物理療法学 第4版

もっと見る

理学療法士養成課程における「物理療法学」の講義に最適なテキスト。第4版では各療法ごとに(1)定義・分類、(2)基礎と生理学的作用、(3)実際、(4)適応・禁忌・注意を要する事象、以上の形式で統一し、読者の理解がより進むよう配慮している。前版から好評を博した巻末付録「物理療法学における基本用語解説」は今版においても更なる充実を図るとともに、「症例別物理療法プログラムの実際」ではスポーツ外傷と褥瘡を新たに加えている。
*「標準理学療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 標準理学療法学 専門分野
シリーズ監修 奈良 勲
編集 網本 和 / 菅原 憲一
発行 2013年03月判型:B5頁:320
ISBN 978-4-260-01526-4
定価 5,170円 (本体4,700円+税)
  • 販売終了

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 序文
  • 目次

開く

第4版 序

 理学療法士が国家資格として誕生してから,あと数年で半世紀の時が経過する.その時間経過のなかで,新たな理学療法手技が誕生し発展するとともに,旧来から行われてきたさまざまな手技は淘汰されてきており,非常にdynamicな変遷が日々進行している.物理療法は,その変遷のなかで最も影響を受けた理学療法分野であるように思われる.
 理学療法士のスキルが向上するということは,まず個々のもつ徒手的手技の向上が優先される現状があると思われる.これはまったく否定されるものではなく,重要なことの1つであろう.しかし,理学療法士にとって最も重要なことは,基礎的な知識とそれを利用しうる,根拠をもった思考過程にほかならない.その点で,各種物理療法のもつ物理的刺激による生理学的作用をどのように展開するかを考える能力は,理学療法スキルの重要な要因となる.物理的刺激のほとんどは客観的指標となっていることから,たとえば治療刺激の増減を考慮・適応し,十分な効果を生じさせることは,非常に客観的な治療になりうる.しかし,このような利点があるということは,逆にいえば治療効果が得られないこともはっきりとわかり,その手技が淘汰されやすくなることもその特徴といえる.一方で,適応刺激の刺激量,刺激の頻度,刺激時間などを変化させることで別の効果を生むもの,また,随意運動などと併用することでその効果が変わるものも多く報告されている.このように,一局面からの判断が早計にすぎることも考えられ,今後ますます検討を要する手技も多く残されているように思われる.この点からすると,物理療法は常に“古くて新しい手技”であるといえる.その新しさを導き出すことこそ,理学療法手技の根幹を築くものであるといっても過言ではなかろう.
 今回の改訂では,学生の学習効率を高め,理解の促進に寄与するため,1つひとつの手技の関連性をイメージできるように各療法の書式を統一し,各療法がどのような目的で使用されるかを学生が一目で理解できるように,各療法の「適応・禁忌,注意を要する事象」をそれぞれ一覧表にして明示した.さらに,これまでの章構成を一部改め,臨床での使用頻度などを考慮した順に配置し直した.新項目としては,第10章「症例別物理療法プログラムの実際」において,近年注目を集めているスポーツ外傷および褥瘡を加えた.また,今改訂ではいくつかの章と項目で執筆者の交代をお願いした.交代のご快諾をいただいた第3版までの執筆者の先生方には,これまでのお力添えに編集者として深甚なる感謝を申し上げる次第である.
 本書が学生諸君の学びの指針となり,各種物理療法の基礎的な理解と実践,さらには臨床現場における強い味方となるよう心から願っている.そして,本書が「物理療法」の新たな発展と可能性の拡大に寄与することができれば,編者にとってこのうえない喜びである.
 2013年2月
 菅原憲一・網本 和

開く

第1章 物理療法の歴史と今後の課題・展望
第2章 温熱療法
 I.温熱療法の定義・分類
 II.温熱療法の基礎と生理学的作用
 III.各種温熱療法の実際:ホットパック
 IV.各種温熱療法の実際:パラフィン
 V.各種温熱療法の実際:超音波療法
 VI.各種温熱療法の実際:極超短波療法
第3章 寒冷療法
 I.寒冷療法の定義・分類
 II.寒冷療法の基礎と生理学的作用
 III.各種寒冷療法の実際
 IV.寒冷療法の適応・禁忌,注意を要する事象
第4章 水治療法
 I.水治療法の定義・分類
 II.水治療法の基礎と生理学的作用
 III.各種水治療法の実際
 IV.水中運動療法の手技
第5章 電気刺激療法
 I.電気刺激療法の定義・分類
 II.電気刺激療法の基礎と生理学的作用
 III.各種電気刺激療法の実際:神経筋電気刺激/治療的電気刺激
 IV.各種電気刺激療法の実際:経皮的電気神経刺激(TENS)
 V.各種電気刺激療法の実際:機能的電気刺激(FES)
 VI.バイオフィードバック
 VII.電気診断と経頭蓋磁気刺激
第6章 光線療法
 I.光線療法の定義・分類
 II.光線療法の基礎と生理学的作用
 III.各種光線療法の実際:紫外線療法
 IV.各種光線療法の実際:赤外線療法
 V.各種光線療法の実際:レーザー療法
第7章 マッサージ療法
 I.マッサージ療法の定義・分類
 II.マッサージ療法の基礎と生理学的作用
 III.各種マッサージ療法の実際:筋膜リリース
 IV.各種マッサージ療法の実際:伝統的マッサージ
 V.各種マッサージ療法の実際:軟部組織モビライゼーション
 VI.各種マッサージ療法の実際:スポーツマッサージ
第8章 牽引療法
 I.牽引療法の定義・分類
 II.牽引療法の基礎と生理学的作用
 III.各種牽引療法の実際:頸椎牽引
 IV.各種牽引療法の実際:骨盤牽引
第9章 物理療法におけるリスク管理
第10章 症例別物理療法プログラムの実際
 I.腰痛症
 II.頸腕痛
 III.変形性関節症
 IV.切断
 V.関節リウマチ
 VI.浮腫
 VII.末梢神経麻痺
 VIII.痙縮
 IX.スポーツ外傷:肉ばなれ
 X.褥瘡

付録 物理療法学における基本用語解説
索引

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。