームに参加することが必須であり,チームの一員として積極的にケアに関わる姿勢が求められている。本書はそういった要求に応える,中身が濃い,かつハンディで情報満載の「必携本」である。前半では症状の解説とマネジメント方法が具体的に書かれており,そこで使用する薬剤については,その解説のある参照ページも記載されている。薬剤にとどまらず,例えばせん妄については環境整備の方法なども示されていて,お役立ち感が高い。後半の個々の薬剤解説は,最新の情報は添付文書を確認するように,という但し書きつきで,必要な情報を薬物動態や相互作用なども含め,二色刷で見やすくコンパクトにまとめてある。本書が版を重ねるに従い,わが国の緩和ケアの質が向上することを確信させる,エッセンシャルブックである。

(『月刊薬事』 第54巻 第3号,2012年3月,じほう社,86(450)ページ掲載)
薬学的パラメーターを掲載。薬剤師にも便利な携帯書籍 (雑誌『大阪府薬雑誌』より)
書評者: 笠原 伸元 (大阪府薬剤師会・監事)
 本誌初版は2008年6月に発刊され,本誌同年9月号の図書紹介欄に掲載した。3年経過し第2版が発刊されたので紹介する。

 緩和ケアの領域は我が国の高齢化,がん患者の増加を背景に医療における最重点課題として取り組んでいる。日本緩和医療学会・日本緩和医療薬学会が中心となりチーム医療として活動する最たる領域である。特に後者は薬剤師が中心となる学会であり,薬物療法が極めて重要であることを示している。

 まず,本書の改訂の要点であるが,新薬が追加された。また,前回掲載しなかったが要望が多く必要性が高い医薬品が追加された。追加数は10品目であり,総掲載医薬品数は57品目である(第2版掲載により初版より2品目削除)。品目数が増加したため40頁(本の厚さとして約2mm,20g)増加した。なお,添付文書の改訂については加筆・修正が為された。しかし,添付文書はしばしば改訂されるので注意していただきたい。

 初版の紹介で記載のとおり,病棟回診等にポケット版として携帯に便利なように構成されている。特に薬物動態等薬学的パラメーターを掲載しており,薬剤師にとって便利に作成されている。

(『大阪府薬雑誌』 第62巻12号,2011年12月,45ページ掲載)
永遠の名車のような輝きを放つ,緩和ケア領域の好著
書評者: 加賀谷 肇 (済生会横浜市南部病院診療支援部長・薬剤部長)
 恒藤暁先生,岡本禎晃先生の執筆による待望の新版が上梓された。

 本書は,言うまでもなく,わが国の緩和医療の第一人者である医師の恒藤先生と,緩和薬物療法認定薬剤師の第一号である岡本先生の共著である。私は日ごろから,医学と薬学は薬物治療における車の両輪と思っている。このお二人の息の合った合作は,永遠の名車のような輝きを放っている。

 2008年の初版本を私はグリーンブックと呼び,座右の書として愛用してきた。このたび,装丁をオレンジに変えて登場したので,今度はオレンジブックと呼称を変更しようと思う。

 白衣のポケットにいつも忍ばせておけば,緩和医療の現場で患者の症状マネジメントを行う際に,専門知識と安心感を与え続けてくれる,緩和ケア領域のベストセラー書である。

 今回の改訂版を手に取って気付いたことを,以下に列記してみたい。

がんの症状マネジメントと緩和ケア薬剤情報が有機的にまとめられたクイックリファレンスであり,とても使い勝手がよい。
裏表紙を1枚めくったところに,IV章「症状マネジメントの概説」とV章「エッセンシャルドラッグ」の一覧が掲載され,よりすばやく目的の項目にたどりつけるようになった。
がん症状のマネジメントに必須の薬剤情報および薬剤学的特徴が,最新かつ一層充実した内容に変更されている。
疼痛,倦怠感,悪心・嘔吐など,18症状の概念・アセスメント・マネジメントとケアなどの情報が簡潔に記されているが,これらは初版の内容より大幅に改訂されている。
10薬剤(アゾセミド・クエチアピン・セレコキシブ・デュロキセチン・トラマドール・ドンペリドン・フェンタニル経皮吸収型製剤(1日貼付型)・プレガバリン・ミルタザピン・リドカイン)の解説が新たに追加された。
情報量が増えているにもかかわらず不思議なくらいコンパクトサイズで,しかも必要な情報を見つけやすいレイアウトになっている。
ポイントがより明確になった。例えば,フェンタニル経皮吸収型製剤の1日貼付型製剤と3日貼付型製剤の換算などは実に覚えやすく記載されている。デュロテップ®MTパッチの含有量(2.1mg)の下1桁の数字がフェントステープにおける含有量(1mg)であることや,デュロテップ®MTパッチの含有量の40%がワンデュロ®パッチの含有量(2.1mg×40%=0.84mg)であることなどは,とてもわかりやすい。

 著者のお二人は,症状マネジメントが緩和ケアの出発点というコンセプトのもと,症状マネジメントの必須薬が本書に収載されているエッセンシャルドラッグであり,これを習得することが緩和ケア実践の近道であると述べている。

 緩和医療に携わる医師・薬剤師・看護師はもちろんのこと,これから緩和ケアにかかわる医学生,薬学生,看護学生にも,臨床で必携の一冊としてお薦めしたい。

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